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外伝・その二十七(至高の技術内政編):世界初たる国営冷凍発動機船の進水令と、新大陸の極上新鮮肉を無傷で同期する大物流計略

天竺インドや南洋の国営香辛料で欧州の味覚を完璧にハメ殺し、大奥での怒濤の冷やし麦茶の茶器数千個洗いをも生き抜いた正一位・太政大臣たる織田信長。安土城の総大総督府の玉座に座る覇王の視線は、真夏の強烈な太陽が城下を黄金色に焦がすなか、世界の食文化と海運の歴史を五百年先んじて完全白化(ホワイト化)する、次なる未曾有の未来技術チートへと向けられていた。


元平の御世、織田東インド商会の新型発動機船(重油動力船)は世界の海を無音・爆速で往来し、日ノ本と新大陸『東日の本州カリフォルニア』を結ぶ黄金の流通網は完璧に機能していた。しかし、当時の長距離航海における食生活の課題は、依然として「肉の保存」であった。新鮮な肉は数日経てばまたたく間に腐敗するため、船員たちは過酷な塩漬けの硬い肉(ブラック食生活)を噛み締めるしかなく、これが気力と体力を削ぐ原因となっていたのである。


信長はこの食の限界を根底からハメ殺すため、二一世紀の熱力学と気体圧縮技術の知識を完全同期。国友鍛冶のからくり重油発動機と新型船を組み合わせ、船倉全体を一分の狂いも無い氷点下(氷の世界)に保ち続ける世界初の画期的な輸送船ーー『国営冷凍発動機船れいとうはつどうきせん』を開発したのである。


「ーー信長様! 畏れながら、新大陸の広大なる国営牧場で笑顔の固定給のもと、健やかに育まれた極上の牛肉を、一割の狂いも無い新鮮さを保ったまま安土の港へ大量に逆流(同期)させる不滅の巨船、ここに十割完全に完成いたしました!」

技術監督官の滝川一益が、霜の付いた面頬マスクを外しながら、興奮のあまり大粒の涙を流して安土の軍港の桟橋にて平伏した。


信長は不敵な笑みを浮かべ、総大総督の直衣を翻して巨大な冷凍船の船倉へと降り立った。

そこには、外の真夏の酷暑を十割完全に遮断し、からくり冷却機によって常に氷点下の冷気が吹き荒れる、まさに「人工の氷室」が広がっていた。そして、その棚には、新大陸から運ばれてきたばかりの、一分の腐敗も無い瑞々しく美しい極上の新鮮肉(精肉)が、何万貫分も美しく整列していたのである。


「うむ、一益よ。一分の狂いも無い見事なからくり職人技であるな。南蛮の欲深き航海士どもが、石のように硬い塩漬け肉を齧り、飢えと不満で過労死している数百年先の未来において、我が新政庁はすでに『真夏の大洋を越えても一滴の鮮度すら損なわぬ不滅の精肉輸送』を戦う前に盤上で完璧にハメ殺したのだ」


信長が自らその新鮮な肉を国営香辛料で焼き上げ、一口食して口の中に広がる肉汁の美味さに大満足の笑みを浮かべた瞬間、冷凍船の初入港(進水令)を祝うために集まっていた武田勝頼や上杉謙信ら近代官僚、そして安土に滞在していた世界中の商神たちが、その一切れを口に含んだ瞬間、驚愕のあまり脳内の幸福物質エンドルフィンが大爆発し、泡を吹いてその場にひっくり返った。


「な、何ということだ……! 新大陸から何万里もの海を越えてきたというのに、今さっき安土の里で屠殺したかのような瑞々しさと脂の美味さが一分の狂いも無い精度で保たれている!? 我々が欧州で扱っているいかなる保存肉も、これに比べれば戦う前に児戯に等しい! この国営冷凍船があれば、世界の食文化は戦う前に根底から完全にハメ殺され、全人類は織田の胃袋の前に平伏するしかない……! 織田の技術内政、マジ神仏……!」

南蛮の商神たちが涙を流して冷え切った船倉の床に平伏するなか、信長が提示したのは、世界を恐怖させる軍事力ではなく、織田東インド商会が全額保証する『国営冷凍精肉・地球規模鮮度保証の流通基本法度』であった。

他国が塩漬け肉のブラックな食事で士気を下げている段階で、新政庁の船員や民たちは、常に新鮮な肉と最高級の栄養を笑顔で摂取できる。織田の圧倒的な「未来技術・生存保証・ホワイト雇用」の物流の前に、欧州の旧式な海運概念は、戦う前にこの不滅の冷凍船の前に完璧にハメ殺されるのだった。


ーーその頃、地球規模の巨大な食文化無双を完璧に詰ませ、世界の民から「物流の神仏」と唱念されていた最高権力者、織田信長は、安土城の総大総督府の裏手にて、再び別の意味での滝のような冷や汗を流していた。


世界の完全白化という偉大なる計略を真夏の安土で成し遂げた信長であったが、夜の大奥に足を踏入れた瞬間、帰蝶、直虎、英国王女、そして甲斐姫らが、植物園で収穫されたばかりの世界中の極上西瓜スイカを前に、一分の狂いも無い完璧な温もり包囲網を敷いて待ち構えていたのである。


「信長様、お帰りなさいませ。国営冷凍船による未来の新鮮肉ハメ手、誠に見事な計略にございました。さあ、今夜は大奥一同、真夏の酷暑を吹き飛ばす『真夏の国営西瓜割り大会』の熱戦を執筆(開催)いたしますが……労働者にございます我らの有給休暇および夏の安息の規律に基づき、十割涼しき大奥の奥から動かなくなった我らのための、大量の西瓜の国営冷やし管理、一分の狂いも無い『全競技の安全管理・審判職務』、ならびに深夜の床一面に飛び散った西瓜の果汁の拭き掃除の交代制職務シフト、本日の深夜番は信長様、あなた様に十割完全に割り振られておりますよ?」

帰蝶が最高の笑顔で、すでに真っ二つに叩き割られた大量の西瓜の山と、一分の狂いも無い手拭いでの床拭き清掃指示書を信長に手渡した。


「ま、待て……! 余は今、真夏の赤道を越えても一割の鮮度すら損なわぬ不滅の冷凍船を開発し、南蛮の食糧概念を戦う前に完璧にハメ殺してきたばかりなのだぞ……!? なぜ戻ってきた瞬間から、長椅子から一歩も動かぬお前たちのために、一人で真夜中に赤子をあやし、甘い果汁でベタベタになった大奥の広大な畳の床を四つん這いになって手拭いで一人で拭き上げるという過酷な単独職務ワンオペに奔走せねばならぬのだ!」

信長の悲痛な叫びに対し、十五歳に成長した甲斐姫が、からくり目隠しを頭に乗せ、西瓜を美味しそうに頬張りながら笑顔の先回り牽制を仕掛けてきた。

「太政大臣たるもの、国営冷凍船の物流利潤を精査する前に、まずは身内の真夏の一分の狂いも無い清掃環境を一から完璧に白化(ホワイト化)していただかねば困ります。さあ、一滴の果汁の拭き残しも許されぬ雑巾掛けの激走、お励みください!」


英国王女も「スイカワリ、マジ神仏! ノブナガ様、お床拭きよろしく!」と、種をプッとお皿に飛ばしながら完璧な笑顔を見せている。


「世界をハメ殺すより、深夜に一人で大奥の西瓜の果汁を拭き取る方が十割むずかしいわ! というか、この甘い匂いで羽虫が寄ってくるではないか! 余の再生したばかりの限界胃壁がストレスと真夏の激務で本当に戦う前に跡形もなく崩壊しちゃうよーー! 誰か、余の胃薬(胃壁保護剤)を即時電信の速度で持ってきてぇーー!!」

昼間は冷徹に地球規模の技術物流を統治する総大総督でありながら、夜は大奥の完璧なる夏の規律ぬくもりの前に白目を剥き、嬉しさと緊張の冷や汗で床をピカピカに磨き上げる覇王信長。だが、ぐっすりと眠る双子の愛らしい寝顔と、冷たい西瓜を美味しそうに楽しむ妻たちの笑顔を見つめ、胃壁の激痛を堪えながらも、心の底から幸福なる微笑を浮かべるのでであった。


(外伝・その二十七・至高の技術内政編・完)

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