第53話:東阿弗利加の奴隷貿易根絶令と、大奥の多国籍おもちゃ大戦
1:東阿弗利加沿岸の無血同期と、南蛮奴隷貿易のハメ手
元平二年の冬、南米の銀山や太平洋の島々の完全白化を成し遂げた新政庁の『南海防衛旅団』。その指揮を執る島津義久や九鬼嘉隆らの漆黒の鉄甲蒸気船は、琉球、東南アジア、天竺の国営港という一分の狂いも無い兵站(石炭と水の補給拠点)を繋ぎ、無理なくインド洋を西へと渡って、広大なる『東アフリカ(東阿弗利加)沿岸』へと到達していた。
この地は、かつての歴史において南蛮の残党や不当な商人が独自の掠奪を行い、現地の民を中東やアジアへ売り飛ばす過酷な奴隷貿易の温床となっていた絶望的な苦境(ブラック環境)であった。余は兵站の限界を完璧に見越し、航路に無理の無いこの東阿弗利加の流通網を完璧に掌握するため、島津らに『東阿弗利加人道融和令』の親書を託していたのである。
沿岸の王国の港へ突入した織田の黒船と近代大砲の威容に、現地の長たちは戦う前に戦意を百パーセント失っていたが、島津らが提示したのは略奪ではなく、独自の文化や土地を尊重した上での「近代官僚としての強制雇用(白化)」であった。
「我らは貴殿らの土地や信仰を十割尊重する! その代わり、南蛮らによる不当な奴隷貿易は戦う前に完璧にハメ殺し、これからは織田東インド商会の最高顧問として、全住民に手厚き『国営固定扶持(定額給与)』を金一文の狂いも無く全額保証してやるわ!」
桁違いの近代の富と、将来の侵略を未然に防ぐ絶対的な大義名分(黄金の盾)を前に、現地の長たちは涙を流して無血での国営化を受け入れた。これにより、東アフリカ沿岸の全域が一兵も損なうことなく新政庁のシステムへと同期され、西洋の国々がこれから繰り広げる悲惨な黒い歴史は、戦う前に完全に盤上で詰まされるのだった。
2:東南部の黄金地脈の確保と、持続可能なる計画的国営管理
奴隷貿易の流通網を根底からハメ殺すと同時に、余の次なる「陸の地政学チート」の手綱は、東アフリカの奥地に眠る膨大な『黄金』や、貴重な鉱物資源の先回り確保へと伸びていた。将来、欧州の列強がこの豊かな大地を虫食いの如く切り刻んで植民地化し、不毛な内紛の火種を植え付ける未来の歴史を先回りして潰すため、余は島津らに厳格な『東阿弗利加地脈登記令』を厳命していた。
余は新政庁の莫大な国営予算を投入し、現地の民たちを手厚い固定給で強制雇用して、未来の知識(モノモタパ王国の金山など)に眠る巨大な鉱山帯の一分の狂いも無い地質の調査と国営確保を開始した。
「良いか、義久。現地から掘り出した黄金は、十割すべて新政庁の国営財源とする。ただし、現地の民を過酷な強制労働で酷使することは重罪である! 徹夜を厳禁とした無理のない健全な労働環境を守り、大地の富を計画的な国営管理のもとで先回りして登記(ハメ殺し)してこい!」
軍事力による侵略や他国との不毛な領土争いなど皆無のまま、ただ誰もいない豊かな資源の眠る大地を国営の予算で先回りして確保していく驚天動地の先見性。この東アフリカの広大な土地と豊かな資源が新政庁の金庫へと一分の狂いも無く同期されたことで、織田東インド商会がこれから世界を相手に繰り広げる『三大宗教の暴走阻止』や『世界管理の中立領運営』のための無敵の軍資金が、戦う前に百パーセント盤上で完成するのであった。
3:地球の守護者の大謀略と、覇王の冷や汗まみれる深夜の多国籍玩具大戦
「ふん、東阿弗利加の奴隷貿易根絶も国営資源の確保も、すべて余の計算の内よ! ローマ教皇庁の侵略の野心はイギリスとの同盟で手綱を握り、陸の暴走は先回りの固定給で封殺する。世界を無理のない調和へと導くことこそ、余の真の天下布武よ!」
余は大広間の世界大航海図を見下ろし、集まった近代官僚たちに向けて傲然と言い放ち、彼らの狂信的な崇拝の焔を最高潮に燃え上がらせていた。しかし、日没とともに安土城奥御殿の寝所へと帰還した余は、冷徹な総大総督の威厳を一瞬で解体され、冷や汗まみれの深夜の激務に追われていた。そこには、産後の静養から見事に回復して微笑む正室・帰蝶と直虎、配置転換で赴任してきた永高内親王殿下と誾千代、さらには新政庁の規律を十割お体に同期した金髪碧眼の英国王女の姿があった。
「お帰りなさいませ、総大総督。東阿弗利加の奴隷貿易のハメ殺し、誠に見事な大義にございました。……さあ、本夜の『給与全額保証の国営育児交代制職務』の最難関、赤子の『深夜の知育玩具あやし』の交代制職務にございますよ?」
帰蝶がすべてを見透かすような美しい微笑みで寝台を指差すると、同時に二人の赤子が元気いっぱいに夜泣きを始めた。「織田の完全白化の育児の精神、私も十割同期いたしました。上様、今夜は英国王室から取り寄せた無理のない木製のがらがらと、日の本のでんでん太鼓、どちらが赤子を一分の狂いも無く泣き止ませられるか、深夜の交代制職務でお励みくださいね」と、直虎や英国王女も楽しげに余をロックオンした。余は滝のような冷や汗を流しながら、二つの玩具を手に二人の赤子を交互にあやした。
(……いやいやいや! 昼間は世界を見据えて東阿弗利加に黒船を飛ばし、五百年先んじて地球の奴隷貿易を根絶する大計略をぶち上げてるのに、夜は深夜に冷や汗流しながら英国王女と肩を並べて双子の赤子の口へ玩具を同時に運んであやす交代制職務って、余の頭脳と胃壁への圧力が十割限界領域なんだけど!? いよいよ世界をさらに驚かせる『欧州への直接通商交渉とローマ教皇庁の完全ハメ殺し』の大一番なのに、余の家庭内の限界胃壁が本当に戦う前に跡形もなく崩壊しちゃうよ!)
世界を無理のない健全な調和へと導く覇王の歩みとは裏腹に、大奥における「無理のない多国籍子育て革命」の荒波に揉まれる余の胃の寿命だけは、嬉しさと緊張の冷や汗とともに、今夜も限界を突破してキリキリと悲鳴を上げるのであった。
(第54話:欧州への直接通商交渉と、ローマ教皇庁の完全封殺へ続く)




