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妄想世界は今日も  作者: ラムネ
第一章 新しい生活
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特大花火

魔物がこっちに振り向いたとき、俺は咄嗟にそいつに突撃した。

(今はとにかく、遠くにやるしか!)

突き飛ばし、「氷」で魔物の身体を覆った。しかし、予想通り身体から生やす針により破壊された。間髪いれず、さらにもう一本針を俺に突き立てた。

「チッ」

俺は「雷」の能力で避ける。そして、

「無力化が無理なら、「氷」は攻撃として使うしか!」

腕を氷で纏い、再度突撃すると共に腹に打ち込んだ。

「ギャアアアア!」

魔物は甲高く悲鳴をあげる。効いているようだ。この戦法を繰り返そうとしたそのとき──、


ヒュウゥゥ……。……ドオォンッ!!


花火の打ち上がる音が聞こえた。花火大会が始まったのだ。そしてなんと、


魔物が、その音の方に駆けた。


「行かせるか!」

俺は瞬時に追い越したが、考えてみると魔物を食い止める方法はなかった。氷はもちろんさっきまでの戦法も覚えられたかもしれない。俺はがむしゃらに攻撃し続けた。針に砕かれても、そこからさらに攻撃を加える。

……しかし、どれも効果はなかった。最初は時間稼ぎにしかならなかったものは、もうそれすらも出来なくなった。魔物を徐々に攻撃を押しのけていく。

(どうする!?もう、炎を使うしかないのか……!?)

俺の手のひらから、暗い森を照らす花火よりも明るく、紅い炎が燃え盛る。俺はその手を魔物へ向ける。

(仕方ない……水でどうにか消火を……)

そのとき、魔物の歩む足が止まった。しかも、誰かに攻撃されたように、横によろける。俺はその方へ視線をやる。そこにいたのは、


「おいおい、環境破壊は流石にダメだぜ?」

岩で作られたバットのようなものを振る、夕霧だった。


突然の攻撃に、魔物は針すら出せなかった。夕霧は魔物が立ち上がる間も与えず、地面から岩を突き出させ、魔物を高く空へ打ち上げた。

「俺は高く飛ぶなんで出来ねえ。華佗、カッコよくやっちゃえよっ」

その言葉に、俺は自信を取り戻す。俺には友達がいると、そして、一人で悩む必要はないと、改めて心から思った。

俺は勢いよく地を踏み、魔物に追いつく。

「危害なんか加えさせない。ここで終わらせる!」

空なら、「炎」の能力が使える。夕霧の能力も覚えられてしまったら針で破壊されてしまう。まだ使っていない「炎」で、最大火力の技をぶつけることが一番の手なのだ。右腕に炎を纏い、


「溶骨!!」


緋色の一閃が魔物を貫いた。身体の内側から炎が吹き出る。炎は魔物を荒々しく蝕み、灰となって散り散りに消えた。

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