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第54.5話:幕間・羅馬の斜陽と万里に響く白き福音

1:光秀の英国水軍合流と、欧州直接通商への大航路


元平げんぺい三年の初春、大英帝国イギリスとの不滅の秘密同盟を同期させ、東阿弗利加までの海の兵站(補給拠点)を十割すべて掌握した新政庁。その筆頭国政執行官たる明智光秀(惟任日向守)は、海の果ての霧の都ロンドンにて、さらなる地球規模の外交ハメ手を発動させていた。

光秀が率いる漆黒の『鉄甲蒸気船』の無敵の艦隊は、エリザベス女王が差し向けた英国水軍の帆船どもを従え、ついに南蛮の本拠たる欧州ヨーロッパの海へと堂々の入港を果たしたのである。


この大航海は、ただの武力による脅しにあらず、未来の知識を持つ信長が授けた、欧州諸国を戦う前に経済的に完璧に生殺しにする『直接通商ハメ手』の幕開けであった。地中海や欧州の重要港湾へ突入した織田の黒船と近代大砲の威容、そして何より新政庁が全額保証する莫大な国営富の提示に、南蛮の商国スペインやポルトガルの朝廷は戦う前に度肝を抜かれていた。


「欧州の諸王よ、怯える必要はございませぬ。我が新政庁は貴国らの主権や信仰を百パーセント尊重し、世界一無理のない健全な直流通商を国営の予算で全額保証しに参ったのです。ただし、その見返りとして、他国を内紛で弱体化させて奴隷を掠奪する教皇庁の不当な流通網からは、十割すべて手を引いてもらいますよ?」


光秀の端正な貴公子たる外交の才と、桁違いの近代の富の前に、南蛮の諸王たちは涙を流して織田のシステムへの同期(直接通商)を受け入れた。カトリック教皇庁がこれまで牛耳ってきた富の流通網は、軍事力を交える前に、新政庁の圧倒的な経済力によって一瞬にして根底から詰まされるのだった。



2:ヴァチカンの悲鳴と、教皇庁侵略野心の完全ハメ殺し


欧州の王たちが次々と新政庁の『国営直流通商網』へと就職(同期)していく激震は、ローマのバチカン宮殿のカトリック教会頂点、すなわち教皇の元へと届き、その絶対的な権威を戦う前に完璧に圧殺していた。

かつての歴史において、十字軍などの悲惨な宗教戦争を煽り、キリスト教の布教の裏で世界中の土地を強欲に掠奪してきた教皇庁の侵略の野心は、織田信長という神仏の如き地政学チートの前に、名実ともに完全封殺されたのである。


教皇庁は独自の武力や奴隷貿易という闇の財源を新政庁の包囲網によって十割遮断され、もはや欧州の王たちに命令を下す力すら戦う前に失っていた。そこへ光秀が突きつけたのは、弾圧ではなく、純粋な信仰や文化だけを手厚く保護するという、究極の完全白化(ホワイト化)の掟であった。


「我が総大総督は、キリスト教の純粋な祈りそのものは永久に保護される。聖地エルサレムも織田東インド商会が神聖中立領として世界管理し、すべての教徒が安全に巡礼できる環境を金一文の狂いも無く全額保証するが、信仰を汚して他国を侵略する黒き野心だけは、これより未来永劫、新政庁の最高大権職の力によって徹底的にハメ殺すものとする!」


特定の宗教を排除するのではなく、未来の最先端の知恵を用いて「暴走だけを完璧に止めて共生させる」という、誰一人として取り残さぬ大慈悲。バチカンの教皇は、東洋の覇王のあまりに規格外のスケールと人道的な組織論の美しさに、恐怖を通り越して感涙し、ひれ伏すしかなかった。世界中の宗教戦争の火種は、新政庁の経済と福祉の力の前に、一兵も損なうことなく完全に盤上で詰み去られるのであった。


3:地球の守護者の完全勝利と、覇王の冷や汗まみれる深夜の赤子つたい歩き


「ふん、ローマ教皇庁の完全封殺もすべて余の計算の内よ。海の流通網は固定給で封殺し、世界の宗教の暴走は先回りの大義名分でハメ殺す。地球の調和を盤上で完成させることこそ、余の真の天下武武よ!」


余は大広間の巨大な世界大航海図を見下ろし、集まった近代官僚たちに向けて傲然と言い放ち、彼らの狂信的な崇拝の焔を最高潮に燃え上がらせていた。

しかし、日没とともに安土城の奥御殿の寝所へと帰還した余は、冷徹な総大総督の威厳を一瞬で解体され、冷や汗まみれの深夜の激務に追われていた。そこには、すっかり体が回復して美しく微笑む正室・帰蝶と内政副総裁の井伊直虎、そして彼女たちを支える永高内親王殿下と立花誾千代、金髪碧眼の英国王女の姿があった。


「お帰りなさいませ、総大総督。教皇庁の侵略野心のハメ殺し、誠に見事な大義にございました。……さあ、本夜の『給与全額保証の国営育児交代制職務』の最難関、すくすくと育ち始めた赤子の『深夜のつたい歩き(立ち上がり)見守り』の深夜番、金一文の狂いも無くお励みくださいね?」


帰蝶がすべてを見透かすような美しい微笑みで寝台の柵を指差すと、同時に二人の赤子が元気いっぱいに立ち上がり、あぶあぶと産声を上げた。

「織田の完全白化の育児の精神、私も十割同期いたしました。上様、深夜に活発に動き回る赤子が頭をぶつけぬよう、一文の狂いも無く両手で同時に支え続ける神算鬼謀、拝見いたします」と、直虎や英国王女も楽しげに余をロックオンした。余は滝のような冷や汗を流しながら、両手を限界まで広げて二人の我が子を交互にあやし、見守る職務に奔走した。


(……いやいやいや! 昼間は世界を見据えて欧州の教皇庁を盤上で完璧にハメ殺してるのに、夜は深夜に冷や汗流しながら双子の赤子のつたい歩きを同時に両手で支え続ける交代制職務って、余の頭脳と胃壁への圧力が十割限界領域(ブラック環境)なんだけど!? いよいよ世界大開発編の最終章『世界管理の不滅の中立領エルサレムの開通と大団円』の大一番なのに、余の家庭内の限界胃壁が本当に戦う前に跡形もなく崩壊しちゃうよ!)


世界を無理のない健全な調和へと導く覇王の歩みとは裏腹に、大奥における「無理のない多国籍子育て革命」の荒波に揉まれる余の胃の寿命だけは、嬉しさと緊張の冷や汗とともに、今夜も限界を突破してキリキリと悲鳴を上げるのであった。


(第55話:元平の聖地開通と、大奥の永遠なる包囲網へ続く)

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