外伝・その五十(五十話記念巨大経済無双編):天竺国営精製大豆油の欧州電撃市場投入令と、夜の不滅を人質に取られた王侯貴族をハメ殺す織田東インド商会の油利権完全独占
世界初の空中東亜環状線によって亜細亜の季節風を大空から完璧にハメ殺し、大奥での怒濤の床下埃払いをも生き抜いた正一位・太政大臣たる織田信長。記念すべき第五十話の大大台を迎えた安土城の総大総督府の玉座に座る覇王の視線は、初秋の涼やかな風が城下を優しく包み込むなか、全人類のエネルギーと日常燃料の歴史を五百年先んじて完全白化(ホワイト化)する、次なる未曾有の超巨大経済内政無双へと向けられていた。
元平の御世、日ノ本国内ならびに天竺の肥沃な耕地の先回り国営化を完遂していた新政庁は、今や地球規模の巨大な農業生産ならびに油脂加工網を完全に掌握していた。信長は脳内の二一世紀の油脂圧搾・化学精製技術に関する知識を完全同期。当時、夜の灯火や毎日の調理に不可欠でありながら、南蛮が不当に独占し、過酷な略奪や高値で取引されていたブラックな油市場を根底からハメ殺すため、現地で大量に収穫された大豆から一文の狂いも無い純度で抽出された至高の液体ーー『国営特製精製大豆油』の大量量産に十割完全に成功したのである。
信長はこの至高にして圧倒的な「不滅の光源」を用い、一分の狂いも無い精度で欧州の燃料市場を戦う前に経済的に完全にハメ殺す、至高の経済大計略を発動した。
「ーー信長様! 織田東インド商会の欧州総局(ロンドン・マルタ島拠点)より、一分の狂いも無い確実なる電信が入電! 我が天竺国営加工場から新型発動機船(重油動力船)で直送された、極上の精製大豆油が欧州市場へと十割完全に同期(上陸)。その煤の出ない圧倒的な明るさと、南蛮の不当な旧式独占価格の十の一という信じがたい適正価格の前に、欧州の油市場が戦う前に経済的に盤上で完璧に詰まされ、欧州の王侯貴族や夜の暗闇に怯える全平民たちが、泡を吹いて平伏しているとのことです」
内政副総裁の直虎が、欧州から逆流し始めた天文学的な純金貨の一文の狂いも無い交易帳簿を抱え、興奮のあまり大粒の涙を流して報告した。
信長は不敵な笑みを浮かべ、総大総督の直衣を翻して世界地図の前に立った。
「うむ、直虎よ。本来の歴史であれば、南蛮の欲深き覇権国どもが、不衛生な捕鯨や油用の作物の強制栽培(ブラック環境)で領民を酷使し、質の悪い鯨油や菜種油を独占して世界を支配するはずであった。だが、我が新政庁が先回りして現地の民を笑顔の固定給で強制雇用し、二一世紀の工学知識で量産した『完全白化の至高の大豆油』を市場に投げ込んだことで、欧州の不当な独占組織は戦う前に根底から完全にハメ殺されたのだ」
欧州の王侯貴族たちの間で、織田東インド商会がもたらした国営精製大豆油は、またたく間に「神仏の不滅灯」として狂気的な大流行を巻き起こしていた。ひとたびその油をランプ(灯火皿)に注いで火を灯せば、部屋を黒く汚していた煤や異臭など戦う前に一瞬で消滅し、一分の狂いも無い完璧な明るさと圧倒的な調理の風味(旨味)に脳内が百パーセント支配され、これまでの高価で不純物まみれの南蛮の油など戦う前に児戯に等しいと、誰もが織田の油の虜となったのである。
「な、何ということだ……! この大豆油の水晶のような透明さ、そして火を灯しても煙が一切出ない奇跡は一体何なのだ!? 一滴の狂いも無い完璧な精製、そしてこれが現地民の搾取や涙のない優良な環境(週休二日制)で育てられたという奇跡……! 欧州の全財産(純金貨)を差し出してでも、織田の油を請い願うしかない! もはや織田の油を絶たれれば、我が王家は夜を明かすことも料理をすることもできずに戦う前に滅びる! 織田東インド商会、マジ神仏……!」
南蛮の王たちが涙を流して織田の契約書(国営大豆油・世界独占流通ならびに燃料覇権条項)に平伏するなか、織田の圧倒的な「未来技術・適正価格・ホワイト雇用」の流通の前に、欧州の経済主導権および財政主導権は、戦う前に一皿の美味なる炒め物と、夜を照らす一筋の灯火の前に完璧にハメ殺されるのだった。
ーーその頃、地球規模の巨大なエネルギー経済無双を完璧に詰ませ、世界の王たちから「流通の神仏」と唱念されていた最高権力者、織田信長は、安土城の総大総督府の裏手にて、再び別の意味での滝のような冷や汗を流していた。
世界の光源環境の完全白化という偉大なる計略を見事成し遂げた信長であったが、夜の大奥に足を踏入れた瞬間、帰蝶、直虎、英国王女、そして甲斐姫らが、国営植物園で大豊作となった大量の「瑞々しい極上葡萄」を前に、一分の狂いも無い完璧な温もり包囲網を敷いて待ち構えていたのである。
「信長様、お帰りなさいませ。天竺国営精製大豆油による未来の欧州燃料ハメ手、誠に見事な計略にございました。さあ、今夜は大奥一同、実りの秋の訪れを美味しく堪能する『初秋の国営葡萄収穫祭』の成果を執筆(開催)いたしますが……労働者にございます我らの有給休暇および秋の安息の規律に基づき、十割温かい長椅子の上から動かなくなった我らのための、大量の葡萄の一分の狂いも無い『一房ずつの国営手洗い管理』、ならびに深夜の床一面に散らばった葡萄の皮や種の完全回収、飛び散った果汁の床拭き掃除の交代制職務、本日の深夜番は信長様、あなた様に十割完全に割り振られておりますよ?」
帰蝶が最高の笑顔で、すでに食べ散らかされて皮や種が滴る大量の葡萄の山と、一分の狂いも無い手拭いでの床拭き清掃指示書を信長に手渡した。
「ま、待て……! 余は今、純白の大豆油で欧州の王たちを夜の光源から完璧にハメ殺し、南蛮の富を戦う前に完璧にハメ殺してきたばかりなのだぞ……!? なぜ戻ってきた瞬間から、長椅子から一歩も動かぬお前たちのために、一人で真夜中に赤子をあやし、甘い果汁でベタベタになった大奥の広大な畳の床を四つん尋(つん這い)になって手拭いで一人で拭き上げ、数千枚の葡萄の皮を一分の狂いも無い手作業で拾い集めるという過酷な単独職務に奔走せねばならぬのだ!」
信長の悲痛な叫びに対し、十五歳に成長した甲斐姫が、大粒の葡萄を美味しそうに頬張りながら笑顔の先回り牽制を仕掛けてきた。
「太政大臣たるもの、欧州の油利潤を精査する前に、まずは身内の初秋の一分の狂いも無い清掃環境を一から完璧に白化(ホワイト化)していただかねば困ります。さあ、一皮の拾い残しも許されぬ雑巾掛けの激走、お励みください!」
英国王女も「ブドー、マジ神仏! ノブナガ様、お床拭きよろしく!」と、皮をペッとお皿に飛ばしながら完璧な笑顔を見せている。
「世界をハメ殺すより、深夜に一人で大奥の葡萄の皮を数千枚拾う方が十割むずかしいわ! というか、この甘い匂いで羽虫が寄ってくるではないか! 余の再生したばかりの限界胃壁がストレスと初秋の激務で本当に戦う前に跡形もなく崩壊しちゃうよーー! 誰か、余の胃薬(胃壁保護剤)を世界環状空路の爆速で持ってきてぇーー!!」
昼間は冷徹に地球規模の燃料流通を統治する総大総督でありながら、夜は大奥の完璧なる秋の規律の前に白目を剥き、嬉しさと緊張の冷や汗で床をピカピカに磨き上げる覇王信長。だが、ぐっすりと眠る子どもたちの愛らしい寝顔と、美味しい葡萄を楽しそうに振り返る妻たちの笑顔を見つめ、胃壁の激痛を堪えながらも、心の底から幸福なる微笑を浮かべるのであった。
(外伝・その五十・五十話記念巨大経済無双編・完)




