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第39.5話:幕間・元平の宸翰と南海に昇る白き旭日

1:新帝の安息と、五摂家が平伏する「元平の豊かさ」(新帝・五摂家視点)


天正二年より改元された『元平げんぺい』元年の京都。正親町上皇陛下からの御譲位を受け、新たなる日の本の頂点として即位された新帝は、内裏の奥にて、かつてない朝廷の安泰を深く実感していた。


歴代の武家どもは朝廷の権威を政治に利用するばかりで、公家衆は日々の米銭にも困り、装束すら新調できぬ過酷な黒き環境に喘いでいた。それが、正一位・太政大臣にして葦原中国総大総督たる織田信長が敷いた「国営固定扶持」の全額支給によって、一変したのである。関白をはじめとする五摂家(近衛、九条、二条、一条、鷹司)の公家衆は、新政庁から金一文の狂いも無く口座へ振り込まれる手厚い定額給与により、永久に無理のない優雅な暮らしを取り戻していた。


「信長がもたらしたこの元平の世、まさに神仏の慈悲の如し。朝廷の儀式も、誰一人として過労死することのない健全な交代制の職務によって完璧に運営されておる。五摂家一同、織田新政庁に十割すべて付き従うことに一点の迷いもなし」


関白が安土の信長に向けて深く平伏し、感涙する姿を見つめながら、新帝もまた、過酷な重労働から完全に解放された朝廷の未来に深く安堵し、信長を「不滅の守護者」と確信するのであった。



2:安土の大奥と、完全白化された楽園(永高内親王視点)


京都の禁裏から安土城の奥御殿へと嫁入りされたばかりの、天皇の皇女・永高内親王は、目の前に広がる大奥の光景に、日々心地よい衝撃を受けていた。


かつての公家社会や大奥といえば、過酷な徹夜や理不尽な雑務、身内の序列を巡る血の出ない戦場が当たり前であった。しかし、夫たる信長が敷いた大奥の環境は、それらを十割禁止した、世界一無理のない健全な楽園(完全白化)だったのである。交代制の職務と手厚き休暇、長崎や奥州からの侍女たちに至るまで全額保証される固定給の前に、大奥は常に笑顔と温かき絆で満ち溢れていた。


「上様は、本当に不思議な御方にございますね。昼間は世界を見据えて南蛮の野心をハメ殺す冷徹な覇王であられるのに、夜にこの奥御殿へ帰って来られれば、これほど優しいお顔になられるのですから」


内親王殿下が美しく微笑む視線の先では、正一位の夫(信長)が自ら、懐妊中で身重の帰蝶や井伊直虎を労るため、深夜の育児交代制職務(交代制シフト)に冷や汗を流して奔走していた。誾千代に手渡された山羊の乳の湯加減を一分の狂いも無く調整し、赤子をあやすパパの必死な本音モノローグの姿。これこそが、日の本全土を無血で国営化した覇王が本当に守りたかった、無理のない平和の形なのだと、内親王殿下は深く感動されるのであった。



3:南海の王の驚愕と、公家大納言への列位(琉球国王視点)


明智光秀が率いる新政庁の鉄甲蒸気船によって無血同期され、安土城の大広間へと召集されていた琉球国王(尚永王)は、ただただ自身の心臓の鼓動の激しさに震えていた。武力によって掠奪され、国を滅ぼされる恐怖に怯えながら安土へ赴いた王を待っていたのは、想像を絶する信長の「人道地政学チート」であった。


信長は、帝より授かった最高大権『葦原中国総大総督』の絶対的な威光をもって、琉球王を「朝廷の正統なる公家(従二位・大納言)」に列位することを厳かに宣下したのである。さらに、南方の交易権を新政庁へ同期させる見返りとして、王家には永久に無理のない豊かな暮らしを全額保証する、破格の『国営公家扶持』の支給を直々に言い渡した。


「独自の王権も豊かな交易文化も十割尊重し、その上で日の本の最高級の公家として強制雇用する。これにて琉球は新政庁の神聖直轄領となり、将来的に中国大陸(明国)が言いがかりをつけてきても、我が新政庁の絶対的な外交の盾(ハメ手)によって戦う前に完璧に詰ませることができるのだ」


提示された桁違いの近代の富と、大陸の魔手から国を先回りして守る神仏の如き大義名分を前に、琉球の王族たちは涙を流して平伏した。世界の最高権力者たちすらも戦う前に完璧に盤上で操り、南海の要衝までをも完全白化させていく新政庁。大開発編の覇業は、誰一人として取り残さぬ大慈悲とともに、さらに世界の深部へと侵入していくのであった。


(第40話:北海開拓の厳冬超えと、石狩川の大開発へ続く)

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