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学園の食堂はとても豪華だ。
朝から色々な料理が並んでいる。
このパン美味しい〜
焼きたてだ! ここで作ってるのかな〜
翌日、一人で美味しく朝ごはんを食べていると声をかけられた。
「お隣よろしいでしょうか?」
エイラ御一行である。
「どうぞ」
「ありがとう」
隣に座るエイラ。
「昨日お父様が急にいらしてね」
「!」
危ない! 吹き出す所だった。
「まだ初日だというのに『エイラが心配で』なんて、絶対違うと思うの。何しに来たのかしら?」
「そっ、そうなんですかー」
オーレリアの目が泳ぐ。国王の従者エミールから内密にと言われている。娘相手だろうと話すわけにはいかない。
「オーレリア様は嘘が下手でいらっしゃいますね」
エイラが微笑む。
「うっ」
さすが王女である。
「氷の妖精王の事かしら?」
「エイラ様、申し訳ございませんが私の口からは……」
オーレリアは完敗である。
「ふふ。大体分かったわ。困らせてすみません。それとオーレリア様、私とお友達になっていただけませんか?」
突然の進路変更に、取巻きは驚いているようだ。
エイラが上目遣いにこちらを見ている。
なんて可憐な!
「はい。喜んで」
オーレリアはエイラの手を取った。
思わずプロポーズを受けた時のような返事をしてしまった。
エイラはやはり、よく喋る姫だ。と、同時にこちらの様子もよく見ている。
オーレリアは感心した。
小さい時から王女なんてやってると、人を見る目が育つんだなあ。
休み時間、エイラとオーレリアは休憩がてら中庭に出た。雪がうっすら積もっている。まだ冬だ。
エイラの取巻きは、本当にただの取巻きだったようで、エイラに聞くと「勝手に着いてきてるだけ」との事。この寒い時期に、外までは着いて来なかったようだ。
「従者はいないのですか?」
オーレリアは疑問に思う。
この国の第一王女に護衛もいなくていいのだろうか?
「いるわ。護衛兼、従者兼、クラスメイトが。今はオーレリアがいるから、きっと遠くで見守っているんじゃないかしら?」
エイラが遠くを見てニヤッとする。
「一緒にいても私は構いませんよ?」
「本当? だそうです。こちらへいらしたら?」
エイラが呼びかけると、木の上から人が飛び降りた。
え? 三メートルはある木だけど……
「オーレリア姫、お心遣い感謝致します。
カイル・ハウザーと申します。エイラ様の従者です」
短髪黒髪に、青い瞳のクラスメイトである。
騎士らしい動きで、何ともなさそうだ。ピンピンしている。
「宜しくお願いします」
オーレリアも挨拶する。正直、名前を覚えていないので自己紹介は、有り難い。
「国王より、オーレリア様の護衛も兼任するようにとお話しがありましたので、お二人でいてもらうと大変助かります!
まあ、オーレリア様は召喚獣が強力なので、俺がいなくてもいい気がしますけど!」
ニコニコしながら、結構な機密事項を話している。
「カイル、そう言う事はあまり話すものではないわよ?」
エイラが嗜める。
「そうでしたか。申し訳ございません」
しゅんとしている。子犬みたいだ。
「そういえば、オーレリア様の護衛の方もよければご一緒に……」
エイラがオーレリアに微笑みかける。
「私は本当に一人で来ましたので!」
オーレリアが顔の前で手を振る。
「そんなまさか……だって王女なのに」
エイラの顔が青くなる。
「本当にオーレリア様はどなたも連れて来なかった、と言う事なの?」
エイラがか細い声でつぶやいた。信じられない、という顔でこちらを見る。
「私は第六王女ですが、ほとんど平民同様の暮らしでしたので、自国にいた時から従者はおりません」
オーレリアが告白する。エイラには信じられない話だろう。
「そうだったんですね……驚きました。
こんなに力があって、秀才でいらっしゃるのに、妖精の国は勿体無い事をしましたね」
そう言うとにっこり笑った。
きっと励ましてくれているんだ。
「ありがとうございます。エイラ様」
オーレリアはそう言うと、ふと、雪の下にトゲトゲした草を見つけた。
「エイラ様がお優しいので、私ちょっとしたお礼をしても宜しいでしょうか?」
「お礼?」
エイラとカイルは首を傾げる。
オーレリアは手を組み魔力を足元に注ぐ。
トゲトゲの草が光ると、瞬く間に薄いピンクの花が咲いた。
「わあ!」「凄い!」
感嘆の声。
「芝桜の葉があったので、咲かせてみました。少し早い春です」
「オーレリア様すごいです! 感動致しました!」
エイラは興奮している。
「これが妖精の国の魔法……!」
カイルが驚愕している。
中庭一面の芝桜が咲いていて、薄ピンクの絨毯のようだ。
外を見た生徒が驚いて足を止めている。
そこだけ見ると春のようだが、木の上、歩道の隅には雪が残ったままである。
鐘が鳴る。
「お二人共、教室に戻りましょう」
オーレリアが二人を促す。
エイラとカイルは、後ろ髪をひかれながらも中庭を後にした。
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