4
一旦、召喚獣(王)にはお帰りいただき、授業は終わった。
「皆さん、さすがこの学園に入学するだけの事はあるわね! 素晴らしい召喚獣を見せてくれてありがとう。授業を終わります。
……オーレリアさん、放課後、職員室に来てもらえる?」
「……はい」
最初の日の初めての授業で、いきなり呼び出されてしまった。
「君、おもしろいね!」
レックスが話しかけてきた。
「そうですか?」
別に私はおもしろくないが?
「ふふっ。そりゃあ、王様召喚しちゃあね! 国が大騒ぎするよ」
レックスは笑いを堪えるのに必死である。両手で顔を隠してる。
なんだコイツ、爆笑してるじゃないか。
オーレリアが睨む。
涙を流して笑うレックスが、オーレリアに睨まれている事に気づいた。
「くくっ! ごめんごめん! 馬鹿にしてる訳じゃない。魔力量とか凄いんだけど、なんか凄いより面白いが勝っちゃって……」
「そんなに面白い?」
オーレリアがぶっきらぼうに答える。王子だが、私もいちお王女だし、なんか笑われてムカつくし、タメ口でいかせてもらう事にした。
「ここ最近で一番笑ったわ。じゃあ!」
レックスへは手を挙げると、遠巻きに見ていた従者の方へ戻って行った。
なんだアイツ!
挨拶した時は特に印象はなかった。龍を召喚した時は素直に凄いと思ったが、あんなにゲラだとは……
「オーレリア様、妖精王様を召喚されるなんて凄いです!」
教室に戻る途中で、今度は後ろから話しかけられた。
馬鹿にしているのかと、レックスを睨んだ顔のまま振り向く。
「…エイラ様」
こっちの姫は顔を輝かせている。
「まぁ、オーレリア様! 酷いお顔ですわ! そんなことより、私、妖精王様のことは昔話でしか聞いた事がなくて、本物はあんなにキレイなお姿なんですね! 感動いたしました!」
わーっとしゃべるエイラに圧倒される。
こんなに話す人なの!
すると遠くから見ていたクラスメイトも、次々にオーレリアに話しかけてきた。
「妖精王すごいです!」「オーレリア様はやはり妖精の国の王女だから、妖精王が召喚されたのでしょうか?」「あの魔力量はとてつもない!」
無視される事はあっても、こんなに話しかけられた事がないオーレリアである。
「えっと……」
「皆さん、一気に話しかけたらオーレリア様も困りますわ」
自分が一番話していたエイラが皆を宥める。
そんな事をしている間に予鈴が鳴った。
皆急いで教室に戻る。
助かった……
オーレリアも心底ほっとして席に座る。
隣の席にはレックスがいた。そういえば隣だった。
「次の授業も楽しみにしてる」
「……」
無言で睨むオーレリアに笑いかけるレックスだった。
次は歴史の授業だった。
ここでは特に特筆すべき事はなく……
少しだけあった。
別の国の歴史を学ぶのは新鮮だった。昔から伝えられている話も、妖精の国と違う。
『氷の国は大国である。東西南北それぞれの地域でそれぞれの主が納めている。
四季があるのに氷の国と呼ばれるのは、氷の国に氷の妖精王がいるからである』
「……え」
史記を読んでいる時に、自分の召喚獣が出てきて声が出てしまった。
それに気付いたレックスが顔を隠している。また笑いを我慢しているようだ。




