第11話:歪曲体(わいきょくたい)プロト・アドゥラ
——初陣トリオ、やかましいまま参戦——
◇◇◇
#1 神楽市・深夜二時
世界、ふたたび裂ける。
蒼真の家の前の道路に、
"ビキッ……ビキビキッ……"という不気味な音が響き渡る。
空間の一点が、氷が割れるようにひび割れ、
その奥から"暗い眼"のような不気味な光が覗く。
永瑠
「蒼真、後ろに。
……これは、さっきの雑魚とは違う。」
ノア
「蒼真さん、深呼吸を。
心拍が危険値です。」
蒼真
「こんな状況で落ち着けるかぁぁぁぁ!!!」
■ 永瑠の解説(圧)
永瑠
「これは"歪曲体Proto-Adra"。
本来、次元の境界を超えられない化け物よ。」
蒼真
「え?なんで来てんの?」
永瑠
「知らないわよ!!
本来なら千年に一度起きるかどうかの現象よ!!
なんでよりにもよってアンタの家の前なのよ!!!」
蒼真
「俺に言うなぁぁぁ!!!!!」
■ ノアの観測(冷静すぎる)
ノア
「蒼真さんの家が"弱点"だったようですね。」
蒼真
「やめろ!!!俺の家を弱点にするな!!!」
◇◇◇
#2 プロト・アドゥラ出現
"裂け目"の中から、長い触腕のような影が伸び、アスファルトがねじ切られる。
蒼真
「こ、これ絶対高校生が戦う敵じゃない!!
もっと…特撮ヒーローとか呼べよ!!!」
永瑠
「黙れ。まず動きを止める。蒼真、援護して。」
蒼真
「できるかぁぁぁぁ!!」
■ 永瑠、闇の力解禁
永瑠の瞳が一瞬だけ"紅"に光り、
彼女の影が広がって、触腕を拘束する。
蒼真
「つ、強っ……!」
永瑠
「まだ序の口。
でも——"これ"は私一人じゃ押さえきれない……!」
触腕が"ドゴォッ!"と地面を叩き割る。
永瑠(汗を滲ませながら)
「蒼真!!
その刀、ただ振っただけで私の力が通る!
1ミリでもいい、動きを止めなさい!!」
蒼真
「1ミリ!?俺への優しさゼロミリ!?」
◇◇◇
#3 ノアのサポート(全く安心できない)
ノアは静かに手を上げる。
ノア
「蒼真さん、左斜め前方、1.3メートル。
そこを斬れば永瑠さんの拘束が最大化します。」
蒼真
「なんでピンポイントで怖いこと言うの!?」
ノア
「観測しただけです。」
永瑠
「信じて斬れぇぇぇぇ!!」
■ 蒼真、恐怖のまま突撃
蒼真
「もぉぉぉぉ!!知らん!!うおおおお!!」
彼は叫びながら刀を振る。
"ギィィィィン!!"
その一撃は、永瑠の影の拘束と重なり、
歪曲体の動きが確かに止まった。
永瑠
「……!
やっぱり、あんた……なんなの……?」
蒼真
「俺が聞きたいわぁ!!!」
◇◇◇
#4 ノアの状況分析
ノア
「蒼真さん。
あなたの魂は、おそらく"二層構造"です。」
蒼真
「そんな急に複雑なこと言うな!!?」
永瑠
「二層……?まさか……。」
ノア
「確認します。」
そう言うと——
ノアは蒼真の頭を、そっと両手で包む。
蒼真
「へっ!?ちょ、ちょっと!?
距離近い近い近い近い!!
え!?なんで抱えられてんの俺!!??」
永瑠
「は!?何してんの!!!?
その距離感おかしいでしょ!!?
蒼真離れろ!!」
ノア
「観測です。」
永瑠
「観測の概念ぶっ壊れてんのよアンタは!!」
◇◇◇
#5 トリオ初連携のフィニッシュ
蒼真
「ノア!顔近い!!息当たってる!!
俺今日死んだら絶対お前のせいだ!!」
ノア
「心拍、最大値に到達しました。
永瑠さん、今です。」
永瑠
「蒼真!!刀を構えろ!!
私の攻撃を"刀ごと"ぶつける!!」
蒼真
「ちょっ……待っ……!!?
うわああああああ!!」
刀を持った蒼真の手を握る永瑠。
闇の奔流と妖刀が重なり、
——ズバァァァァァン!!!
プロト・アドゥラは、
断末魔を上げながら裂け目ごと消滅した。
◇◇◇
#6 夜明け前
三人はその場に倒れ込む。
永瑠
「……ふぅ。
あんたの刀……やっぱり異常よ。
私の力が"増幅"された。」
蒼真
「こっちも異常だよ……
俺の精神が……もう……」
ノア
「お二人とも、お疲れさまでした。
蒼真さん、心拍が"死ぬ直前"でしたね。」
蒼真
「言い方ァァァ!!!」
蒼真
「……俺……明日……学校……」
永瑠・ノア
「行くわよ。」
蒼真
「地獄か!!!?」




