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リアルRPG  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四ステージ 英雄の役割
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オーク大量発生イベント6

「あはははははははははっ」


 狂ったような雄たけびが上がる。

 ナスカは相変わらず敵味方問わず周囲を巻き込む暴風と化していた。

 オークたちの悲鳴と飛沫が遥か前で舞っている。


 時折ナスカが前方に向けて手榴弾を放り投げているので、あの近辺はまさに地獄絵図だ。

 血だらけで嗤うナスカが怖い。和則も早百合も早々に彼女から距離を取り、俺に抗議の眼を向けていたが、素知らぬ顔で無視しておいた。


 前方をナスカに任せ、開いた道を俺たちが進む戦法を取ることにした。

 ナスカのフォローは早百合がしてくれている。

 バッタ程ではないが彼女も長距離の弓使い。

 時間は掛かるし単発ではあるがナスカのフォローをするだけならば充分だった。


 その中でも、危険な状況で射られる爆裂矢が強力だ。

 彼女が言うには10本しかないらしいけど、インパクトの瞬間オークの顔が爆発したのには驚いた。

 周囲のオークもさすがに怯み、そこへナスカが嗤いながら突っ込む。正直 オークたちが可哀想に思えたほどだ。


 その早百合を守るのが俺と和則。

 ナスカの残したオークを俺が倒して進み、殿を務めるのが和則だった。

 さすがにこの町まで来ていただけあって和則も早百合も動きは良い。

 戦闘に馴れた感じが動きに滲み出ていた。


 やっぱり、こいつらは凄いと思う。俺は最初の戦いでビビってたくらいなのに、今の俺より断然動きも良い。

 しかし、やはり四人という人数が不安要素だった。


 このままいけるならそれでいい。

 ただ、ゲームとは違い、人には疲れが存在する。

 三日の休みがあったとはいえ、傷も満足に癒えていない二人を交えた俺たちではスタミナ面の心配が一番大きかった。


 半分は順調に向かえたと思う。だけどそこまでだった。

 突然、ナスカの高笑いが途切れ、苦渋に顔が歪む。

 刃に亀裂が走っていた。

 そりゃそうだ。剣や刀は物であり、いつかは壊れる。

 あんだけ力任せにオークを切り裂いていけば、そりゃ切れ味は落ちるし壊れもするだろう。


 どれほど剣術に優れていようとも、武具の耐久力だけはなんともできない。

 本来なら三体くらいでナマクラ刀になるところを、彼女はむしろよく保たせた方である。


「ナスカっ、いったん下がれ!」


「ちょ、下がれって、今私が下がったら……」


「いいから下がれ! 啓介から託された剣が二本、俺の背中にあるっ、使え!」


 少し迷ったナスカ、でも刀にさらにひびが入るともう無理だと納得したのだろう。

 最後に思い切りオークに投げつける。

 投げられた刀はオークの額に突き刺さると同時に粉々に砕け散った。


 運のいいことに最後の一撃はオークの命を狩り取っている。

 しぶしぶ俺のところまで下がり、背中から剣を一振り奪っていく。

 ぶつくさと文句垂れながら再び前衛へと戻っていった。


「ああもうっ、あの日本刀お気に入りだったのにっ」


 刀から剣に持ち替えたナスカは、持ちにくそうに剣を構えて切りかかる。

 刀のように斬ろうとして、しかし刃の違いに愕然とする。

 刀は物体に切り付けることで相手を斬るのに対し、剣は打ち下ろすことで相手を分断する。


 力に頼り切断するのだ。斬り付ける力の入れ方では上手く倒せない。

 そのことにナスカが気付いたのはオークに浅い傷を付け、反撃を喰らいそうになったときだった。

 思わず舌打して突きに切り替える。

 喉元に突き入れた剣を引き抜き別のオークに突き入れ、しかし効率の悪さに閉口せざるおえなかった。


「ああもう、やっぱ刀がいいわ」


「文句言うな、武器があるだけマシだろ」


 前方に手榴弾を放り投げ、空いたスペースに皆で走りこみながら、離れ離れにならないよう気をつける。

 一度でも逸れたらまず即死だと思った方がいい。


「やばいな……手が震えてきた」


「だ、大丈夫和則?」


 小刻みに震え始めた手を気にかけ、オークたちの斧を掻い潜る。

 一瞬一瞬が命がけの作業に、俺は……俺は緊張と共になぜか遣り甲斐を感じていた。

 皆と力を合わせ、目的へ向かう一体感。

 今まで味わったことの無い高揚する気持ち。

 死と隣り合わせだというのに、不謹慎と思いながらも気分が高ぶる。


「環架、後どれくらいだ!?」


「オークだらけでわかんねぇよ! でも半分は超えてる。祭壇は近い!」


 踏み込む足に力を入れて、目前のオークを断ち切り答えてやると、和則は本当だな? と答えて手榴弾をオークたちに投げ込んだ。

 皆すでに限界に来ていた。

 俺はすでに三度目になるオーク戦のおかげか、ペース配分だけはできているらしい。まだ少し余裕があった。


 ただ、肉体的な限界はさすがに無視できない。

 なにせここ数日で何年分もの運動をこなしているのだ。

 筋肉痛を無視して動くのもそろそろ……


 オークの一撃を剣で受け止めた瞬間、急に腰が落ちた。

身体を支えるだけの力がなくなっていた。

尻餅をついてそのまま立てなくなる。


とっさにオークを突き殺し周囲を安全には出来たが、立てないままでは殺されるのを待つだけだ。

 絶望が俺を包み込む。

 どれ程動けと念じても、身体が立ち上がらない。座り込んだまま下半身の感覚が消えていた。

 動き過ぎて、肉体を支える筋力がなくなったのだ。

 久我山環架

装備:スラッシュソード、厚革の鎧、皮のベルト

所持アイテム:ショートソード、火炎の杖、氷結の杖

       雷鳴の杖、ガスマスク、煙球、万能回復薬

魔法:爆裂魔法(手榴弾)× 1

所持金:20L


 緋織ナスカ

クラス:侍

装備:ショートソード、鞘、タンクトップ、半ズボン

所持アイテム:着替え、干し肉×2

魔法:爆裂魔法(手榴弾)× 2

所持金:0L


 大島和則

クラス:勇者

装備:シルバーソード、シルバーアーマー、勇者のサークレット

所持アイテム:勇者の証、雷神剣、栄養剤 × 10

魔法:爆裂魔法(手榴弾)× 4

所持金:10L


 美織早百合

クラス:弓術師

装備:金箔の弓、軽鉄のブラ、軽鉄のショーツ、防刃ベスト

所持アイテム:鉄の矢 × 16、木の矢 × 0、鏑矢 × 3

       爆裂矢 × 5、栄養剤 × 10

魔法:爆裂魔法(手榴弾)× 2

所持金:60L


 未収討伐金

 オーク一体 50L

 環架  625体

 ナスカ 485体

 暦   87体

 和則  442体

 早百合 357体

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