第27話:開戦前夜-王都防衛戦
◇◇◇
#1 城の作戦室
蒼真・永瑠・ノアは城の作戦室に通される。
机一面に広げられた地図。城下の見取り図。魔法障壁の分布図。赤い駒の数々。
兵の声が飛び交う空間。
エリオス
「状況を説明しよう」
エリオスは前に立ち、指を走らせる。
エリオス
「魔物の大群、いわゆる“スタンピード”は東の森から発生し、王都を包囲しつつある。」
蒼真
「包囲!?」
永瑠
「相当、規模が大きいわね」
ノア
「最低でも、1万体はいます」
蒼真
「最低でそれ!?」
永瑠
「……まぁ、やりがいはありそう」
騎士団がざわつく。
◇◇◇
#2 仲間との邂逅
作戦室に、重い足音。
扉が開く。
ギルドマスター
「お、集まってんね。エリオス、邪魔するよ。」
エリオス
「レイ、よく来てくれた。」
ノア
「レイさん!お久しぶりです!」
蒼真
「誰!?」
ノア
「こちらはギルド長です。」
ギルド長
「ギルド長の “ レイ・ハルド ” だ。よろしくなっ。」
蒼真
「よ、よろしくお願いします。」
ノア
「ギルド長とお父様は兵士学校時代からの親友です。」
ギルド長
「あぁ、ノアが生まれた時は、ホントに可愛くってなぁ〜」
ノア
「今は可愛くないんですか!」
◇◇◇
#3 作戦会議
ギルド長
「ノア、お前は後方支援と障壁維持を頼む。」
ノア
「はい」
ギルド長
「ヴァンパイアの君の事も聞いてるよ。城壁上にて殲滅と牽制を頼めるか?」
永瑠
「任せなさい」
ギルド長
「よし、蒼真」
蒼真
「お、おれ?」
ギルド長
「……前線だ」
蒼真
「前線!?いきなり!?」
永瑠
「まぁ当然ね」
蒼真
「当然!?」
ノア
「蒼真さんなら……できます。焔生があれば」
蒼真
「どうしてこうなった!」
◇◇◇
#4 一瞬だけ 静かな時間
配置が決まり、各部隊が散っていく。
ノアは蒼真に微笑む。
ノア
「……ありがとう。本当に」
蒼真
「まぁ、お前の実家だしな。守るのは当然だろ」
ノア
「私……本当は、ずっと怖かったんです」
蒼真
「怖いって……?」
ノア
「助けられる相手じゃなくて、
守られる必要のある存在だったら……
嫌われるんじゃないかって」
蒼真は一瞬だけ黙る。
そして、静かに。
蒼真
「怒られるときは怒る。助けられたら感謝する。それだけだろ」
永瑠が横から小突く。
永瑠
「蒼真にしては、上出来ね」
蒼真
「うるせぇ!!」
◇◇◇
#5 決戦へ
夜。
城壁上。
無数の炎松明。騎士団と冒険者の列。
レイ
「全戦力、配置完了!」
ノア
「障壁展開……いきます!」
空に巨大な魔法陣。光の結界が王都全体を覆う。
永瑠
「蒼真、準備は?」
蒼真
「……怖いけど……腹は括った」
永瑠
「なら十分」
ノア
「スタンピード、接触まで――」
風が止む。
ノア
「――10分。」
蒼真は刀を握る。
永瑠は風向きを読む。
ノアは障壁を張り続ける。
そして――
遠く。
地響き。
蒼真
「来た……」
ノアの声が震えた。
ノア
「スタンピード……接触まで――30秒!」
永瑠
「――覚悟しなさい」
蒼真
「こうなったらヤケクソだ!」




