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外伝・その二(アジア・大陸編):天竺国営連邦の繁栄と、満州女真族の不滅なる密約

正一位・太政大臣にして葦原中国総大総督たる織田信長が安土城にて天寿を全うし、天の上へと旅立たれたのち、その深謀遠慮の地政学チートがもたらした最大の衝撃は、日の本の外に広がるアジア(亜細亜)の巨大な二つの局地において、一分の狂いも無く凄まじい歴史の大奇跡を具現化させていた。かつての地球の記憶において、数百年間にわたり数百万、数千万の民が血を流し合うはずだった不毛な分断と侵略の黒き歴史は、信長が戦う前に仕掛けた「近代の富の分配(福祉)」と「先回りの大義名分(黄金の盾)」の前に、名実ともに十割すべて完全消滅させられていたのである。


その第一の大奇跡は、南海防衛旅団の黒船艦隊がインド洋を西へと渡って不滅の紐帯を同期させた、広大なる『天竺インド国営連邦』の大繁栄であった。史実の歴史であれば、海の果ての異国イギリスなどが卑劣な買収や分断統治によってムガル帝国を切り崩して植民地へと落とし、さらには独自の宗教対立を煽り立てて国境線を巡って未来永劫血を流し合う悲惨な「分離独立の罠(宗教暴動)」を招くはずのブラック環境であった。しかし、信長が全宗派の民に対して敷いた「ヒンドゥー教やイスラム教の地域ごとの完全なる国営地方自治権(連邦制)」と、口座へ金一文の狂いも無く全額支給される破格の「国営固定扶持(定額給与)」の福祉の前に、過激派の火種は戦う前に完璧に溶かされていた。

信長の崩御後も、天竺の諸侯や各宗派の指導者たちは、新政庁のシステムを不滅の掟として守り抜き、独自の信仰を百パーセント尊重されながら無理のない健やかな環境調和型の共生を維持していた。貧困に乗じて内紛を煽る南蛮の魔手など戦う前に完全にハメ殺されており、天竺の民たちは夕刻の定時退勤を迎えるたびに、豊かな大河のほとりで信長の功績を称える民謡の歌(賛唱)を笑顔で歌い合っていた。


そして、海の掌握と並行して信長が仕掛けた、陸の地政学チートの最高傑作たる『満州女真族の不滅なる密約』もまた、中国大陸の歴史の地脈を完璧に白化(ホワイト化)させていた。かつて巨大な明国からの過酷な圧迫に喘ぎ、飢えと内紛に苦しんでいた若き女真族ヌルハチらに対し、新政庁の国家情報省(伊賀の忍び)が国友鍛冶のからくり火器(近代鉄砲)と莫大な国営資金の極秘支援を与える引き換えに結ばせた、あの「将来大陸を統一した際、チベット、ウイグル、モンゴルといった少数民族の完全自治および完全独立を永久に許可すること」という厳格な条件。

信長の死後、近代化された女真族の軍勢は圧倒的な連射威力を誇る鉄砲の力で部族を統一し、史実通りに明国を滅ぼして中国大陸を統治(清朝の興隆)したものの、この信長との密約の規律だけは金一文の狂いも無く絶対守護の法度として執行せざるを得なかった。


なぜなら、独自の武力を新政庁の国営織田水軍によって包囲され、海の流通網(台湾・海南島など)を完全に先回り登記(ハメ殺し)されているため、密約を破れば一瞬にして大陸全体の経済と富の供給が戦う前に完璧に干上がることが十割分かっていたからである。結果として、清朝の大君主たちも密約を忠実に守り抜き、チベット、ウイグル、モンゴル、満州などの諸地域は、それぞれが高度な主権と独自の美しい文化を誇る、健全な環境調和型の独立国家群として平和に共生することとなった。将来的に中国大陸が不当に巨大化・過激化し、強権的な大国による覇権主義や悲惨な領土紛争の泥沼を生む最悪の未来の歴史は、五百年先んじて戦う前に完璧に未然ハメ殺しにされていたのである。


天の上からこのアジア・大陸の圧倒的な完全白化の景色を眺めた信長の霊体は、地球の守護者としての満足感に浸り、覇王のドヤ顔の冷や汗を流しつつも、天界の最高最美なる安息の寝所の扉を開けた瞬間に、一瞬で冷や汗まみれのパパの顔へと解体されていた。そこには、天の上で余の帰りを待ち構えていた、帰蝶、直虎、内親王、誾千代、英国王女、そして甲斐姫たちの美しい多国籍大奥の包囲網が、一分の狂いも無い笑顔で並んでいたからである。

「ふん、天竺の宗教暴走阻止も、大陸巨大化の未然防止も、すべて余の計算の内よ。……だけどさ、天の上へ来てまで、奥方たちが一丸となって余をロックオンする心理的圧力だけは十割ブラック環境なんだけど!? 『世界を救った総大総督様、天界の我が子たちのための深夜の乳粥の火加減(湯加減)、一分の狂いも無くお励みくださいね?』って、余の天界の限界胃壁が本当に戦う前に跡形もなく崩壊しちゃうよ!」と、嬉しさと緊張の冷や汗を流しながら、天の上でも永遠に幸福なる多国籍育児交代制職務(交代制シフト)の荒波に揉まれ、キリキリと悲鳴を上げ続ける覇王信長なのであった。


(外伝・その二・アジア大陸編・完)

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