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妄想世界は今日も  作者: ラムネ
第一章 新しい生活
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9/17

RTA?1

 ゲーム開始。開始と同時に慶斗は消えた。エリルドの影にもう居たのだ。影で作った鎌で裾を連続で切りつける。エリルドはすぐ抜け出したが、切り傷ができ血が垂れる。

 「おい、大丈夫か。もう既に喰らってるぞ。「影身」!」

 慶斗の周囲から影で作られた快斗そっくりの人が現れ、ヴァンを襲う。しかし——。


 ザザッ。

「ッ!」

 

 飛び散ったヴァンの血が形を変え、鋭い刃となった。慶斗は後ろに蹴り出したが、脇腹をかすめた。

「めんどくさいカウンターだな。なら……」

 慶斗は両手で空を包み、中にできた影から漆黒の球体が作られる。それは、全てを飲む込むくらいに。

 しかし、ヴァンも黙って突っ立っている訳ではなかった。

「そっちがその気なら、こっちだってデカイのやってやるよ……!」

 ヴァンの背中から流れる血が再度変形し、大きな翼になり上空へ羽ばたく。ヴァンはわざと腕に切り傷をつけ血を流し、その血は気化し雲のようになった。そしてそこから降ってきたのは——、大量の刃。

「無駄だ。この前の人影のときは打てなかったが、今なら……」

 包まれた球体がヴァン目がけて放たれた。

「幻影 ブラックホール」

 豪雨のように降り注ぐ刃は、すべて球体に飲み込まれた。そして、雲自体も。球体は、飲み込むほど大きくなる。ヴァンは慌てて回避した。

「それだけじゃないんだよな」

 慶斗がそう言うと、巨大な球体は突然小さくなり、ヴァンの方へ再度突撃した。

「……えっ」

 なんと球体から、それまで飲み込んでいた刃をすべて吐き出した。自ら出した攻撃を、そのまま返されてしまったのだ。

 ——ヴァン・ライトパープル。強制送還——

 アナウンスとともにヴァンは元の世界に帰った。

「な、なんなの……あいつ……」


  「ヴァン!!!あいつ……!あ、マズイ」

 エリトは佳逸の前から突然姿を消した。

 「消えた……?移動系の能力か?でも気配ごと消えてる気が――」

 佳逸の背後にエリトが現れた。佳逸は躱し、数回切りつけた。再度エリトは姿を消す。

 「うぜーなー。まあそういう能力なんだろうけど」

 現れては姿を消す、それを繰り返しているだけ……。しかし、佳逸はエリトを気絶させることは難しい。佳逸の攻撃はダメージが低いからだ。

「あいつをやるには、一瞬のうちに高火力を与えないといけない」

 佳逸は大きく深呼吸し、棘のついた鉄球と小さい爆弾を持つ。全神経を集中させ静かにエリトを待った。

 そして、ついにその時が訪れた。


「輪回結核 爆華!」


 背後に現れたエリトに対し、目にもとまらぬ速度で振り向き、重い打撃、斬撃を浴びせた。

 「い、いつの間に、攻撃を……」

 ――エリト・スカイブルー、強制送還――

 「エリトも早いね」

 「あれは確かに速かった」

 「そっちじゃなくて」

 ものの数分で、二対二の戦いになった——。

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