第3話 母の予言
私の考えた設定を元にAIが考えた話になります。
・タイトル、あらすじ、タグ、投稿ルールなどもすべてAIまかせ
・設定も面白くなるならば変えて良い
との条件で書きなおしました。
ご興味があれば、ご一読ください。
↓私が自分で書いた方の話はこちら
【逃亡王子の放浪記 ~世界の果てを見に行く方法~】
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廊下の奥から、何かが倒れるような大きな音が響いた。
ガシャン、と金属が床に落ちる。
ノエルが椅子から立ち上がった。
「何の音?」
「分からない」
セイラスも本を閉じる。
もう一度、耳を澄ませた。
――静かだ。
雪の降る音さえ聞こえてきそうなほど、屋敷の中は静まり返っている。
「誰かいるのかな」
「ロザンナじゃない?」
「でも、ロザンナならすぐに何か言うと思う」
「それもそうだね」
二人が顔を見合わせていると、廊下の向こうから足音が聞こえてきた。
カツ、カツ、と一定の間隔で近づいてくる。
扉が開く。
入ってきたのはロザンナだった。
「失礼いたします」
「ロザンナ。今、何か大きな音がしなかった?」
「はい」
「やっぱり?」
「食器棚の奥に置いていた銀器が、一つ落ちたようです」
「そうなんだ」
セイラスは頷いた。
「怪我は?」
「ございません」
「ならよかった」
ロザンナは一礼した。
だが、セイラスは彼女の手元に目を止めた。
「……どうしたの?」
「何がでしょうか」
「手」
ロザンナの右手には、細い傷があった。
「これ?」
「はい」
「先ほど銀器を拾った際についたものです」
「そう」
セイラスはそれ以上聞かなかった。
ロザンナが部屋を出ていく。
扉が閉まった。
「……変なの」
ノエルが呟いた。
「何が?」
「さっきの音、銀器が落ちた音には聞こえなかった」
「僕もそう思う」
「じゃあ、何だったの?」
「分からない」
セイラスは立ち上がった。
「少し調べてみようか」
「今?」
「うん」
廊下へ出る。
音がした方向へ向かうと、屋敷の角にある小さな倉庫の前で、セイラスは足を止めた。
床に、細い金属片が落ちていた。
「……これ」
セイラスが拾い上げる。
銀器ではない。
細長い鉄の棒だった。
「何それ?」
「分からない」
セイラスは指先で触れる。
その瞬間、頭の中に一瞬だけ映像が浮かんだ。
暗い廊下。
誰かの手。
鉄の棒。
そして――
扉の鍵。
「……」
映像は、それだけだった。
「セイラス?」
「大丈夫」
セイラスは鉄片をポケットに入れた。
「たぶん、古い道具だよ」
「本当に?」
「うん」
ノエルは納得していない顔をした。
しかし、それ以上は聞かなかった。
セイラスも、それ以上話さなかった。
ただ、一つだけ気になっていた。
――この屋敷に、こんな道具はあっただろうか。
その答えを知るのは、まだ先のことだった。
◆
その日の午後。
二人はエリアの部屋に入った。
古い本棚。
大きな机。
壁一面に並んだ本。
そして、何年も使われていない机の上には、母の残した記録が積まれていた。
「すごい……」
ノエルが本棚を見上げる。
「母上は本が好きだったからね」
セイラスは一冊の本を取り出した。
古い地図だった。
人間の住む土地。
その外側に広がる巨大な魔物の領域。
さらに、その向こう側。
「人間の住める場所は、昔より小さくなっている」
「魔物に負けてるってこと?」
「そう」
「じゃあ、いつか人間は……」
ノエルが言葉を止める。
セイラスは地図を閉じた。
「だから僕は、世界を見てみたい」
「どうして?」
「知らないから」
セイラスは窓の外を見る。
「僕はずっと、この屋敷の中で暮らしてきた」
「……」
「本で世界のことは知っている。でも、本当にそこに何があるのかは知らない」
セイラスは母の記録帳を開いた。
その中に、一つの文章が残されていた。
『雪の日に外へ出たら、あなたの人生を変える人に会うかもしれないわね』
「これ……」
ノエルが覗き込む。
「何て書いてあるの?」
「母上の言葉」
「未来のこと?」
「たぶん」
エリアには、未来そのものを見る力はなかった。
人や場所に残されたエーテルの情報。
そこから導き出される、いくつもの可能性。
その中でも特に起こる可能性の高い未来を、彼女は見ることができた。
ただし、それは確定した未来ではない。
誰かが一歩違う方向へ進めば、簡単に変わってしまう。
「だから、母上の予言は絶対じゃない」
「じゃあ、私と会うことも?」
「そう」
セイラスはノエルを見る。
「でも、僕たちは会った」
「うん」
「雪の日に」
「うん」
「だから、もしかしたら……」
セイラスは記録帳を閉じた。
「母上が見た未来の続きなのかもしれないね」
ノエルは少しだけ笑った。
「それなら、私がセイラスの人生を変える人ってこと?」
「そうかもしれない」
「まだ三日しか一緒にいないのに?」
「三日あれば十分だよ」
「変なの」
ノエルが笑う。
そのときだった。
セイラスが、ノエルの手を見た。
「……待って」
「え?」
ノエルの指先に、白い霜が浮かんでいた。
「これ、何?」
「分からない」
「触ってもいい?」
「うん」
セイラスが手を重ねる。
その瞬間。
頭の中に、膨大な情報が流れ込んできた。
雪。
冷気。
ノエル。
見知らぬ土地。
炎。
逃げる人々。
そして――巨大な何か。
「……っ!」
セイラスは手を離した。
「セイラス?」
「大丈夫」
「顔、真っ青だよ」
「少し、情報が多かっただけ」
セイラスはノエルを見る。
細い。
けれど、その中心だけが異様なほど濃い。
普通の人間とは違うエーテルの構造。
「ノエルのエーテル、おかしい」
「おかしい?」
「うん」
「病気なの?」
「違うと思う」
「じゃあ何?」
「分からない」
セイラスは正直に答えた。
「僕にも分からない」
ノエルは少し驚いた。
「セイラスでも?」
「僕だって、知らないことはあるよ」
「じゃあ、どうするの?」
「調べる」
「私の力を?」
「うん」
セイラスは母の本棚を見た。
「ここなら、何か分かるかもしれない」
そのときだった。
廊下の向こうで、再び音がした。
――カン。
今度は小さい。
金属が、何かに触れた音。
二人は同時に振り返った。
「……また?」
ノエルが呟く。
セイラスは扉を見つめた。
数秒待っても、誰も入ってこない。
「見てくる」
「私も行く」
二人で廊下へ出る。
しかし、そこには誰もいなかった。
ただ、廊下の端にある窓が少しだけ開いている。
外から冷たい風が入り込んでいた。
窓の下には、雪が一筋だけ落ちている。
セイラスは窓へ近づいた。
窓枠に、何かが引っかかっている。
黒い布。
「……誰か、ここから入った?」
ノエルが尋ねる。
「分からない」
セイラスは布を拾い上げた。
そして、そこに残されたエーテルへ触れる。
一瞬だけ、知らない男の姿が浮かんだ。
顔は見えない。
黒い外套。
腰には短剣。
そして、その手には――
鉄の棒。
セイラスは目を見開いた。
さっき拾ったものと同じだった。
「セイラス?」
「……何でもない」
セイラスは布を握りしめた。
このときは、まだ知らなかった。
あの音が、屋敷に入り込んだ何者かが残したものだったことを。
そして。
三年後。
同じ音を、今度は逃亡する自分たちのすぐそばで聞くことになるとは。
――まだ、誰も知らなかった。




