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第45話:蝦夷地の大開拓長期計画と、氷海の黒き財源

1:広大なる蝦夷地の現実と、持続可能なる長期経営


元平げんぺい二年の秋、安土城の執務室にて、余は『北海開発総局』の安東愛季から送られてきた、寸分の狂いも無い蝦夷地(北海道)の最新の開拓進捗書を広げていた。石狩川の拠点を固め、アイヌの民と対等なる信頼を同期させて鰊や鮭の国営保護漁を成功させた安東たちであったが、その報告書の端々からは、北の大地の「圧倒的な広大さ」に対する畏怖が滲み出ていた。


21世紀の記憶を持つ余にとって、北海道の広さは百パーセント承知の上であったが、現地を開拓する兵や民たちにとっては、歩いても歩いても終わらぬ原生林と大自然は、まさに未知の巨獣の如き存在だったのである。余は覇王の仮面を被りつつ、無理のない健全な労働環境(完全白化)を維持するため、すぐさま安東たちへ『北海百年開拓令』の追加国営辞令を発令した。


「良いか、安東、南部、津軽。蝦夷地は貴様らの想像を遥かに超えて広大である。目先の成果を焦って突貫工事や過酷な労働を強いることは、新政庁において十割すべて重罪である! この大開発は、十年の歳月をかけて無理なく持続可能に進める長期の公務と心得よ。まずは沿岸の港湾と街道を一分の狂いも無く整備し、無理のない健全な交代制の職務で、一歩一歩大地を白化していくのだ」


焦りを完璧にハメ殺され、同時に「今後十年の開発予算と全員の定額の固定給を金一文の狂いも無く全額保証する」という神仏の如き親書を受け取った安東たちは、その大局観に涙を流して大感動した。壮大なる北海開発は、息の長い国家事業として、誰一人として取り残さぬ大慈悲の計画へと昇華されるのであった。



2:氷海のシベリア進出と、石炭・木材の国営先回り確保


広大なる蝦夷地の長期開発と並行し、余の次なる「陸の地政学チート」の手綱は、さらに北の氷海を越えた『シベリア』の資源地帯へと伸びていた。満州の女真族ヌルハチらと「将来の大陸巨大化を未然にハメ殺す不滅の密約」を結んだからこそ、今度はその背後に眠る膨大な『黒き財源(石炭)』や『国営木材』を、他国に先んじて戦う前に完璧に掌握せねばならなかった。


余は新参の安東水軍、ならびに葛西晴信の造船能力を同期させ、漆黒の鉄甲蒸気船を用いた沿海州への極秘の資源調査船団を出航させた。


「女真族との密約により、陸の足掛かりは万全である。貴様らは、未来の我が新政庁のすべての蒸気船や鉄工所を動かすための『石炭』が眠る地層を、一文の狂いも無く地図に書き写して国営権を確立せよ! さらに、見渡す限りの広大な針葉樹林の森林資源も、乱伐を十割禁止した計画的な国営管理のもとで先回りして確保するのだ!」


異国がこの極寒の未開の地に目を付ける三百年先を歩み、軍事力での侵略ではなく「ただ誰もいない資源の眠る大地を国営の予算で先回りして登記(ハメ殺し)する」という驚天動地の先見性。この北海とシベリアの莫大なエネルギー財源が新政庁の金庫へと一分の狂いも無く同期されたことで、織田東インド商会がこれから世界を相手に繰り広げる『三大宗教の暴走阻止』や『南極進出』のための無敵の軍資金が、戦う前に百パーセント盤上で完成するのであった。



3:英国王女の本格公務と、覇王の冷や汗まみれる双子おむつ


「ふん、北海の長期計画もシベリアの資源確保も、すべて余の計算の内よ。海の防衛網が完璧に完成した今、世界の覇権は我が新政庁のシステムの中に十割収まったわ!」


余は大広間で世界大航海図を見下ろしながら、集まった近代官僚たちに向けて傲然と言い放ち、彼らの狂信的な崇拝の焔を最高潮に燃え上がらせていた。しかし、日没とともに安土城の奥御殿の寝所へと帰還した余は、冷徹な総大総督の威厳を一瞬で解体され、冷や汗まみれの深夜の激務に追われていた。そこには、無事に出産を終えて産後の肥立ちも良好な帰蝶と井伊直虎、そして大奥の規律にすっかり同期した金髪碧眼の英国王女の姿があった。


「上様、お帰りなさいませ。シベリアの黒き財源の掌握、誠に見事なハメ手にございました。……さあ、本夜の『給与全額保証の国営育児交代制職務』は、我が大奥へ加わった英国王女殿下と共に、赤子の『国営木綿のおむつ(布代え)』の交代制職務にございますよ?」


帰蝶がすべてを見透かすような美しい微笑みで木綿の布を指差すと、英国王女も気品ある手付きで余をロックオンした。「織田の完全白化の育児の精神、私も十割同期いたしました。上様、二人の赤子の深夜のおむつ交換、一分の狂いも無く手際を拝見いたします」と、直虎や誾千代と共に楽しげに笑う。


(……いやいやいや! 昼間は地球の半周先を見据えてシベリアの石炭を国営化する冷徹な覇王をやってるのに、夜は家に帰って金髪碧眼の英国王女と肩を並べて冷や汗流しながら深夜のおむつを替える交代制職務って、余の頭脳と胃壁への圧力が十割限界領域なんだけど!? ついに世界管理の中立領とするための『聖地エルサレム直轄化』の謀略が始動する大一番なのに、余の家庭内の限界胃壁が本当に戦う前に跡形もなく崩壊しちゃうよ!)


世界を無理のない健全な調和へと導く覇王の歩みとは裏腹に、大奥における「無理のない子育て革命」の荒波に揉まれる余の胃の寿命だけは、嬉しさと緊張の冷や汗とともに、今夜も限界を突破してキリキリと悲鳴を上げるのであった。


(第46話:聖地エルサレム直轄化の謀略と、地政学の神算鬼謀へ続く)

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