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innocence world on-line   作者: まま、えーわ、なんぼなん?
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第12話 お父さん、帰ってくる。

「『属性付与(エンチャント二重ダブル』!」


このスキルの効果は名前そのまま、二つの属性を付与させることができるというもの。

まあ、つまりどういうことかというと、


「『紅炎(クリムゾン』!『紫電ライトニング』!」


今まではできなかった、右手の装備と、左手の装備、それぞれに別の属性をつけること、それが出来るようになるということだ。


私が、『属性付与』を行うと同時に岩トカゲが飛びかかってくる。私とステータス上の強さでならほとんど同ランクのmobが放つその一撃は、AGI特化型の私のHPなどたやすく6割は持っていくだろう、けれど、私はその一撃をあえて両手の剣で受けた。

LV3になった『属性付与エンチャント』はステータスにも影響が出始めるため、私は上昇したSTRに任せて、突進の勢いを完全に殺すことに成功する。

そして、獣の如く咆哮をあげながら、そのmobを吹き飛ばし、ガラ空きになった岩の鎧がない腹部へと、炎を纏った右の剣を叩きつける。

一撃を加えてから一瞬、間が空いて岩トカゲの体がポリゴンへと還元された。


戦闘が終わって一息つくと同時に、私の前にシステムメッセージが届く。その内容は、私の待ち望んだ『二刀流』スキルの熟練度50到達通知であった。

私は、待ってましたとばかりにその通知を開き、自分のスキルを確認する。

今回は手に入った5ポイントのうち4ポイントを『筋力上昇』につかって、LV4へとあげて、残りのポイントは保留する。

そして、JOBの欄を見てみると、


二刀流使い NEW!!

習得条件:二刀流スキル熟練度50


の一つだけが新たに追加されている。まあ、流石に現在JOBと切り替えてまで手に入れる気は起きなかったので、とりあえず現状維持。

その後は特にやることもないので、一縷の望みをかけてステータス画面を覗いてみる、が、


「はあ、まだ届いてない.....」


記されたSTRは目標まであと70近く足りていない。それを確認してから、熟練度をあげればいつかは届くだろうと、楽観的に考え直して、私は一回ログアウトすることにした。



♦︎



私がログアウトして、下に降りるとお母さんの話し声が聞こえてくる。誰がいるんだろうと気になり、リビングの扉を開けると、そこには


「お父さん!?」

「おう、紫織。ただいま」


我が家の大黒柱、黒宮 響輝が居た。

彼は歩いて私の近くまで来ると、もう14歳の私の脇を抱えて、持ち上げる。そして、目線を同じ高さに強制的に上げると、私の目を見つめながら、


「久しぶりだな、お父さん、あんま紫織ちゃんに会えないかもだけど、なんか話したいことがあったらいくらでも聞くから、抱え込むなよ?」


と、優しい声で言ってきた。

お父さんはこうやっていつも私を子供扱いしてくる。けれど、私にはそんな時間がたまらなく嬉しく感じてしまう。

その後、私が、じゃあ今日は寝れないかもね、と笑いながら言ってリビングに降ろしてもらうと、同時にお母さんが、


「さっき、お父さんから聞いたんだけど、四宮さんが、V.Eのイベントを東京でやるらしいのよね、だから、一緒に行かない?」


と、言ってきた。

それに対する私の答えはもちろん、決まっている。


「うん!行く!」


♦︎



明日は月曜日、学校とかめんどくさいな〜と考えながら、私がソファの上でゴロゴロしていると、


「あの、紫織ちゃん?ちょっと足どけてもらえる?」


お父さんが、隣にやってくる。


「ん」


軽く返事して、足をどかすとそこにお父さんが座ったので、その太腿の上にもう一回足を置き直す。

すると、なんか、お父さんが懐かしいようなものを見る目でこっちを見てるような気がしたので、どうかした?と聞いて見ると


「いや、昔は千夏ちゃんに良くやられてたなとね....」


なるほどねと、思いながら、特に何の気なしに


「千夏さん、ブラコンだもんね」


と、口にするとお父さんは軽く笑いながら


「千夏ちゃんにそれいうなよ?お前でも殴られそうだから」


随分、物騒なことを言ってきた。

まあ、実体験したもんね.....私の目測でお父さんの体が10cmは浮かびるくらいのアッパーを、千夏さんが放ったのは一生忘れないと思う.....


まあ、そんなこんなことを話しながら1日が過ぎて行く。

明日の学校は嫌だけど、明日が終われば夏休みなので、なんとか気合いを入れて頑張っていこうと決意しつつ、私はベッドの中に入った。













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