第15話 屋敷への襲撃
私の考えた設定を元にAIが考えた話になります。
・タイトル、あらすじ、タグ、投稿ルールなどもすべてAIまかせ
・設定も面白くなるならば変えて良い
との条件で書きなおしました。
ご興味があれば、ご一読ください。
↓私が自分で書いた方の話はこちら
【逃亡王子の放浪記 ~世界の果てを見に行く方法~】
https://ncode.syosetu.com/n2929ms/
その夜、屋敷には冷たい風が吹いていた。
窓の外では木々の枝が揺れ、時折、風が壁にぶつかる音が響いている。
セイラスは机に向かい、旅の計画書を広げていた。
持ち物の確認は終わった。地図も用意した。旅先で必要になる知識も、できる限り頭に入れている。
あとは、屋敷を出る方法を見つけるだけだった。
「……とはいえ、簡単にはいかないよね」
王都からの使者が来て以来、屋敷の門には以前より多くの人間が立つようになった。
表向きは、王都からの連絡に備えるためらしい。
しかし、門番の配置が変わり、使用人たちの出入りまで細かく確認されるようになったことを、セイラスは知っていた。
旅立ちの準備を進める時間は、少しずつ失われている。
それでも、諦めるつもりはなかった。
セイラスは計画書を畳み、机の引き出しにしまった。
隣の部屋では、ノエルが眠っている。
明日も朝から、二人で準備を進める予定だった。
セイラスは灯りを消し、寝台へ向かった。
*
どれほど時間が経ったのだろう。
セイラスは、かすかな物音で目を覚ました。
最初は、風の音かと思った。
しかし、耳を澄ますと、何かが床を踏むような音が聞こえてくる。
屋敷の廊下からだった。
こんな時間に、使用人が歩いているのだろうか。
セイラスは寝台から起き上がり、扉へ近づいた。
そのとき。
――カタン。
廊下の奥で、小さな音がした。
何かが置かれたような音だった。
セイラスは扉の取っ手に手をかけたが、すぐには開けなかった。
以前にも、似たような音を聞いたことがある。
あれは、ノエルと出会って間もない頃だった。
夜の屋敷で、誰かが動き回っているような気配がしたことがあった。
その後、特に何も起こらなかったため、気のせいだったのだろうと思っていた。
だが、今夜は違う。
音のした方向から、複数の足音が聞こえていた。
セイラスは扉から手を離した。
その直後、廊下の向こうで、誰かが低い声で何かを囁いた。
言葉までは聞き取れない。
しかし、屋敷の者たちが夜中に交わす会話とは、明らかに様子が違っていた。
セイラスは窓へ向かった。
カーテンの隙間から外を覗くと、庭の暗がりに人影が見えた。
一人ではない。
黒い服を着た人間が、建物の壁沿いに移動している。
そのうちの一人が、窓の下で立ち止まった。
月明かりの下で、腰に差した剣の鞘が鈍く光った。
「……何者だ?」
セイラスは小さく呟いた。
返事はない。
人影は再び動き出し、庭の奥へと消えていった。
セイラスは窓から離れた。
そして、隣の部屋へ続く扉を開けた。
「ノエル。起きて」
「ん……セイラス?」
ノエルは寝台の上で身を起こした。
「どうしたの?」
「静かに。誰かが屋敷に入り込んでいる」
ノエルの表情が変わった。
「誰かって……使用人じゃないの?」
「分からない。でも、庭に見知らぬ人影がいた」
セイラスは声を落とした。
「念のため、起きて。何かあったら、すぐに動けるようにしておこう」
ノエルは頷き、寝台から降りた。
二人は衣服を整え、部屋の隅に置いていた鞄を手元へ引き寄せた。
旅に持っていく予定だった荷物だ。
まだ屋敷を出るつもりはなかった。
ただ、何かが起きたときに、すぐ持ち出せるようにしておきたかった。
*
そのとき、屋敷のどこかで、甲高い音が響いた。
ガラスが割れる音。
続いて、誰かの叫び声が聞こえた。
「侵入者だ!」
男の声が廊下を突き抜けた。
セイラスとノエルは顔を見合わせた。
次の瞬間、遠くで金属がぶつかり合う音が鳴り響いた。
剣戟だった。
「ノエル、こっちへ!」
セイラスは彼女の手を取り、扉から離れた。
廊下の向こうから、複数の足音が近づいてくる。
誰かが走っている。
その後ろから、荒々しい声が響いた。
「逃がすな! 奥だ!」
セイラスは息を潜めた。
声の主たちは、迷うことなく屋敷の奥へ向かっている。
まるで、どこに誰がいるのか、最初から知っているかのようだった。
「……僕たちを探している?」
ノエルが小声で尋ねた。
「分からない。でも、ここにいるのは危険だ」
セイラスは窓へ目を向けた。
地面までは、それほど高くない。
飛び降りること自体はできるかもしれないが、外にはまだ侵入者がいる。
逃げ道として安全とは言えなかった。
扉の向こうで、足音が止まった。
二人は動きを止めた。
続いて、扉の取っ手がゆっくりと回された。
鍵はかかっている。
しかし、扉の向こうにいる者は、すぐには立ち去らなかった。
金属が擦れる音がした。
鍵を開けようとしているのだ。
セイラスは部屋の中を見回した。
机、椅子、書棚。
武器になりそうなものはない。
隠れる場所も限られている。
ノエルは、セイラスの隣に立っていた。
彼女の指先がわずかに動く。
床に置かれた小さな木箱が、かすかに浮き上がった。
セイラスはそれを見て、静かに頷いた。
ノエルの力は、以前よりずっと強くなっている。
けれど、相手が何人いるのかも、どれほどの力を持っているのかも分からない。
戦うことが目的ではない。
ここから生きて出ることが最優先だった。
やがて、扉の鍵が外れる音がした。
取っ手が下がる。
扉が、ゆっくりと開いた。
*
扉の向こうに立っていたのは、黒い服を着た男だった。
顔の下半分は布で覆われ、手には短剣が握られている。
男は部屋の中を見回し、セイラスとノエルを見つけると、足を踏み入れた。
「見つけたぞ」
その声には、驚きもためらいもなかった。
セイラスは一歩前へ出た。
「誰の命令だ?」
男は答えなかった。
「僕が誰なのか、知っているのだろう?」
「黙れ」
男が短剣を構えた。
セイラスは、ノエルを背後へかばった。
相手の動きは速かった。
男が床を蹴った瞬間、短剣の切っ先がまっすぐセイラスへ向かってくる。
「セイラス!」
ノエルの声が響いた。
男の身体が、突然横へ流れた。
短剣はセイラスの肩をかすめ、壁に突き刺さった。
男は体勢を崩し、床へ片膝をついた。
「何……?」
男が顔を上げた。
ノエルは両手を前へ突き出していた。
彼女の力が、男の身体を押さえつけている。
「今だよ、セイラス!」
セイラスはすぐに動いた。
男の脇を抜け、廊下へ飛び出す。
ノエルも続こうとした。
しかし、その瞬間、廊下の奥から別の男が現れた。
「そこにいたか!」
男は剣を振り上げた。
ノエルは反射的に手を向ける。
男の身体が大きく傾き、剣が壁へ叩きつけられた。
その隙に、セイラスはノエルの手を引いた。
「走って!」
二人は廊下を駆け出した。
背後から怒号が飛ぶ。
屋敷のあちこちで、戦闘が続いていた。
倒れた燭台。
床に散らばったガラス片。
壁に刻まれた剣の傷。
見慣れた廊下は、すでにいつもの姿を失っていた。
セイラスは、階段の手前で足を止めた。
下の階から、複数の足音が聞こえる。
玄関へ向かう道は塞がれている。
では、どこへ逃げればいいのか。
セイラスは周囲を見回した。
屋敷の構造は、頭に入っている。
けれど、侵入者がどこにいるのか分からない以上、普段使っている通路も安全とは限らなかった。
「セイラス、どうするの?」
ノエルが尋ねた。
セイラスは、窓の向こうに見える庭を見た。
その先には、屋敷の裏手へ続く小道がある。
以前、二人で倉庫を訪れたときに通った道だ。
門を使わずに庭へ出られれば、侵入者の包囲を抜けられるかもしれない。
「裏手へ行こう。庭から外へ出るんだ」
「分かった」
二人は階段を避け、廊下の反対側へ走った。
しかし、角を曲がった先に、また一人の男が立っていた。
男は二人を見ると、剣を抜いた。
「殿下。おとなしくしていただこう」
その言葉に、セイラスの足が止まった。
殿下。
相手は、最初から自分が誰なのかを知っていた。
ただ屋敷へ侵入しただけではない。
目的は、セイラスだった。
男が一歩、近づいてくる。
ノエルがセイラスの前へ出た。
「セイラスには、近づかせない」
廊下の床に落ちていた燭台が、音もなく浮き上がった。
男の目が燭台を追う。
その一瞬を、ノエルは見逃さなかった。
燭台が勢いよく飛び、男の剣を弾き飛ばした。
金属音が響く。
セイラスはノエルの手を取り、再び走り出した。
背後で男が叫んだ。
「追え! 殿下を逃がすな!」
その声が、屋敷中に響き渡った。
セイラスは走りながら、鞄の肩紐を握り直した。
中には、旅に必要な道具と、母の手紙、そしてレナードの旅行記が入っている。
いつか、この屋敷を出るつもりだった。
自分の意思で、世界を見に行くつもりだった。
けれど、今は違う。
目の前にあるのは、選んだ旅への道ではない。
生き延びるための逃走だった。
そして、まだ屋敷の外へ出られたわけでもなかった。




