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第41話:黒龍第一次襲来 ― “欠落の街”

◇◇◇



#1 神楽中央区――最初の異変


深夜 2:14。

三人は黒龍の“影”を追い、神楽中央区へ走る。


だが――


蒼真

「……なんか、この通り……静かすぎないか?」


商店街のシャッター街。

しかし、静かさの“質”が違う。


風は吹いているのに、


音が一切しない。


永瑠

「……待って。見て。」


建物の壁が“すうっ”と薄れていくように消えた。


蒼真

「……今……消えた……よな?」


永瑠は呼吸を潜めた。


永瑠

「……嫌な感じがする。この場所……生き物の気配がない」


ノアが解析モードに入る。


ノア

「……空気の“揺らぎ”がありません。

人の生活の残り香もない。

ここ……数分前から“空白地帯”になっています」


三人は互いに顔を見合わせる。


蒼真

「空白地帯って……どういう……?」


風が吹く。


“道端の自販機が、無音で消えた。”


蒼真

「ッ!!?」


永瑠

「……ちょっと……嘘でしょ……」


ノアが震えた声で言う。


ノア

「街が……端から“削られて”います……

黒龍の出現に伴う……初期現象だと思われます」


蒼真は思わず空を見上げる。


遠くの空に、

背骨のような黒い影がゆっくりと蠢いていた。


それだけで世界が揺れた。


地面が震え、電線が唸り、

街全体が“巨大な何か”に押し潰されているような圧力。


蒼真

「なんだよ……これ……」


永瑠

「……呼吸だけで……街が死ぬの?」


ノア

「……多分、まだ“息を吐いていません”。

これはただの、近づいただけの影響……」



◇◇◇



#2 黒龍の“気配”が街を歪める


ビルが軋む。

道路が鳴る。

ガラスが割れずに“消える”。


人の悲鳴だけが遠くから聞こえてくる。


永瑠が歯を噛む。


永瑠

「……こんなの……」


蒼真が永瑠の手を掴む。


蒼真

「大丈夫だ……絶対に……」


永瑠

「(驚いて)……アンタ……?」

その手の強さに、一瞬だけ動揺が走る。


ノアが叫ぶ。


ノア

「来ます!!

黒龍……“第一層・接近波”!!!」


黒い背骨が大地に影を落とす。


その瞬間、

街全体の照明が一斉に――


バチバチバチッ!!


永瑠

「きゃっ……!」


蒼真

「永瑠っ!!」


ノア

「電力網……情報網……全部破壊されてます!!」


建物が次々と透明化し、

街路樹がゆっくりと消えていく。


まるで世界そのものが、

黒龍の歩みにすら耐えられない。



◇◇◇



#3 黒龍第一次“黒炎ブレス”――発動


空が裂けた。


メリメリメリ……ッ


巨大な黒い“口”のようになり、

そこから吸い込むように暗闇が渦を巻く。


永瑠

「やば……!!

蒼真、ノア!!」


ノア

「ブレス予兆!防御準備――!」


蒼真

「(震えながら)どうすればいいんだよ……!」


永瑠

「とにかく、散らばらないで!!」


黒龍の口がさらに歪む。


蒼真

「くる……!!」


永瑠

「蒼真!伏せ――!」


ノア

「結界展開します!急いで――!」


そして黒龍は――


世界をひっくり返す“黒炎”を吐いた。


黒炎が降り落ち、

空気がひき裂かれ、

地面が歪み、

影がはがれ、

光が飽和し……



街は黒炎に呑み込まれた。




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