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A組
昼食を食べながら雑談が続く。
「転校生って前どこにいたんだ?」
雅人が聞く。
「色々だな」
「色々?」
「海外も多かった」
嘘ではない。
実際に世界各地を回っていた。
ただ内容は言えない。
「へぇ」
その時だった。
「海外帰りか」
別の声。
今度は女子生徒だった。
腰まで伸びる銀髪。
整った顔立ち。
周囲の男子が露骨に視線を向けている。
「神代玲華だ」
雅美が小声で教える。
「二年A組次席」
またA組だった。
玲華は黎夜を見る。
「海外で何をしていたの?」
「修行」
「どんな?」
「色々」
「曖昧ね」
「説明が難しい」
実際、
影喰討伐です。
とは言えない。
玲華は少し考え込んだ。
「あなた」
「何だ」
「剣を使う?」
黎夜の動きが僅かに止まる。
ほんの一瞬。
それを玲華は見逃さなかった。
「やっぱり」
「なぜ分かった」
「手」
玲華は指差す。
「剣を振る人の手だった」
雅人と雅美が感心する。
黎夜は少し驚いていた。
観察眼が鋭い。
「面白い人ね」
玲華は笑う。
「今度実技で会いましょう」
そう言って立ち去った。
雅人が呟く。
「A組って変人しかいないな」
「お前が言うな」
「何でだよ」
「十分変だ」
「ひでぇ」
学食に笑い声が響いた。




