↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖魔事件簿   作者: 山原 水鶏
付喪神
PR
4/19

付喪神4

はじめましての方ははじめまして、そーじゃない方はこんにちわ。

これは一昔前のネット声優がフリートークでよく使う前振りです。

なんでこんな話をするのかって?

私が普段はモノ書きではなくネット声優だからです。

今日は読み方だけ覚えて帰って!

「山原 水鶏」で「やんばる くいな」と読みます。

以上です。

 男の子がその小さく、それなのに重い口を開いた。

「俺の名前はリクって言います」

「俺はエンラだ」

「私は娘のキビ」

 それぞれの簡単な自己紹介だったがリクと名乗った男の子がすぐに本題に入る。

「この村は呪われてるんだ……」

 リクの発言にエンラとキビは表情を変えなかった。

 キビが真面目な口調で問い返す。

「呪われてる?」

 リクが重く頷き、話を続ける。

「村の入り口に大きな桜を見ただろ?この村は妖怪桜のせいでいろんな災厄がやって来るんだ。例えば奇病で村人がバタバタ死んだり、川の水が熱くなって魚がいっぱい死んで食べられなくなったり、山が突然火事になったり……」

 キビの表情が険しくなっていくのがわかる。

「それで村は生贄を出すんだ。若い、綺麗な、女の人を」

 この時代に何を言っているのだろう。

 人一人、女一人を犠牲にして厄災が去るなどという考え方が生き残っていようとは。

「先日も山で何人もの人が倒れて……それでついに来ちゃったんだ……」

「来ちゃった?何が?」

 聞かなくても二人ともすでに気づいている。

 わかっているがキビが一応問いかけた。

 リクが俯いたまま口をパクパクしている。

 残酷な問いかけだというのはキビだって承知している。

「私が生贄となる時が、です」

 チヨが言った。

 声が震えている。

 女がこれから自分に降りかかるであろう運命を想像しながら、それでも精一杯絞り出した声だった。

「生贄になった女性たちはその後どうなったんだい?」

 想像はできる。

 想像はできるが聞いておかねばならない。

 エンラの問いに再びチヨが答えた。

「誰一人として生きて帰ってはきませんでした。みんな次の日に妖怪桜の根元で変死体になって見つかるんです」

「変死体……?生贄に捧げるって、一体何が行われてるんだ?」

 チヨは首をゆっくり横に振った。

「わかりません。いつも生贄は村長さんが連れて森に入り、村長さんだけがすぐに帰ってくるんです。寂しそうな顔をして……」

 キビが腕組みをして呟いた。

「その村長なら何か知ってるかもね……」

 暫しの静寂が部屋を包んだ。

 それぞれ何かを考えているようだった。

 その思考は本人にしかわからない。

 どれだけの時が流れただろう。

 エンラが落ち着いた様子で最初に沈黙を破った。

「で、その生贄になるのはいつなんだ?」

 すぐにチヨが答えた。

「明日の丑三つ時です……」

「本当に時間がないんだな」

 突然リクが立ち上がった。

「だから!だから俺たちを村の外へ連れ出しておくれよ!」

 興奮するリクをなだめるようにエンラが再び口を開く。

「まぁ落ち着けよ。どうして自分たちで逃げ出そうとしなかったんだ?」

 チヨが俯いて言った。

「私たちはなぜか村から出られないんです。妖怪桜を通り越した辺りからなぜか桜の前に戻されてしまうんです」

 エンラは顎を手で撫でると一度うーんと唸ると言った。

「情報が足りないな。キビ、お前明日、リクと村長のとこ行ってこい。俺はチヨさんと妖怪桜見てくるわ」

「わかった」

 勝手に話を進める親子に不安を感じつつ、チヨは親子に問いかけた。

「あなたたちは一体……」

「私たちは……えーっと……」

 歯切れの悪いキビの横からエンラが口を挟んだ。

「俺たちはただの通りすがりのおっさんとその娘だ」


物語にやっと動きが出てきた、前振り長ぇんだよ!

自分もそう思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。