三種の神器
(マジかよ、掠っただけだぞ!?)
腹部を抑えて体勢を立て直す。
「天空の神器」
鍛治は剣の武器を取り出し、大きく振りかざす。剣先が空をきったとき、風が吹き荒れ佳逸を天へ持ち上げた。そして鍛治は地を蹴り突撃する。
(足場を不安定にして畳み掛ける気か。だが……)
「俺に足場なんか必要ねえ!」
佳逸は変わらず猛攻撃を続けた。鍛治はまた剣を振る。
なんとその一振りは──、
「雲集霧散」
煙、目にも止まらぬ斬撃もすべて解けるように消えた。
「なっ……!?」
その一瞬の油断を鍛治は見逃さなかった。一気に佳逸を切りつける。
「ガッ……」
佳逸の身体が脱力する。しかし──、
「もう、これは遊びじゃない。本気で殺りにいく」
身体が鍛治に吸い寄せられる。鍛治の身体には、鎖が巻かれていたのだ。
「鎖!?いつの間に……」
「少し切りつけるだけのために来たのか、悲しいなあ」
連撃が鍛治を地に押し戻す。鍛治を見る佳逸の目は、絶対にそらすことはない。
「グッ……、ガハッ……!」
鍛治は武器を振る間もなく刃の雨を浴びせられる。そして、鉄球は鍛治を奥へ突き飛ばし、受け身を取ろうとする身体ごと叩きつけた。鍛治は大木に衝突する。
「なあ、なんで俺と戦うのか理由を聞かせてくれ。あと、神器っていうのも」
佳逸は打ちつけられてぐったりしている鍛治に対し問いかけた。
「う……。お前には、関係ないことだろ……」
血まみれになる身体を無理やり起こし、斧を取り出す。
「壊れるかもしれないが……、勝つには……。やるしかない……!」
鍛治は斧を思いっきり振り上げる。
(同じことやってんのはどっちだよ)
佳逸は続けて攻撃をしようとした。しかし、鍛治の斧を振り下ろすのが先だった。
「震天動地ッ!」
激しく打ちつけられた地面は、辺りの空気ごと重く振動した。
(地震……?なんだ、身体が動かない……)
そして、山の半分が崩壊した。佳逸はモロに喰らったが、鎖を可能な限り張り巡らせ衝撃を緩和したことでダメージを最小限にした。しかし、佳逸は崩壊した山の崖の外へ吹き飛ばされてしまった。
「天変地異!」
鍛治は斧を天へ振り上げる。その時、
(なんだ!?身体が、空に落ちてる……?何が起きて──)
佳逸の身体に異変が起きる。困惑する佳逸は、滝の下の川底に叩きつけられた。もう、何が何だか分からなかった。
「どうだ?天地がひっくり返ったみたいだろう?」
そう言ったあと、斧にヒビが入る。そして、甲高い音をあげて砕け散った。
「クッ。大地の神器はもう使えないな……」
佳逸は瞬時に崖の上へ移動し、鎖を鍛治に突き刺す。鎖を引き、自分ごと鍛治を崖の外へ身を放り投げた。佳逸は、上から鍛治を釘を打ち込むように斬撃を浴びせる。宙に浮く鍛治の身体は、佳逸の攻撃を躱すことは出来なかった。しかし、鍛治は剣で鎖を切断し、地面に衝突する前に着地をした。
再度、金属が打ち合う音が鳴り響く。火花を散らし、お互い切り傷ができる。鍛治は剣と槍をそれぞれ片手に持ち、佳逸を突き飛ばし距離をとる。
「同じ攻撃ばかりは、こっちのセリフだ。そろそろ終わりにしてやる」
「それでもいい……!俺はこの力で──、
お前に勝たないといけないんだ!」




