第28話:第一波迎撃戦
◇◇◇
#1 始まりの咆哮
城壁上から見下ろす荒野。
遠方の黒い点が―― 波のように蠢く。
風が止んだ瞬間、
ノア
「接触まで……3……2……1……」
蒼真
「……ッ!」
地面が爆ぜた。
獣の群れが城塞に向けて走り出した。
ノア
「――来ます!!」
永瑠
「全軍、構えッ!!!」
◇◇◇
#2 第一撃
レイの号令が飛ぶ。
レイ
「弓兵ッ!射撃開始!!」
一斉に矢が降り注ぐ。
無数の矢が、前衛の魔物を射抜き、
黒い煙が散る。
だが。
蒼真
「まだ止まらねぇのかよ……!」
ノア
「あれは“核”が残っている魔物です!消えるまで倒さないと!」
蒼真
「うわぁー!キリがねぇ!」
◇◇◇
#3 永瑠の牽制
永瑠の目が光った。
永瑠
「行くわよ」
指先が光の刃を形成する。
永瑠
「《霊装・紅刃》」
音もなく光の斬撃が放たれ―― 十数体が一瞬で倒れる。
蒼真
「お前、普段手加減してたのかよ!」
永瑠
「当たり前じゃない。学校では手加減しないと破壊してしまうもの。」
レイ
「さすが、ヴァンパイアだ。」
◇◇◇
#4 蒼真の前線
城門前。
蒼真、門外に跳び出す。
騎士たちが驚く。
騎士A
「ま、前に出たぞ!!?」
騎士B
「無謀だろ!!」
蒼真は汗だく。
蒼真
「怖ぇよ……でも!」
荒野を走りー 魔物群に突っ込む。
焔生に炎が宿る。
蒼真
「行くぞォォォッ!!!」
初撃。
真紅の焔が蒼真の足元から噴き上がり、
一直線に魔物を焼き切る。
騎士団
「な、なんだあの少年……!」
「戦闘力が桁違いだ……!」
◇◇◇
#5 ノアの後方指揮
ノアは障壁を維持しながら―― 全軍の回復と支援を行う。
騎士団
「バリアが薄くならない!?」
「凄い……!」
ノア
「蒼真さん、無茶はしないでください……!」
◇◇◇
#6 前線、激化
魔物が三倍の密度で押し寄せてくる。
蒼真
「くそ、休む暇ねぇ!」
永瑠が横へ飛び降りる。
永瑠
「蒼真、右!」
右側から巨大な猪魔獣が突撃。
蒼真が反応し切れない――
永瑠が蒼真の腕を掴んで引き寄せる。
永瑠
「油断しない!」
蒼真
「……ありがとな」
永瑠の表情が少し緩む。
◇◇◇
#7 第一波、突破
ついに――
敵前衛の波が止まった。
騎士団が歓声を上げる。
騎士たち
「第一波、撃退――!!」
「やったぞ!!」
蒼真は息を切らし、
膝に手を置く。
蒼真
「なんとか……なった……!」
永瑠
「まだ第一波よ」
蒼真
「言わないで!!」
◇◇◇
#8 嫌な“静寂”
風が止まる。
空気が、重くなる。
ノアの瞳が揺れた。
ノア
「……おかしい」
永瑠
「何が?」
ノア
「第二波……
まだ来るはずなのに……」
蒼真
「来ないなら良……」
ノア
「良くありません」
永瑠
「……嫌な感覚がする」
次の瞬間――
地平線が“揺らいだ”。
蒼真
「……何だよ、あれ……」
ノアの声は震えていた。
ノア
「…………第二波が……跳ね上がりました」
永瑠
「跳ね上がった?」
ノア
「ええ。
規模は――三倍です。」
蒼真
「三倍!?」
永瑠
「予想、外れたわね」
ノア
「……ごめんなさい」
蒼真は刀を握り直す。
蒼真
「謝るのは終わってからだ」
ノアと永瑠が並び立つ。
永瑠
「次も殺す」
ノア
「守ります」
蒼真
「――行くぞ」




