夏祭り 裏
夏祭りの前の日──。
佳逸が一人で家にいた時、窓に何かが当たる音がした。窓を開け、地面を見てみると、そこには丸められた紙が転がっていた。
「イタズラか?……クソッ」
苛立ちながらもその紙を広げると、そこには
ケイイツ ○○山へ来い 戦え 鍛治
と書かれていた。
「これ、どう見ても果たし状だよな……!?」
佳逸は分かりやすく顔を真っ青にして震え上がった。マンガでよく見るものだが、実際現実で目の当たりにすると何とも恐ろしいものだ。
「行った方がいいよな?じゃないと今度は紙投げてくるだけじゃ済まないだろうし……」
佳逸は仕方なく、その山に行くことにした。
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「そういえば山ってふもとでいいんかな?それとも中?」
少し森の中に入り、しばらく歩いていると、声と共に人影が見えた。
「来たか、ケイイツ」
一体誰が書いたのか緊張が走ったが、その人影の正体は佳逸と同じくらいの歳の男であった。白黒の袴を着ており、背中には三本の長い武器のようなものがある。
「早速だが……」
「ちょ、待て。なんで俺と戦う必要があるのかだけ──」
「死んでもらう。大地の神器……!」
ドゴオォォンッ!!
男……鍛治は、三本の武器のうち斧のようなものを手に取り、一瞬にして振り下ろした。地面は触れた途端大きく割れ、根のように広がった。
「嘘ぉ!?」
佳逸は咄嗟に高く飛び、攻撃を躱した。両手に鎖を生成し、鍛治目掛けて振る。
(こうなったら、戦闘不能にして聞くしか……。神器だのなんだの分かんないことだらけだけど、意味もなく襲ってくるとは思えないし)
「輪回結核!」
棘のついた鉄球のある鎖が鍛治を刺すように飛ぶ。何百ものの斬撃は、どんな攻撃も弾き相手を切り刻む。しかし──。
斬撃のほうが、弾かれてしまった。
「!?」
鍛治は、斧から槍の武器に持ち替えていた。
「深海の神器だ。移山造海」
さらに強い突きが佳逸を襲う。槍の先端から空気の砲撃が木々を貫き、大穴が空く。佳逸は距離を置き、爆薬を取り出し爆破させる。煙が辺りを包み、その中でも佳逸は再度近づき、攻撃する。
「同じ技しか使わないのか?」
「一個でもありゃ十分!研究し尽くして広げてやるよ!」
それぞれ二本ずつ鎖を持ち、倍以上の爆薬を宙にばら撒く。
「輪回結核 華祭!」
虹色の爆発と共に重い打撃、斬撃がさらに多く素早く飛び交う。
「捌き……きれない……!」
鍛治は槍で攻撃をなんとか受け流している間に、斧に持ち替えた。周囲を一掃するように薙ぎ払い、佳逸は少し後ろに退ける。しかし、腹が薄く切れ血が流れる。




