第186想 各校代表、集結
会場のあちこちでは、既に各校の代表選手達が談笑している。
「結構いるんだな」
燈也が周囲を見回す。
「”四大魔法学園”以外にも有名校は沢山あるからね。」
|リエラが答えた。
「ほら、あそこを見て。」
指差した先。
青を基調とした華やかな制服の集団が見える。
男女問わず容姿も整っており、どこか舞台役者のような雰囲気を纏っていた。
「あれは?」
「|”星奏魔芸学園”ね。」
「聞いたことある。確か音楽や芸術魔法で有名な学校で、
演奏や芸術関係の大会なら毎年幾つもの賞を取ってるそうよ。」
流水が説明する。
「へぇ、なんかアイドルグループみたいだな」
郷夜が呟く。
「アンタの感想はいつも薄いのよ!」
「それじゃあ、あっちのは?」
郷夜が指す方向には、今度は黒いローブ姿の生徒達が見える。
全員が分厚い本を抱えており、会場にいる今ですら何かを読み続けている者もいる。
「”深奥詠唱学院”ね。古代魔法や呪文研究で有名な学校よ。」
リエラが自信満々に答える。
「毎年、禁書庫に入り浸ってるとか何とか…」
「実際、変人率は高いらしいわよ。」
流水が肩を竦めた。
「聞こえてますよ。」
近くの生徒がぼそりと言った。
「うおっ!?」
郷夜が飛び上がる。
「それじゃあ、あの連中は?」
そこに集まっているのは、大きな鳥や小型の魔獣を連れた生徒達。
中には見たこともない生物までいる。
「かわいい……」
癒水が目を輝かせる。
「あれは、”グリモワール生態学園”ね。魔法生物研究の名門校よ」
「なるほどな~。」
燈也が頷く。
「リエラ、お前があそこ行ったら人気出そうだな」
「遠慮しておくわ」
その奥には生徒達がタブレットのような魔導端末を操作している。
誰一人話をせずに全員が何かの資料を黙々と確認していた。
「何してんだあいつら?」
郷夜が首を傾げる。
「あれは”天理魔導研究学院”」
流水が答える。
「データ分析の専門家集団で、
試合前に対戦相手の魔法傾向や勝率を全部分析するらしいわ」
「うわぁ……絶対戦いたくねぇ」
郷夜が嫌そうな顔をする。
「私も同感ですね。」
怜花も珍しく頷いた。
その時だった。
「どけコラァ!!」
会場の一角から怒鳴り声が響く。
「てめぇ今ぶつかっただろ!」
「はぁ!?」
早速揉めている。
「……」
燈也達が無言になる。
「…あれは?」
「”黒狼魔術学院”、不良が集まる高校よ」
リエラが答える。
「納得。」
全員一致だった。
制服もどこか荒々しく髪色も派手な生徒ばかり。
「毎年問題起こすけど、強いのよね。」
流水がため息を吐く。
そして、会場中央近くに一際豪華な制服。
洗練された立ち振る舞いの生徒達。
「なんかエリートって感じだな」
燈也が呟く。
「あれは”聖煌アーク魔導学園”」
リエラの声が少しだけ硬くなる。
「最近急激に勢力を伸ばしてる学校です。」
「最近?」
「ええ。五年前までは無名だったはずよ」
流水も頷く。
郷夜が見つめる。
生徒達は全員笑顔で非の打ち所がない。
だが、何故だろう。
どこか作り物めいた印象を受ける。
「なんか……」
郷夜が首を傾げる。
「どうした?」
「いや…」
郷夜は少し考えた後。
「上手く言えねぇけど……苦手なタイプだな」
「珍しく同意見ね」
流水が小さく呟いた。
次回 『第187想 朱雀のエース、最強を名乗る少女』
世界中の強豪たちが集う豪華客船テティス。
そんな中、燈也たちの前に現れたのは、四大魔法学園の一角を担う朱雀魔導学院。
そして、その中心に立つ一人の少女――鳳凰紅音。
燈也と同じく、Sランクの称号を持つ天才魔導士にして最年少記録保持者。
「本当の最強は私だから」
静かに放たれたその言葉が、会場の空気を変える。
真の最強は一体誰だ?




