船幽霊2
恋愛小説ってなんだったんだろう?
気付けばまた妖怪モノを書いている……
今日も雨である。
浜辺で海を眺める女の前に昨日の男がやってきた。
「こんにちわ」
男が声をかけると女はゆっくりと振り返った。
「ホントに来たんだ……」
男は首の辺りをぽりぽりと掻いた。
「俺は女性との約束は守るクチなんだ」
少し雨が弱くなったような気がする。
二人とも傘はさしていない。
「珈琲、付き合ってくれる気になったかい?」
女の口元が少しだけ笑っているような気がした。
「昨日は敬語だったのに今日はタメ口なんですね」
「昨日よりはアンタに近づけた気がしてね」
軽いやり取りが続いた。
「雨が止んだら、いいですよ」
女が空を仰いだ。
雨は全く止む気配がない。
男が鼻で笑った。
「止まないさ」
女が男の方に顔を向ける。
「止まない雨はない、そんなこと言いたげな顔だね。雨女って知ってるかい?」
女が目を細めた。
「よく言う雨女ってのは、その女が足を運ぶと決まって雨となる、迷惑がられる女のことさ」
女の顔が険しくなった。
雨が強くなった。
気のせいではない。
「私が雨女だって言いたいんですか?」
怒っていることがわかる。
男は話を続ける。
「アンタが雨女かどうかは置いておいて、だ。そんな雨を操るような妖怪がいたら……」
さらに雨が激しくなる。
「……妖怪、ですか……。非現実的ですね」
風は無い。
ただひたすら雨が降る。
「今の話が口説き文句だとしたら最低な台詞ですね」
男は頭を掻いた。
「そりゃすまなかった。また明日くるよ」
男は女に背を向けると、その場を離れて行った。
それと合わせるかのように降り注ぐ雨も弱くなって行った。
だが止むことはなかった。
さて、雨女というワードが出てきました。
似たようなモノに雨男ってのもあります。
対として晴れ男、晴れ女なんてありますけど、これらがぶつかり合ったらどーなるんだろ?なんて真面目に考えたりしてます。
え?船幽霊?
なんのこと?




