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パスバイクローンズ  作者: 面映唯
第七章
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誰かを追い求めて

 過去なら何となく変えられる気がしていた。現実の世界がこんなだなんて。


 後悔が美しく見えてしまうなんて、他人事でしか見えないからだ。もう過ぎてしまったからだ。その当時だったら絶対に思えない。


 田舎のタンスを匂わせる天井を眺めている。唇を舐めながら物思いにふける。

 多分、いつかのお客さんみたいになるだろうな。

 不安になるだろうな。目をつむるよりも生きづらいだろうな。

 でも確かにまだ覚えているのだ。その屈託のない微笑み顔。いろんな顔。

 これは幻か?

 忘れられないんじゃなくて、離れない君の顔。

 瞼を閉じた暗闇だってちゃんと見えるのだ。

 もう迷わない。見逃さない。何度も何度も繰り返されていても、次こそは忘れない。

 夢になるとき、そうやっていつも思えていたらいいな。


 名前も知らない君に恋をした

 僥倖を願う望む。

 欲の皮が突っ張ってきた。

 人言えぬ、有無を言わせぬ肯定力。

 何かを信じていたい。感じ取りたい。その内側にしかない感情を。


「お内裏様、お雛様どうか……」


 願えば叶うのだ。こういうときの人間に必要なのは、たったそれっぽっちのことだった。


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