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外伝・その四十:国営亜細亜大豆加工品の欧州電撃市場投入令と、織田東インド商会が成し遂げた旨味覇権の完全ハメ殺し

世界初の国営海底流体鉄管によって新大陸の不滅の魔水を爆速同期し、大奥での怒濤の床下埃払いをも生き抜いた正一位・太政大臣たる織田信長。安土城の総大総督府の玉座に座る覇王の視線は、初夏の力強き陽光が城下を美しく包み込むなか、全人類の食卓と調味料の歴史を五百年先んじて完全白化(ホワイト化)する、次なる未曾有の超巨大経済無双へと向けられていた。


元平の御世、日ノ本国内ならびに天竺の肥沃な耕地の先回り国営化を完遂していた新政庁は、今や地球規模の巨大な農業生産ならびに食品加工網を完全に掌握していた。信長は脳内の二一世紀の食品工学と植物性栄養学の知識を完全同期。長期の航海や乾燥、さらには赤道を越える過酷な輸送(ブラック環境)に耐えうる至高の調味粉末ーーすなわち、醤油と味噌の真髄を凝縮した不滅の『国営旨味調味料(しょうゆ・みその精製粉末)』を量産することに十割完全に成功したのである。


信長はこの至高にして圧倒的な「味覚の富」を用い、塩味と酸味以外の単調な味付けに飽き果て、粗悪な食生活を強いられていた欧州の市場を戦う前に盤上で完全にハメ殺す、四十話記念にふさわしい至高の経済大計略を発動した。


「ーー信長様! 織田東インド商会の欧州総局(ロンドン・マルタ島拠点)より、一分の狂いも無い確実なる電信が入電! 我が天竺国営精製場から新型発動機船で直送された、極上の旨味調味粉末が欧州市場へと十割完全に同期(上陸)。その圧倒的な美味さと、南蛮の不当な旧式調味料の十の一という適正価格の前に、欧州の食文化が戦う前に経済的に盤上で完璧に詰まされ、欧州の王侯貴族や全平民たちが、泡を吹いて平伏しているとのことです」

内政副総裁の直虎が、欧州から逆流し始めた天文学的な純金貨の一文の狂いも無い交易帳簿を抱え、興奮のあまり大粒の涙を流して報告した。


信長は不敵な笑みを浮かべ、総大総督の直衣を翻して世界地図の前に立った。

「うむ、直虎よ。本来の歴史であれば、南蛮の欲深き覇権国どもが独自の過酷な植民地支配(ブラック環境)を稼働させ、単調な食生活で領民を酷使し、高価な香辛料だけで世界を支配するはずであった。だが、我が新政庁が先回りして現地の民を笑顔の固定給で強制雇用し、二一世紀の抽出工学で量産した『完全白化ホワイトの至高の旨味粉末』を市場に投げ込んだことで、欧州の不当な独占組織は戦う前に根底から完全にハメ殺されたのだ」


欧州の平民から王侯貴族にいたるまで、織田東インド商会がもたらした国営旨味調味料は、またたく間に「神仏の舌解け粉」として狂気的な大流行を巻き起こしていた。ひとたびその粉末を肉料理や汁物に投入すれば、単調な塩の辛さなど戦う前に一瞬で消滅し、コクと深みの圧倒的機能性に脳内が百パーセント支配され、これまでの重くて粗悪な南蛮の食事など戦う前に児戯に等しいと、誰もが織田の味覚の虜となったのである。


「な、何ということだ……! この粉末の奥深い美しさ、そして舌がとろけるような旨味は一体何なのだ!? 一粒の狂いも無い完璧な精製、そしてこれが現地民の血や涙のない優良な環境(週休二日制)で育てられたという奇跡……! 欧州の全財産(純金貨)を差し出してでも、織田の旨味粉末を買い求めるしかない! 織田東インド商会、マジ神仏……!」

南蛮の王たちが涙を流して織田の契約書(国営旨味調味料・世界独占流通条項)に平伏するなか、織田の圧倒的な「未来技術・適正価格・ホワイト雇用」の流通の前に、欧州の経済主導権は、戦う前に一皿の白い衣服(食事)の前に完璧にハメ殺されるのだった。


ーーその頃、地球規模の巨大な味覚経済無双を完璧に詰ませ、世界の民から「調味の神仏」と唱念されていた最高権力者、織田信長は、安土城の総大総督府の裏手にて、再び別の意味での滝のような冷や汗を流していた。


世界の食卓環境の完全白化という偉大なる計略を記念すべき大台で見事成し遂げた信長であったが、夜の大奥に足を踏入れた瞬間、帰蝶、井伊直虎、英国王女、そして成田家から赴任してきた甲斐姫らが、植物園の特選麻を用いた大量の「巨大な麻特製蚊帳」を前に、一分の狂いも無い完璧な温もり包囲網を敷いて待ち構えていたのである。


「信長様、お帰りなさいませ。国営旨味調味料による未来の欧州味覚ハメ手、誠に見事な計略にございました。さあ、今夜は大奥一同、初夏の本格的な暑さに伴う羽虫の襲来を完璧に防ぐ『初夏の国営蚊帳かや開き大会』の成果を執筆(開催)いたしますが……労働者にございます我らの有給休暇および夏の安息の規律に基づき、十割ぬくぬくの(※夏は涼しい)蚊帳の中から一歩も動かなくなった我らのための、大量の蚊帳の一分の狂いも無い『吊り手・からくり張力管理』、ならびに深夜の双子の育児・大奥の蚊遣り火(蚊取り線香)の一文の狂いも無い温度管理の交代制職務シフト、本日の深夜番は信長様、あなた様に十割完全に割り振られておりますよ?」

帰蝶が最高の笑顔で、大奥の広大な御殿を埋め尽くすように吊るされた特大蚊帳と、一分の狂いも無い手作業での紐結び指示書を信長に手渡した。


「ま、待て……! 余は今、純白の旨味粉末で欧州の王たちを食卓から完璧にハメ殺し、南蛮の富を戦う前に完璧にハメ殺してきたばかりなのだぞ……!? なぜ戻ってきた瞬間から、蚊帳から一歩も動かぬお前たちのために、一人で真夜中に赤子をあやし、煙に怯えながら大奥の広大な部屋を一分の狂いも無い手作業で四つん尋(つん這い)になって這い回り、蚊遣り火を調整して回るという過酷な単独職務ワンオペに奔走せねばならぬのだ!」

信長の悲痛な叫びに対し、十五歳に成長した甲斐姫が、旨味たっぷりの澄まし汁をハフハフと美味しそうに啜りながら笑顔の先回り牽制を仕掛けてきた。

「太政大臣たるもの、欧州の調味利潤を精査する前に、まずは身内の初夏の一分の狂いも無い安全環境を一から完璧に白化(ホワイト化)していただかねば困ります。さあ、一箇の紐の緩みも許されぬ手締めの激走、お励みください!」


英国王女も「カヤ、マジ神仏! ノブナガ様、お蚊遣り火よろしく!」と、蚊帳の中で丸くなりながら完璧な笑顔を見せている。


「世界をハメ殺すより、深夜に一人で大奥の蚊帳を吊る方が十割むずかしいわ! というか、蚊遣り火の匂いで余の再生したばかりの限界胃壁がストレスと初夏の激務で本当に戦う前に跡形もなく崩壊しちゃうよーー! 誰か、余の胃薬(胃壁保護剤)を新型発動機船の速度で持ってきてぇーー!!」

昼間は冷徹に地球規模の調味流通を統治する総大総督でありながら、夜は大奥の完璧なる初夏の規律ぬくもりの前に白目を剥き、嬉しさと緊張の冷や汗で庭園(御殿)をピカピカに清掃・管理する覇王信長。だが、ぐっすりと眠る子どもたちの愛らしい寝顔と、至高の蚊帳を美味しそうに楽しむ妻たちの笑顔を見つめ、胃壁の激痛を堪えながらも、心の底から幸福なる微笑を浮かべるのであった。


(外伝・その四十・四十話記念巨大経済無双編・完)

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