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逃亡王子は世界を旅したい 【AIおまかせ版】  作者: 芳庵


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第3話 母の予言

私の考えた設定を元にAIが考えた話になります。


・タイトル、あらすじ、タグ、投稿ルールなどもすべてAIまかせ

・設定も面白くなるならば変えて良い

との条件で書きなおしました。


ご興味があれば、ご一読ください。


↓私が自分で書いた方の話はこちら

【逃亡王子の放浪記 ~世界の果てを見に行く方法~】

https://ncode.syosetu.com/n2929ms/

 廊下の奥から、何かが倒れるような大きな音が響いた。


 ガシャン、と金属が床に落ちる。


 ノエルが椅子から立ち上がった。


「何の音?」


「分からない」


 セイラスも本を閉じる。


 もう一度、耳を澄ませた。


 ――静かだ。


 雪の降る音さえ聞こえてきそうなほど、屋敷の中は静まり返っている。


「誰かいるのかな」


「ロザンナじゃない?」


「でも、ロザンナならすぐに何か言うと思う」


「それもそうだね」


 二人が顔を見合わせていると、廊下の向こうから足音が聞こえてきた。


 カツ、カツ、と一定の間隔で近づいてくる。


 扉が開く。


 入ってきたのはロザンナだった。


「失礼いたします」


「ロザンナ。今、何か大きな音がしなかった?」


「はい」


「やっぱり?」


「食器棚の奥に置いていた銀器が、一つ落ちたようです」


「そうなんだ」


 セイラスは頷いた。


「怪我は?」


「ございません」


「ならよかった」


 ロザンナは一礼した。


 だが、セイラスは彼女の手元に目を止めた。


「……どうしたの?」


「何がでしょうか」


「手」


 ロザンナの右手には、細い傷があった。


「これ?」


「はい」


「先ほど銀器を拾った際についたものです」


「そう」


 セイラスはそれ以上聞かなかった。


 ロザンナが部屋を出ていく。


 扉が閉まった。


「……変なの」


 ノエルが呟いた。


「何が?」


「さっきの音、銀器が落ちた音には聞こえなかった」


「僕もそう思う」


「じゃあ、何だったの?」


「分からない」


 セイラスは立ち上がった。


「少し調べてみようか」


「今?」


「うん」


 廊下へ出る。


 音がした方向へ向かうと、屋敷の角にある小さな倉庫の前で、セイラスは足を止めた。


 床に、細い金属片が落ちていた。


「……これ」


 セイラスが拾い上げる。


 銀器ではない。


 細長い鉄の棒だった。


「何それ?」


「分からない」


 セイラスは指先で触れる。


 その瞬間、頭の中に一瞬だけ映像が浮かんだ。


 暗い廊下。


 誰かの手。


 鉄の棒。


 そして――


 扉の鍵。


「……」


 映像は、それだけだった。


「セイラス?」


「大丈夫」


 セイラスは鉄片をポケットに入れた。


「たぶん、古い道具だよ」


「本当に?」


「うん」


 ノエルは納得していない顔をした。


 しかし、それ以上は聞かなかった。


 セイラスも、それ以上話さなかった。


 ただ、一つだけ気になっていた。


 ――この屋敷に、こんな道具はあっただろうか。


 その答えを知るのは、まだ先のことだった。


     ◆


 その日の午後。


 二人はエリアの部屋に入った。


 古い本棚。


 大きな机。


 壁一面に並んだ本。


 そして、何年も使われていない机の上には、母の残した記録が積まれていた。


「すごい……」


 ノエルが本棚を見上げる。


「母上は本が好きだったからね」


 セイラスは一冊の本を取り出した。


 古い地図だった。


 人間の住む土地。


 その外側に広がる巨大な魔物の領域。


 さらに、その向こう側。


「人間の住める場所は、昔より小さくなっている」


「魔物に負けてるってこと?」


「そう」


「じゃあ、いつか人間は……」


 ノエルが言葉を止める。


 セイラスは地図を閉じた。


「だから僕は、世界を見てみたい」


「どうして?」


「知らないから」


 セイラスは窓の外を見る。


「僕はずっと、この屋敷の中で暮らしてきた」


「……」


「本で世界のことは知っている。でも、本当にそこに何があるのかは知らない」


 セイラスは母の記録帳を開いた。


 その中に、一つの文章が残されていた。


『雪の日に外へ出たら、あなたの人生を変える人に会うかもしれないわね』


「これ……」


 ノエルが覗き込む。


「何て書いてあるの?」


「母上の言葉」


「未来のこと?」


「たぶん」


 エリアには、未来そのものを見る力はなかった。


 人や場所に残されたエーテルの情報。


 そこから導き出される、いくつもの可能性。


 その中でも特に起こる可能性の高い未来を、彼女は見ることができた。


 ただし、それは確定した未来ではない。


 誰かが一歩違う方向へ進めば、簡単に変わってしまう。


「だから、母上の予言は絶対じゃない」


「じゃあ、私と会うことも?」


「そう」


 セイラスはノエルを見る。


「でも、僕たちは会った」


「うん」


「雪の日に」


「うん」


「だから、もしかしたら……」


 セイラスは記録帳を閉じた。


「母上が見た未来の続きなのかもしれないね」


 ノエルは少しだけ笑った。


「それなら、私がセイラスの人生を変える人ってこと?」


「そうかもしれない」


「まだ三日しか一緒にいないのに?」


「三日あれば十分だよ」


「変なの」


 ノエルが笑う。


 そのときだった。


 セイラスが、ノエルの手を見た。


「……待って」


「え?」


 ノエルの指先に、白い霜が浮かんでいた。


「これ、何?」


「分からない」


「触ってもいい?」


「うん」


 セイラスが手を重ねる。


 その瞬間。


 頭の中に、膨大な情報が流れ込んできた。


 雪。


 冷気。


 ノエル。


 見知らぬ土地。


 炎。


 逃げる人々。


 そして――巨大な何か。


「……っ!」


 セイラスは手を離した。


「セイラス?」


「大丈夫」


「顔、真っ青だよ」


「少し、情報が多かっただけ」


 セイラスはノエルを見る。


 細い。


 けれど、その中心だけが異様なほど濃い。


 普通の人間とは違うエーテルの構造。


「ノエルのエーテル、おかしい」


「おかしい?」


「うん」


「病気なの?」


「違うと思う」


「じゃあ何?」


「分からない」


 セイラスは正直に答えた。


「僕にも分からない」


 ノエルは少し驚いた。


「セイラスでも?」


「僕だって、知らないことはあるよ」


「じゃあ、どうするの?」


「調べる」


「私の力を?」


「うん」


 セイラスは母の本棚を見た。


「ここなら、何か分かるかもしれない」


 そのときだった。


 廊下の向こうで、再び音がした。


 ――カン。


 今度は小さい。


 金属が、何かに触れた音。


 二人は同時に振り返った。


「……また?」


 ノエルが呟く。


 セイラスは扉を見つめた。


 数秒待っても、誰も入ってこない。


「見てくる」


「私も行く」


 二人で廊下へ出る。


 しかし、そこには誰もいなかった。


 ただ、廊下の端にある窓が少しだけ開いている。


 外から冷たい風が入り込んでいた。


 窓の下には、雪が一筋だけ落ちている。


 セイラスは窓へ近づいた。


 窓枠に、何かが引っかかっている。


 黒い布。


「……誰か、ここから入った?」


 ノエルが尋ねる。


「分からない」


 セイラスは布を拾い上げた。


 そして、そこに残されたエーテルへ触れる。


 一瞬だけ、知らない男の姿が浮かんだ。


 顔は見えない。


 黒い外套。


 腰には短剣。


 そして、その手には――


 鉄の棒。


 セイラスは目を見開いた。


 さっき拾ったものと同じだった。


「セイラス?」


「……何でもない」


 セイラスは布を握りしめた。


 このときは、まだ知らなかった。


 あの音が、屋敷に入り込んだ何者かが残したものだったことを。


 そして。


 三年後。


 同じ音を、今度は逃亡する自分たちのすぐそばで聞くことになるとは。


 ――まだ、誰も知らなかった。

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