船幽霊3
書いてて思ったんですが、今回は7くらいで終わるんじゃないかな?なんて思ってます。わからんけど!
「またきたんですか?」
女の冷たい言葉が男を襲ったが、彼にとってはどこ吹く風であった。
「そういうなって。俺もそれなりに楽しみで来てんだから」
「暇なんですか?仕事してないんですか?」
降り注ぐ雨が男の頬を伝い砂浜へと落ちる。
「暇ってワケじゃあないんだが、ほら、優先順位ってあるだろ?」
女は男から顔をそらした。
「ナンパが最優先だというならやっぱり暇なんじゃないですか」
それでも男は表情を変えない。
「ほら、先日雨は妖怪のせいだって言っただろう?副業で妖怪退治してるのさ」
「妖怪……本気で言ってるんですか?」
顔をしかめた女にも男はやはり表情を変えない。
「妖怪ってのはどこにでもいる。いつでも人に取り憑くタイミングを見計らっているのさ」
女はいつものように海へと視線を移した。
雨は降り続ける。
雨で汚れた海は静かに淡々と寄せては返していた。
「彼が帰ってくるのを待ってるんですよ」
男は目を細めた。
「ほう、彼……」
「だからどれだけ口説かれても無駄ですよ」
「ほう……」
まわりが気持ちの悪い空気に変わった気がした。
「彼ってのは……」
男がゆっくりと海を指差す。
波の向こう、更にその波の向こう。
「アレの事かい?」
「え」
男が指差すその先にそれはいた。
一隻の小舟に乗った人らしき影を形どった肉のような塊。
不気味で、そして醜い。
「な……なに……あれ……」
雨が突然強くなった。
波の彼方に見える小さな小舟を雨が打ち付けると、そこに沈む様に消えていった。
おぞましき影と共に。
いつの間にか雨の勢いは戻っていた。
男は連日と同じく女に背を向け歩き始めた。
「ま、まって!」
砂の上を歩く音が止む。
「アレは……なんなんですか……」
男は女に背を向けたまま言った。
「アレがなんなのか、アンタはよくわかってるはずだ」
女は生唾を飲み込んだ。
「妖魔を撃退するには妖魔の姿、生まれた真実、もたらそうとした想いを解明しなければならない」
男はジャリジャリと音を立て去っていった。
さて、やっと妖怪モノっぽくなってきました。




