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外伝・その三十九(地球規模エネルギー流体チート編):世界初たる国営海底流体鉄管の敷設令と、大洋の底を貫き不滅の魔水を爆速同期する大資源計略

天竺インドの国営乾燥生姜の温もりによって欧州の利権を盤上で完璧にハメ殺し、大奥での怒濤の竹の子数千個の皮剥きをも生き抜いた正一位・太政大臣たる織田信長。安土城の総大総督府の玉座に座る覇王の視線は、初夏の爽やかな青空が広がるなか、世界の資源と地政学の歴史を五百年先んじて完全白化(ホワイト化)する、次なる未曾有の地球規模エネルギー流体チートへと向けられていた。


元平の御世、新政庁が敷設した海底電信線や、大空を巡る空中蒸気飛脚は、世界の情報伝達速度を一瞬で同期させていた。また、新大陸『東日の本州カリフォルニア』の国営油田から湧き出る「黒き黄金」……すなわち魔水(石油)は、新型の発動機船によって安土へと安定輸送されていた。しかし、信長の持つ二一世紀の工学知識は、物理的な船舶輸送だけに満足するものではなかった。大洋を渡る輸送船は、不意の巨大な大嵐や海の怪物の襲撃、あるいは航路の不穏な遅延という、エネルギー供給の不当な停滞(ブラック環境)の危険性を常に孕んでいたのである。


信長は地球規模の動力源を一文の狂いも無い精度で永久に安定同期するため、脳内の流体力学、金属材料工学、そして石油工学の知識を完全同期。国友鍛冶の天才たちと共に、海底の超高圧と塩水による腐食に耐えうる特製の肉厚防錆鉄管(からくり継手付きの巨大鉄管)を開発し、太平洋の底を這って新大陸の国営油田から安土の巨大油槽へと直通する、前代未聞の流体輸送大工事ーー『国営海底流体鉄管かいていりゅうたいてっかん』の敷設を電撃的に発令したのである。


「ーー信長様! 新大陸エネルギー総局を率いる安東愛季殿、ならびに明智光秀殿より電信! 太平洋の底を貫く不滅の流体鉄管が十割完全に繋がり、地球規模の『百パーセント燃料即時同期網』が、戦う前に盤上で完璧に完成いたしました!」

内政副総裁の直虎が、安土の臨海部にそびえ立つ特大国営油槽の前にて、興奮のあまり大粒の涙を流して平伏した。


信長は不敵な笑みを浮かべ、総大総督の直衣を翻してその巨大な弁栓バルブの前に立った。

「うむ、直虎よ。南蛮の国々や欲深き大国どもが、一樽の油を手に入れるために、嵐に怯えながら風頼みの帆船で数ヶ月の命懸けの航海を強いられている暗黒の時代において、我が新政庁はすでに『大洋の底の鉄の道』によって世界を完璧にハメ殺したのだ。これで世界のエネルギー覇権は、一兵も損なうことなく我が新政庁の盤上で完全に詰んだ」


信長が自ら、二一世紀の知識を具現化させた巨大な鉄製の弁栓を一分の狂いも無い手際で力強く引き回した瞬間、新大陸から太平洋の底を爆速で激走してきた不滅の燃料(重油)が、からくり圧送機ポンプの咆哮と共に、安土の国営油槽へとドボドボと凄まじい大音量を立てて十割完全に同期(流入)し始めたのである。

その様子を目撃していた武田勝頼や上杉謙信ら近代官僚、そして安土に滞在していた世界中の商神たちは、驚愕のあまり腰を抜かしてその場にひっくり返った。


「な、何ということだ……! 船を一切使わぬというのに、何万里も離れた新大陸の魔水が、今この瞬間に安土へと直接湧き出しているというのか!? 我々が数ヶ月かけて運んでいた燃料の常識など、この海底流体鉄管の前には戦う前に児戯に等しい! 織田の資源内政、マジ神仏……!」

南蛮の商神たちが涙を流して臨海工場の床に平伏するなか、信長が提示したのは、世界を恐怖させる軍事力ではなく、新政庁が全額保証する『国営海底流体鉄管・地球規模燃料完全安定供給の基本法度』であった。他国が燃料の枯渇や嵐による足止めによって工業や海運の停滞を余儀なくされている段階で、新政庁はその日のうちに不滅の燃料を多重に確保し、先回りのハメ手を打つことができる。織田の圧倒的な「未来技術・即時同期・ホワイト雇用」のエネルギーの前に、欧州の旧式な文明覇権は、戦う前にこの鉄管を流れる魔水の黒き濁流の前に完璧にハメ殺されるのだった。


ーーその頃、地球規模の巨大なエネルギー無双を地底から完璧に詰ませ、世界の民から「資源の神仏」と唱念されていた最高権力者、織田信長は、安土城の総大総督府の裏手にて、再び別の意味での滝のような冷や汗を流していた。


世界の燃料環境の完全白化という偉大なる計略を見事成し遂げた信長であったが、夜の大奥に足を踏み入れた瞬間、帰蝶、井伊直虎、英国王女、探検から無事に帰還した光秀、そして成田家から赴任してきた甲斐姫らが、先回り保護令で清らかに育てられた安土特選の藺草いぐさを用いた大量の「新しい青畳」を前に、一分の狂いも無い完璧な温もり包囲網を敷いて待ち構えていたのである。


「信長様、お帰りなさいませ。大西洋(太平洋)の底を貫く鉄管による未来の燃料ハメ手、誠に見事な計略にございました。さあ、今夜は大奥一同、初夏の訪れを前に全ての畳を新調する『春の国営畳たたみ替え大会』の清々しさを執筆(開催)いたしますが……労働者にございます我らの有給休暇および春の安息の規律に基づき、十割馨しい青畳の上から動かなくなった我らのための、大量の古畳の一分の狂いも無い『からくり搬出・新畳の国営寸法同期』、ならびに深夜の床板の埃払いと、女女たちが落とした数千個の着物の飾り紐の手拾い片付けの交代制職務シフト、本日の深夜番は信長様、あなた様に十割完全に割り振られておりますよ?」

帰蝶が最高の笑顔で、大奥の広大な御殿を埋め尽くす大量の埃まみれの古畳と、一分の狂いも無い手作業での埃払い指示書を信長に手渡した。


「ま、待て……! 余は今、太平洋の底に流体鉄管を敷き詰め、世界の覇権国を戦う前に完璧にハメ殺してきたばかりなのだぞ……!? なぜ戻ってきた瞬間から、長椅子から一歩も動かぬお前たちのために、一人で真夜中に赤子をあやし、埃が立ち込める床下を四つん尋(つん這い)になってほうきで一人で掃き続け、数千個の飾り紐のゴミを爪先で一人で拾い上げるという過酷な単独職務ワンオペに奔走せねばならぬのだ!」

信長の悲痛な叫びに対し、十五歳に成長した甲斐姫が、新しい青畳の上にゴロリと寝転び、藺草の甘い香りを吸い込みながら笑顔の先回り牽制を仕掛けてきた。

「太政大臣たるもの、国営海底鉄管の利潤を精査する前に、まずは身内の初夏の一分の狂いも無い衛生環境を一から完璧に白化(ホワイト化)していただかねば困ります。さあ、一筋の埃の残しも許されぬ床下清掃の激走、お励みください!」


英国王源(王女)も「タタミ、マジ神仏! ノブナガ様、お床下お掃除よろしく!」と、新しい畳に頬を寄せながら完璧な笑顔を見せている。


「世界をハメ殺すより、深夜に一人で大奥の床下の埃を払う方が十割むずかしいわ! というか、埃の匂いで余の再生したばかりの限界胃壁がストレスと初夏の激務で本当に戦う前に跡形もなく崩壊しちゃうよーー! 誰か、余の胃薬(胃壁保護剤)を海底鉄管の流体速度で持ってきてぇーー!!」

昼間は冷徹に地球規模の資源流通を統治する総大総督でありながら、夜は大奥の完璧なる春の規律ぬくもりの前に白目を剥き、嬉しさと緊張の冷や汗で床下をピカピカに清掃する覇王信長。だが、ぐっすりと眠る子どもたちの愛らしい寝顔と、至高の青畳の香りを嬉しそうに楽しむ妻たちの笑顔を見つめ、胃壁の激痛を堪えながらも、心の底から幸福なる微笑を浮かべるのであった。


(外伝・その三十九・地球規模エネルギー流体チート編・完)

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