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第17話:魂環交界《ソウルリンク》

◇◇◇



#1 雪村家、地獄の包囲網


夜の神楽市。雪村家の周囲には、四十体もの侵蝕体が群がっていた。


ガタガタガタァァァッッ!!!


家そのものが殴られて激しく揺れる。


蒼真

「いや数増えすぎだろ!!昨日は1体だったよな!?成長期かよ!!?」


永瑠は冷静に状況を分析する。

「気をつけて。群れで来るのは厄介。」


ノアは不安げに付け加える。

「大丈夫です。きっと蒼真さんはいけると……思います。多分……たぶん……」


蒼真

「不安になる言い方やめろォォ!!」


咲夜

「あらあら、お友達がたくさん来たのかしら?」

そう言って、咲夜は慌てて大量の麦茶やカレーを作り始める準備に取りかかる。


ノアは両手を胸の前で組み、深く息を吸った。

「蒼真さん。“魂環交界ソウルリンク”を始めます。」


蒼真

「いや心の準備――」


永瑠

「遅い。」


ノア

「はい行きます。」


蒼真

「お前ら………息ぴったりかよ!!?」



◇◇◇



#2 魂環ソウルリング発動


ノアが蒼真の右手をそっと握る。永瑠が反対の手を取る。


蒼真

「え、ちょ――これ両手塞がる系なの!?戦えないけど!?」


ノア

「大丈夫。今は“繋がれ”ばいいのです。」


永瑠

「力は――ここから流す。」


三人の足元に、雪のような蒼白い光の輪が広がる。


――キィィィン……


蒼真

「うわ……頭の中に…入ってくる……!」


ノア

「魂環は、互いの“足りない部分”を繋ぐ力です。蒼真さんの“体力不足”を、わたしが補います。」


永瑠

「蒼真の“致命傷回避能力の無さ”を、私が補う。」


蒼真

「言い方!!!?」


永瑠(真顔)

「事実。」


ノア(真顔)

「事実です。」


蒼真

「二人とも辛辣すぎるだろ!?俺そんな欠点あった!!?」


永瑠

「ある。」


ノア

「あります。」


蒼真

「統一すんなァァァァ!!!」


しかし次の瞬間――蒼真の視界が開けた。


蒼真

「……っ!見える……!」


永瑠

「来たわね。瞬間予測!」


ノア

「これが蒼真さんの魂の本質……!」


侵蝕体の動きが、全て“ゆっくり”に見え始めた。


蒼真

「これ……“未来予測の初歩”……?」


永瑠

「違う。今は“わたしたち二人の補助でギリギリ動けるレベル”。」


ノア

「調子に乗ると死にますので注意してください。」


蒼真

「お前らさぁぁぁ!!???」



◇◇◇



#3 四十体 vs 蒼真+永瑠+ノア


床が砕ける。侵蝕体が一斉に飛びかかる。


蒼真

「来る!!右から5体!ジャンプ攻撃!」


永瑠

「知ってる。」


影が蠢き、永瑠の“闇刃シャドウブレード”が走る。


ズババババッ!!!


一瞬で5体が塵に変わった。


蒼真

「えっ速っ!!俺の予測いらなかったんじゃ!?!?」


永瑠

「あなたが“見た”から、動けた。」


蒼真ドキッ

「そ、そうなの……?」


永瑠

「うん。」


ノア

「イチャついてる場合じゃありませんよ、お二人とも。」


蒼真&永瑠

「「いちゃついてない!!!」」


さらに侵蝕体10体が突進。


蒼真

「ノア!来るぞ!!」


ノア

「はい。“聖域障壁ホーリー・シェル”展開!」


バァァァァァンッ!!


透明なドームが広がり、侵蝕体10体をまとめて弾き飛ばす。


蒼真

「つ、強すぎるだろ聖女!!?」


ノア(自慢げ)

「わたしのポテンシャルです。」


永瑠

「でも昔のノアより弱い。」


ノア

「それ言わないで!!!!」


蒼真

「喧嘩すんな!!俺死ぬから!!」


永瑠

「大丈夫。蒼真は死なせない。」


ノア

「死んだら責任取ります。」


蒼真

「責任の取り方が怖い!!」



◇◇◇



#4 蒼真の“初フィニッシュ”


侵蝕体の残りは15体。蒼真の手に、焔生(ほむすび)が熱を帯びて震えた。


永瑠

「……蒼真。」


ノア

「今です。」


蒼真

「行く……!」


ザンッ!!


地面を蹴った瞬間、視界が“蒼白い線”になって伸びた。それは――ウィンターの戦い方そのものだった。


蒼真

「らァァァァッ!!!!!!」


十五体、一閃。光が走り、塵が舞い、蒼真の刀が、音もなく鞘に収まった。


永瑠

「……。」


ノア

「……。」


蒼真

「っふ……どうよ……俺……?」


永瑠

「……ちょっとカッコよかった。」


ノア

「とてもよかったです……恋に落ちかけました。」


蒼真

「フッ、またつまらぬものを斬ってしまった……。」


ノア

「あ、蒼真さんの死亡確率が15%まで下がりました。」


蒼真

「ギャァァァアアアアア!!!」



◇◇◇



#5 黒幕、ついに姿を現す


静寂。蒼白い魂環がゆっくり消えていく。


――その時。空が裂けた。


蒼真

「……ッ!?またかよ!!」


永瑠

「違う……これは“格が違う”。」


ノア

「お三方……魔力値……観測不能……これは……“異界の魔王クラス”です……!」


裂け目から歩み出た影。長い黒髪。白磁の肌。血のように紅い瞳。圧倒的な“気配”。


永瑠の身体が本能的に震える。


永瑠

「……父さん……?」


蒼真

「ルシェル!?!?!?」


「――娘よ。ようやく見つけた。」


永瑠

「……!」


「そして――ウィンターの器よ。」


蒼真

「俺かよおおおおおお!!?!?!」




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