第173想 導きの灯
森の奥を目指し進む――燈也×怜花ペア。
しばらく進むとようやく木々が開ける。
そこに現れたのは、古びた門と崩れかけた石段が
時代の流れを感じさせる――廃寺。
「……ここみたいだな……」
燈也が呟く。
その隣で、怜花が何かに気付き声を掛ける。
「……燈也さん、誰かが近づいてきてるみたいです。」
すると次々と、他のメンバー達も現れる。
「おー!無事かお前ら!」
「はぁ…はぁ…もう…早く帰りたい」
「なんとか、友情ENDだけは回避できたみたいだぜ。」
「ちょっと、なんでみんな同じタイミングなのよ!?」
さっきまでの静けさが嘘のように、賑やかな声が響く。
「……これは偶然なのでしょうか……?」
怜花が小さく呟く。
燈也は、しばらくその場を見つめ――
「……さあな、…だがとりあえず、ゴールはこの先だ。
もうひと頑張りと行こうぜ。」
その言葉に、全員の視線が廃寺の奥へと向く、
肝試しはまだ、終わっていないのだから。
廃寺の奥。崩れかけた本堂を抜けると、空気が変わる。
さっきまでの森とは、明らかに違う。
風も、虫の声も、足音さえも――
どこか遠くに隔離されたような空気と
石の墓標が、規則的に並ぶ場所。
――墓地、その最奥。
古びた石碑の前に、目標のカードが置かれていた。
「あれでしょうか……?」
怜花が息を呑む。
「ああ、これが目的の……カードだな」
燈也が一歩踏み出す。
だが――
その瞬間、“空間”が、静かに歪んだ。
「……な…これは!!」
遅れて、全員が気づく。
これは――
セレナの仕組んだ“最後の仕掛け”だ。
「ふふふっ……さぁ、素敵な記憶を見るといいわ…」
セレナの声がどこから囁く。
同時に上空―― リエラ×セフィリアペア
「……大変よッ!」
皆を監視してたリエラが目を見開く。
「何…どうしたの?」
セフィリアが不機嫌そうに言う。
「突然、皆の姿が消えちゃったのよ。…索敵も出来ない」
「どうにかならないの?」
「無理よ!……外部からのアクセスが完全に“遮断”されてる!」
「……なによそれ」
セフィリアが舌打ちする。
「つまり、何もできないってこと?」
「そういう事になるわね…」
リエラが悔しそうに続ける。
「でも微弱だけど……遮断される前に別の波長も感じたの。」
「別の?それってなんなの?」
「分からないわ。……でも魔法ではない、何かよ。」
その言葉に、セフィリアが眉をひそめる。
「……何よそれ…。でも、今は信じるしかないってわけね。」
「そうね。悔しいけど…」
リエラが心配そうに森を見つける。
(…どうかご無事で…)
その願いを嘲笑うように、
森の奥で、淡い光が揺れていた――
次回 『第174想 追憶のアンコール』
墓地に響く、懐かしい歌声。
白い霧の中で現れたのは――
かつて皆と笑い合った、“幽霊少女”。
「ふふーん、みんな変な顔してるのだ♪」
忘れられなかった日々、向き合えなかった別れ。
「……会いたかった」
涙を流しながらも、ななみは前を向く。
「私はもう大丈夫。ちゃんと前に進めるよ」
肝試し編、最終局面。




