表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
60/87

第60話:漆黒の魔王、ルシェル再臨

◇◇◇



#1 激化する混乱


モンスターの出現数は、日ごとに増加した。

もはや「異変」ではなく、「侵食」だった。


ニュース映像:

「混乱は神楽市を中心に広がり……政府は異界存在への特殊戦術を開始……」


街は崩壊しつつあり、自衛隊、特殊部隊、ついには米軍までもが投入されていた。


蒼真

「はぁ……はぁ……」


焔生を雪へ突き立て、荒い息を吐く。

短時間で倒した魔物は百体を超える。


ノア

「10メートル先、スポーン観測。歪曲率、通常の三倍です」


永瑠

「え……また?」


蒼真

「キリがねぇぞ……この街、どうなってるんだ……」


すると、自衛隊員が警戒しながら駆け寄る。


自衛隊員A

「君たち!こんな所は危険だ!避難を――」


永瑠

「どいて」


永瑠がわずかに前へ出た瞬間、地面から闇が噴き上がり、不格好な魔物を形成した。


魔物

「グルルル……」


蒼真

「よっと」


魔物が完成する前に斬撃が閃く。


ザンッ!


永瑠も続き、黒爪に魔力をまとわせて胴を切り裂く。


ズシャァァ!


自衛隊員A

「な……なんだ、この子達……」


自衛隊員B

「武装もないのに……化け物か……?」


ノアは微笑み、軽くお辞儀をする。


ノア

「大丈夫です。お気遣いなく〜」


その常識外れの強さに、自衛隊はただ絶句した。



◇◇◇



#2 漆黒の魔王


永瑠が空を見上げ、表情を強張らせる。


永瑠

「……上」


空の闇が渦を巻き、無数のコウモリが竜巻の中心へ吸い込まれていく。

圧力だけで、立っているのがやっとだった。


蒼真

「こ、これは……」


ノアの笑みが完全に消える。

白銀の杖を握りしめる顔は、すでに“王女ノア”のものだった。


ノア

「最大級……いえ、魔王クラスの圧力観測。自衛隊の皆様、即時撤退を!」


空の闇が収束したとき、

そこには、雪景色と同化するような銀髪の男が静かに現れた。


長いコートの裾を雪風が揺らす。

銀の髪は冷たい光を反射し、氷の刃のような冷たい美しさを持っていた。


永瑠

「……ルシェル……!」


その名を呼ぶ声には、憎しみと恐怖が入り混じっていた。


ルシェルはゆっくりと降り立つと、その足元で雪が蒸気となって散る。

威圧感だけで、周囲の自衛隊員が動けなくなる。


ルシェル

「……永瑠える


その声は、氷のように冷たく、父の温度を一切含んでいない。



永瑠は憎悪に染まった瞳で睨みつけるが、ルシェルは無関心に受け流す。


ルシェル

「君の母……那美の願い。

そして、私の願いを叶える時が来た」


永瑠

「母の……願い……?」


ルシェル

「君を、“永遠の檻”から解放する時が来た」


永瑠は表情を硬直させ、一歩後ずさる。


永瑠

「……何それ……?」


ルシェル

「君の魂は輪廻に帰れない。

終わりのない生命は……苦しみしか生まない」


蒼真(心の声):

「(那美さんと同じだ……“終わらない命は残酷”って……)」


ルシェル

「私の手で、君を安息へ導く。それが……君の母が残した願いでもある」


永瑠

「うそ……」


永瑠の瞳が大きく揺れる。

母の願いを“死”と結びつけられ、動揺が止まらない。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ