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9/10

A組

昼食を食べながら雑談が続く。

「転校生って前どこにいたんだ?」

雅人が聞く。

「色々だな」

「色々?」

「海外も多かった」

嘘ではない。

実際に世界各地を回っていた。

ただ内容は言えない。

「へぇ」

その時だった。

「海外帰りか」

別の声。

今度は女子生徒だった。

腰まで伸びる銀髪。

整った顔立ち。

周囲の男子が露骨に視線を向けている。

「神代玲華だ」

雅美が小声で教える。

「二年A組次席」

またA組だった。

玲華は黎夜を見る。

「海外で何をしていたの?」

「修行」

「どんな?」

「色々」

「曖昧ね」

「説明が難しい」

実際、

影喰討伐です。

とは言えない。

玲華は少し考え込んだ。

「あなた」

「何だ」

「剣を使う?」

黎夜の動きが僅かに止まる。

ほんの一瞬。

それを玲華は見逃さなかった。

「やっぱり」

「なぜ分かった」

「手」

玲華は指差す。

「剣を振る人の手だった」

雅人と雅美が感心する。

黎夜は少し驚いていた。

観察眼が鋭い。

「面白い人ね」

玲華は笑う。

「今度実技で会いましょう」

そう言って立ち去った。

雅人が呟く。

「A組って変人しかいないな」

「お前が言うな」

「何でだよ」

「十分変だ」

「ひでぇ」

学食に笑い声が響いた。


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