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僕はあなたをハッピーエンドへ連れていく  作者: 甲斐柄ほたて
薔薇の肖像は冷たく笑う
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出入りは自由?⑥

 パーティーは、ベルさんと手紙がきた日の、翌日の夜だった。

 会場はトアン卿の屋敷。招待客のみの小規模なパーティーらしい。おそらくは、トアン卿が復活したことを正式に知らしめるためのものだろう。小規模なのは、味方のみで固めて、水を差されないようにするためか。


 僕はもちろん黙って見ているつもりはない。これまでは屋敷の周りをうろついてばかりだったが、それは屋敷のセキュリティが高いからだ。屋敷の中心には背の高い物見台があって、敷地全体を見渡せるようになっている。物見台には常に誰かいるし、庭のあちこちに見張りがいる。一か所につき二人以上だ。みたところ死角はなく、交代の時間もずらしていて、隙が無い。

 見つからずに侵入する方法が思いつかない。

 ……ちなみに、転移魔術テレポートは使えない。いつの間にか魔力のストックがほとんど切れていたからだ。

 ……。

 まあ、こういうことはある。

 よく、ある。


 そこへ、パーティーの知らせが来た、というわけだ。これは渡りに船といっていいだろう。パーティーなら、招待客が大勢やってくる。普段の屋敷内に侵入するのが難しくても、招待客の中に紛れ込んでしまえば、格段に見つかりにくくなる。この機会を逃す手はない。

 ……ない、のだが、問題がある。僕の顔だ。顔が割れている、ということではなく、両目を隠しているから、目立ってしまう。というか、おそらく招待客の中にそんな奴はいないだろう。目立ちすぎる。結局、入れない。

 どうすればいいだろう。どうにかして変装することを考えるべきだろうか。それとも、正面から侵入するのはあきらめて、側面とかから入って探知に引っかかったら、酔った客の振りをする、とかだろうか。いや、これも結局は顔を見られてしまう。ダメだ。

 いっそ、女装でもして、顔を扇でおおってしまうか。……いや、一人で行っても怪しいだけだ。顔も見せずに入れるはずがない。

 そもそも招待客のみ、なのだから見知らぬ顔は入れないか。それでも、侵入しやすいのは変わらないに違いないのだけれど……。

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