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はじめての迷宮の話⑧

 この世界において、人間がつかう魔術の系統は大きく分ければ三つある。

 仮想物体イマジナリーなどの基礎的な部分の話ではなく、その応用。どのような物体や現象を発生させるか、ということが異なっている。


 ①自然系

 聖教会フォルトゥーナを信仰する国の魔術はまずこの自然系であるといって間違いない。火や水、氷といった自然現象を再現する魔術だ。まあ、「ゲームでよくある攻撃魔法」と考えればまず間違いないだろう。


 ②精神系

 動物、とくに人間の精神に干渉する魔術。邪教徒、すなわちシーザー教徒が使用する魔術でもある。ただし、邪教徒が精神系の魔術を使うことは、世間一般には知られていない。この呼び名もあくまでも僕が呼んでいるだけのものだ。

 その魔術がどこから、どのように編み出されたものか、正確な由来はわからない。

 ただ、ゲームのフレーバーテキストによれば、邪教徒は、彼らが保持している【七大魔剣フォービドゥン】の一つを研究して編み出したと書かれていた……気がする。


 ③魔剣系

 魔剣を使用した魔術。効果はさまざまであり、その程度も強力なものから微々たるものまで幅広い。大地を流れる魔力によって偶然できた遺物レリックの性質によってその魔剣の性質のほとんどが決まる。ランダム要素が強く、一つにまとめられるようなものではないが、こうまとめると説明しやすい。

 新しい魔術はかなりの場合、そのきっかけになる魔剣か遺物が先に存在している。

 そしてなにより、最強レベルの魔術はこの中に分類される。もっとも強い力は魔剣として存在しているということだ。


 そして、この本には②精神系の魔術についての記述がされている。アルテミスを起動できる状態でなければ読み進めることはできないが、それでもその価値は十二分にある。なにせ、外の世界では学ぶことができない知識だ。計り知れない価値がある。

 精神系の魔術の習得は、聖教会によって暗黙的に禁じられている。それが自身の派閥を伸ばすためなのか、邪教の成長を阻害するためなのかは定かではないが、精神系魔術は邪教と結び付けて考えられている。この本も、外では禁書扱いになるだろう。

 この魔術を学べば、学んでいることを知られればきっと僕は聖教会に敵として、邪教徒として見られるだろう。

 だけど、そんなことは今更だ。僕はフォルトゥーナの意志に反して、シャルロット様を救うと決めているのだから。どのみち敵対は避けられない。だったら、少しでも力を身につけておくべきだろう。

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