付喪神7
実は前書き後書きは全て書き終わってから追記みたいな感じで書いています。
なので付喪神がどこまで続くのか、いくつで終わるのかもわかっています。
今回を含め、あと4回お付き合いください。
陽が暮れた。
時間なんてわからない。
灯りを消せば辺り一面真っ暗闇となってしまう、そんな時間だった。
村で一番大きな屋敷、長老の家から出発した行列は村から離れた山道、人気の無い山中で担いできた籠と老人を残し、男たちは村へと引き上げていった。
時折聞こえる獣の遠吠えがその呪われた森が危険であることを間接的に伝えているかのようだった。
どの位時間が経っただろうか?
巨大な桜に腰を下ろしていた老人がゆっくりと立ち上がると村の男たちに運ばれてきた籠に手を置き辺りを見回した。
「そろそろ良いじゃろ……」
籠の戸をゆっくりと開け覗き込む。
籠の中には人が一人乗っていた。
女であろう、フードで顔を隠し俯き、微動だにしなかった。
「出ておいでチヨ」
老人は籠の中へ手を差し伸べた。
森がざわめいた。
木々が揺れ、次に虫たちは息を潜めた。
生暖かい風が吹いたかと思うと辺りは静寂に包まれた。
籠の中からゆっくりと女が姿をあらわした。
「ささ、その美しい顔をわしに見せておくれ」
老人はそう言うと女のフードを剥ぎ取った。
「!?お、お前は……」
フードの下から顔を出したのはキビであった。
チヨと入れ替わっていたのだろう。
老人、長老は頭をポリポリと掻いた後、大きく舌舐めずりをした。
「まぁええわ。今回はお前さんがチヨの代わりでも。お前さんもわし好みじゃしな」
キビは留めてあった髪を解き、その美しく黒い髪を耳にかけた。
「あら、長老さんの好みは関係ないんじゃないの?あくまで妖怪桜の生贄のはずでしょ?」
「妖怪桜?ああ、そうじゃよ、妖怪桜の生贄じゃ」
「へぇ、じゃあアンタの下心ってわけじゃあないんだ」
声は横からした。
男の声だ。
桜の後ろから一人の男が現れた。
男の後ろにはチヨとリクもいた。
男、エンラは言葉を続ける。
「嘘をつくと地獄で閻魔大王に舌を抜かれるぜ?」
老人が三人の方を振り返る。
「嘘?なんのことだ?」
エンラが数歩前に歩出る。
「アンタは全てを知っている。妖魔を撃退するには妖魔の姿、生まれた真実、もたらそうとした想いを解明しなければならない。その一つ一つ、聞かせてもらおうか」
妖魔事件簿シリーズの要となるのが「妖魔の姿、生まれた真実、もたらそうとした想い」です。
わかりやすく言うと、その妖魔は何という妖怪なのか?
今回はもう皆さんわかっていると思います。
生まれた真実とは何があってこーなってしまったのか?
事の経緯を指します。
もたらそうとした想いとは、その妖魔は何をしたいのか、です。
相手は妖怪です。
人の想いやルールがそのまま通じるとは限りません。
次から始まる解答編、キャラクターたちと一緒に考えてみてください。




