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妖魔事件簿   作者: 山原 水鶏
船幽霊
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19/19

船幽霊9

船幽霊完結です。

 男はポケットから湿った煙草を取り出し火を点けようとした。

 だがびしょ濡れのそれは水分が気化すれども一向に火が付く気配はなかった。

 男は煙草を箱に戻すと箱ごとグシャリと握り潰し、ポケットへと戻した。

 雨はすっかり止んでいた。

 雲の隙間から久し振りに顔を見せた太陽は赤く、時刻が夕方であることを示していた。

「お父さんまだここにいたの?」

 若い娘の声がした。

 男が振り返る。

「お父さんが留守の間に相当仕事溜まっちゃってるよ!それこそ姉さん呼び戻さなきゃいけないくらいに」

 男は娘の方へ歩みを進めた。

「いいんじゃないか?そうでもしないと帰ってこないだろアイツ」

「まあそうだけど」

 男とその娘はゆっくりと帰路へとつく。

 風が吹いた気がした。

 男は立ち止まると振り向き言った。

「心に留めるのもいいが、行動し、良くも悪くもその結果が出ていたら、もう少しマシな未来になっていたかもしれないな……」

「何の話?」

 男は再び歩き始めた。

「何でもない。ただの独り言だ」

これにて一旦シリーズは長い休載と入らせていただきます。

ネタ帳に次回作用のメモを何点か用意してありますが、別の創作、ネット声優としての収録やボイスドラマの編集等溜まってまして、しばらくそちらに専念します。

またどこかで!

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