↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖魔事件簿   作者: 山原 水鶏
船幽霊
PR
18/19

船幽霊8

話が単純だからこそ、何か思うことがあったりしますよね

「私はずっと彼を見ていた……」

 辺りは激しい雨が降り続けているがなぜか小さな声はちゃんと聞こえた。

「見ているだけで幸せだった。見ていることしかできなかった……」

「そう、あんたは見ていただけなんだ……」

 女は目を見開いて男を見た。

 男はゆっくりと歩き、寄せる波へと数歩進んだ。

 海から何かが近づいてくる。

 あの肉の塊だ。

「彼を見ていたあんたはいつからか恋心を持った。いや、恋心から見ていたのかもしれない」

 肉の塊、彼が少しずつ陸へと近づいてくる。

「そんな彼に恋人ができた」

「ちがう!」

 女が突然大声を張り上げた。

 そんなことは御構い無しに男は話を続ける。

「小さなボートの上で男女に何があったかは知らないが、あんたはずっと見てたんだ……。その黒い瞳でな」

 女の黒い目から黒い何かが一気に溢れ出る。

 辺りを、世界を更に黒く染め上げていく。

「ちがうちがうちがうちがうちがうちがう!」

「この雨はあんたの涙、この黒い世界はあんたの心だ」

「違う!!」

「あんたの溢れる涙がボートを沈め二人を殺した。まさに船幽霊のように……。あんたは彼を自分だけが見れるようにしたかった。その結果が海の底だ」

 男は女の方へ体の向きを変えた。

 近づいてきた肉が男の横を素通りし女を押さえつける。

 男は目を見開いた。

「言い訳は地獄で聞く。さよならだ」

もう少しだけ続くんじゃよ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。