第14話 旅立ちの準備
私の考えた設定を元にAIが考えた話になります。
・タイトル、あらすじ、タグ、投稿ルールなどもすべてAIまかせ
・設定も面白くなるならば変えて良い
との条件で書きなおしました。
ご興味があれば、ご一読ください。
↓私が自分で書いた方の話はこちら
【逃亡王子の放浪記 ~世界の果てを見に行く方法~】
https://ncode.syosetu.com/n2929ms/
旅に出ると決めたものの、セイラスたちには解決しなければならない問題がいくつもあった。
まず、旅に必要な道具をそろえること。
次に、屋敷の外へ出る方法を考えること。
そして、旅先で困らないよう、二人とも今より多くのことを学ぶ必要があった。
「というわけで、今日は持ち物の確認をしよう」
セイラスは机の上に大きな紙を広げた。
紙には、旅に必要だと思われる品々が書き並べられている。
衣服、食料、水筒、毛布、薬、火を起こす道具、筆記用具。
さらに、地図や方位磁針、雨具、保存食なども加わっていた。
「……こんなに必要なの?」
ノエルは紙を覗き込みながら尋ねた。
「僕も実際に旅をしたことがないから、確かなことは言えない。でも、足りないよりはいいと思う」
「全部持っていけるのかな」
「それが問題なんだよね」
セイラスは、机の横に積まれた荷物を見た。
試しに用意した鞄の中には、着替えや本が詰め込まれている。そこへ食料や水筒を加えれば、かなりの重さになるだろう。
旅の途中で買えるものまで持ち歩く必要はない。
しかし、町から離れれば、必要な品をすぐに手に入れられるとは限らない。
どこまで用意するべきか、判断が難しかった。
「本は、何冊持っていくの?」
ノエルが尋ねた。
「そうだね……」
セイラスは書棚に目を向けた。
母エリアが残した本。レナードの旅行記。世界の地理や歴史を記した書物。
どれも、できることなら持っていきたい。
だが、何冊も鞄に詰め込めば、それだけ荷物が重くなる。
「一冊かな」
「一冊だけ?」
「うん。旅の記録を書くための本を持っていく。それ以外は、必要になったら現地で調べればいい」
セイラスは、机の引き出しから新しいノートを取り出した。
表紙には、まだ何も書かれていない。
以前、ノエルと一緒に旅の計画を書き始めたノートとは別のものだった。
「これは、実際に旅へ出てから使うんだ」
「旅行記を書くため?」
「そう。見た景色や、訪れた町のこと。そこで出会った人や、食べたもの。僕が知らなかったことを、できるだけ詳しく残したい」
「じゃあ、私が見つけたものも書いてね」
「もちろん。ノエルが見つけたものなら、僕が気づかなかったこともあるだろうから」
セイラスはノートを鞄へしまった。
それだけは、最初から持っていくと決めていた。
*
翌日、二人は屋敷の裏手にある倉庫を訪れた。
そこには、長年使われていない道具や、古くなった家具が保管されている。
壁際には木箱が積まれ、天井からは農具や縄が吊り下げられていた。窓は小さく、昼間でも室内には薄暗い場所が多い。
「何か使えるものがあるかもしれないと思ったんだけど……」
セイラスは棚を見上げた。
箱の中には、古い食器や布、壊れた道具などが入っていた。
旅に使えそうなものも、いくつか見つかった。
丈夫な縄。折り畳める敷物。雨をしのぐための古い外套。
ただし、どれも長く使われていなかったため、状態を確かめる必要があった。
「これ、まだ使えるかな?」
ノエルが、丸められた布を広げた。
埃を払うと、厚手の毛布が現れた。端の部分は少し擦り切れていたが、大きな破れはない。
「洗えば使えそうだね」
「じゃあ、持っていこう」
「うん」
二人は使えそうなものを選び、倉庫の隅にまとめていった。
その途中、入口から声がかかった。
「おや、殿下。こんなところで何をなさっているのですか?」
振り返ると、年配の使用人が立っていた。
長年この屋敷で働いている女性で、セイラスが幼い頃から身の回りの世話をしてくれている。
「旅の準備だよ」
セイラスは、特に隠すことなく答えた。
女性は一瞬、言葉を失った。
「……旅、でございますか?」
「うん。いつか屋敷を出て、世界を見て回りたいんだ」
女性は、セイラスの顔を見つめた。
「殿下。王都へお戻りになるお話は、もうお聞きになったのですよね?」
「聞いたよ」
「それなのに、旅に出られるおつもりなのですか?」
「そうだね」
セイラスは頷いた。
「僕は、王都で暮らすために生まれてきたわけじゃないから」
女性は困ったように目を伏せた。
「ですが、殿下には王族としてのお役目がございます」
「それも分かっているよ」
セイラスは、棚に置かれた毛布を手に取った。
「でも、僕には僕の人生がある。王族として生きることだけが、僕のすべてではないんだ」
女性は何かを言いかけ、口を閉じた。
しばらくして、小さく息を吐く。
「……殿下は、エリア様によく似ていらっしゃいますね」
「母上に?」
「はい。エリア様も、ご自身がこうと決められたことは、なかなかお曲げになりませんでした」
女性は懐かしむように、倉庫の奥へ目を向けた。
「もちろん、周囲の者たちは大変でしたけれど」
「それは……母上らしいね」
セイラスは、母が残した手紙を思い出した。
世界は、あなたが思っているよりも広い。
外を見たいのなら、自分の目で見なさい。
本に書かれていることが、すべて正しいとは限らない。
母は、セイラスがいつか屋敷を出ることを望んでいたのだろうか。
それとも、ただ外の世界を知ってほしかっただけなのだろうか。
今となっては、確かめることはできない。
「……お二人とも、どうかご無理だけはなさらないでくださいね」
女性は、ノエルにも目を向けた。
「殿下のこと、よろしくお願いいたします」
「はい」
ノエルは、まっすぐに頷いた。
女性はそれ以上、二人を引き止めなかった。
倉庫を出ていく背中を見送りながら、セイラスは手に持った毛布を畳み直した。
「……行こう」
「うん」
二人は再び、旅の準備に取りかかった。
*
それから数日間、二人は屋敷の中でできることを続けた。
セイラスは地図を広げ、屋敷から近い町や街道の位置を確認した。
ノエルは、旅の途中で役立ちそうな道具を選び、使い方を覚えていった。
水筒に水を入れ、こぼさずに持ち運ぶ方法。
火を起こすための道具の扱い方。
荷物をまとめ、必要なものをすぐに取り出せるようにする工夫。
どれも、屋敷の中で暮らしているだけなら必要のなかったことだ。
また、二人は体力をつけるため、庭を歩いたり、軽い運動をしたりする時間も増やした。
セイラスは、少し歩いただけで息が上がることがあった。
「セイラス、もう休む?」
「いや、まだ大丈夫」
「顔が赤いよ」
「それは、運動しているからだよ」
「本当に?」
「……少し休もうか」
結局、セイラスは庭のベンチに腰を下ろした。
隣に座ったノエルが、水筒を差し出す。
「はい」
「ありがとう」
セイラスは水を飲み、空を見上げた。
庭の木々は、季節の移り変わりとともに葉の色を変えている。
この景色も、いずれ見慣れたものではなくなるのだろう。
旅に出れば、毎日が新しい発見の連続になるかもしれない。
けれど、慣れ親しんだ場所を離れるということは、今まで当たり前だったものを手放すことでもあった。
「ノエルは、屋敷を出ることに不安はないの?」
「あるよ」
ノエルは、あっさりと答えた。
「知らない場所に行くんだもん。分からないことだって、たくさんあると思う」
「そうだね」
「でも、知らないことを知りたいから、行くんでしょう?」
セイラスはノエルを見た。
「……そのとおりだね」
「だったら、分からないことがあるのは当たり前だよ」
ノエルは水筒の蓋を閉めた。
「全部分かってから出発しようと思ったら、いつまでたっても出発できないもの」
「それは、確かにそうだ」
セイラスは手元の水筒を見下ろした。
必要なものをそろえ、道を調べ、知識を身につける。
そうした準備は大切だ。
しかし、準備だけで旅のすべてを知ることはできない。
実際に外へ出て、見て、聞いて、経験するしかないこともある。
「……ノエルは、時々、僕よりずっと物事を分かっているね」
「そう?」
「うん。少なくとも、外の世界で暮らすことについては」
「じゃあ、旅に出たら、もっと教えてあげる」
「期待しているよ」
二人はベンチから立ち上がった。
庭の向こうには、屋敷の門が見えている。
その先に広がる世界は、まだ地図と本の中にしかなかった。
*
夕方、セイラスは自室で旅の荷物を確認していた。
必要なものを鞄に詰め、重さを確かめる。余分なものを取り出し、もう一度詰め直す。
何度か繰り返すうちに、荷物は少しずつまとまっていった。
机の上には、母から受け取った手紙が置かれている。
その隣には、レナードの旅行記。
そして、ノエルと一緒に作った旅の計画書。
セイラスは、それらを順番に手に取った。
母の言葉があったから、外の世界を知りたいと思った。
レナードの旅行記があったから、世界の果てを目指したいと思った。
ノエルと出会ったから、一人ではなく二人で旅に出ることを決めた。
今までに積み重ねてきたものは、すべてこの場所で得たものだった。
だからといって、この場所に留まり続ける理由にはならない。
セイラスは手紙を丁寧に畳み、鞄の中へしまった。
それから、旅行記を開いた。
何度も読んだページの先に、レナードが記した言葉がある。
地図に記された境界を、世界の終わりだと思ってはならない。
セイラスはその一文を指でなぞり、旅行記を閉じた。
「……必ず、見に行くよ」
小さな声が、静かな部屋に響いた。
窓の外では、日が沈み始めていた。
屋敷の門は閉ざされ、廊下には見慣れた足音が行き交っている。
明日も、明後日も、表面上は何も変わらない日々が続くのだろう。
けれど、セイラスの鞄には、旅に必要な道具が少しずつそろい始めていた。
いつでも出発できるように。
その日が来たとき、迷わず歩き出せるように。
セイラスは、鞄の口を閉じた。
旅立ちの日は、まだ決まっていない。
それでも、準備は着実に進んでいた。




