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夢を見た、黄金に輝く鎧を見てそいつは俺を見るだけ。ただ見てるだけで何もない。そんな状況だった。

そして次に目が開いてやっと現実に戻って来た。

そこは病院だった。

「此処は……?」

「やっと起きたか」

そこにはあの夜段々と近づいてくる白髭の坊主の爺さんがいた。

「あんたは?」

「久遠 零山だ」

「久遠?」

「年上に呼び捨てか、助けやったのにな」

あの時影喰を後ろから吹っ飛ばして消滅させたことを思い出した。

「じゃあ、俺もあそこにいた女の人も助かったのか?」

「ああ、直ぐに此処に運んだ」

「ありがとうございます」

「ああ、それが俺の仕事だからな」

「仕事?」

普通の人間ではないのは分かってはいた、でもあんなことが出来るのは一体?

「久遠さんは何者なんだ?」

「紋術師だ」

紋術師、聞いたことがある。特殊な筆や様々な物を使って影喰と戦っている存在。でもなんでそんな人がたまたまなのだろうか?

「なるほど、紋術師聞いたことはあります」

「そうか、なら話は早い。お前は影喰と戦うつもりはないか?」

「俺が?」

「ああ、その覚悟を問いたい」

「俺は普通の人間ですよ。そもそも紋術師とかは子供の頃からずっと辛い修行をしてなれるものなんでしょ?」

「そうだ。俺達は小さい頃から影喰と戦う術を叩き込まれる。だがそれについてこなくて諦めた人間も、それに修行が甘く影喰に喰い殺されたやつもいた」

「なら尚更俺にはそんな資格ないですよ」

「一つだけ方法がある」

「一つ…?」

「ああ、天煌騎士を知ってるか?」

天煌騎士は剣や斧など様々な武器を使って肉体や鎧を召喚して戦うそんな存在だ。

「俺にはそんな度胸はないです」

「そうか、残念だ。お前ならなれると思ったんだがな」

「俺が何になれるんですか?」

「輝装騎士」

「輝装騎士?」

「あらゆる天煌騎士の頂点に立つ、皆天煌騎士を目指す過程でその輝装騎士に憧れる」

そんな存在に俺がなれるのか、そもそも俺は何もしてない。

「俺は、そんな存在になれる自信はありません」

「自信か、笑えるな」

久遠さんは笑みを浮かべる。

「何がおかしいんですか?」

「自身なんてものは後かややってくるんだ、道を進んでその道を選んで正解だったかは未来の自分自身が決める、違うか?」

何も言なかった、その通り過ぎて。

「でも今から修行でもしてその輝装騎士になれるんですか?」

「修行は必要だ、ただお前は既に輝装騎士になっている」

「え?」

そうして久遠さんは自分の筆を取り出して、その真ん中に髑髏の指輪がついていた。

「それは?」

《やっと俺様の出番か》

「喋った?」

《俺はアルヴァ、ただの指輪だと思うなよ》

「アルヴァ?」

「こいつは輝装騎士と精神が繋がっている」

《輝装がお前を選んだってことだ》

「俺を?」

《ああ、この百年選ばれてない。なのに急にお前を選んだ》

「理由は?」

《さあな、俺様にも分からない》

「それを断ったらどうなるの?」

「間違いなくこの先人間は希望を失う」

希望、その重みがなんとなく分かった気がした。

「輝装騎士は人間の光そのものだ、ただの騎士じゃない。人の想いそのものなんだ」

想いそのもの、そんなものをに俺はなれるのだろうか?

「取り敢えず、そう言うことだどうする?」

「どうするもこうするもないでしょ、やります」

「そうか、なら今の生活を捨てる勇気はあるか?」

「あります」

自分になにか出来るのにやらないのは嫌だし、それで人が死んだら目覚めが悪い。

それにあの時俺の脳内に流れた野太い男の声はもし、輝装騎士の意志なのだとしたら俺は行動したいそう思った。


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