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妖精の国の姫、氷の国へ留学する  作者: 紙絵
第一部

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4/25

4

 一旦、召喚獣(王)にはお帰りいただき、授業は終わった。

「皆さん、さすがこの学園に入学するだけの事はあるわね! 素晴らしい召喚獣を見せてくれてありがとう。授業を終わります。

 ……オーレリアさん、放課後、職員室に来てもらえる?」

「……はい」

 最初の日の初めての授業で、いきなり呼び出されてしまった。


「君、おもしろいね!」

 レックスが話しかけてきた。

「そうですか?」

 別に私はおもしろくないが?

「ふふっ。そりゃあ、王様召喚しちゃあね! 国が大騒ぎするよ」

 レックスは笑いを堪えるのに必死である。両手で顔を隠してる。

 なんだコイツ、爆笑してるじゃないか。

 オーレリアが睨む。

 涙を流して笑うレックスが、オーレリアに睨まれている事に気づいた。

「くくっ! ごめんごめん! 馬鹿にしてる訳じゃない。魔力量とか凄いんだけど、なんか凄いより面白いが勝っちゃって……」

「そんなに面白い?」

 オーレリアがぶっきらぼうに答える。王子だが、私もいちお王女だし、なんか笑われてムカつくし、タメ口でいかせてもらう事にした。

「ここ最近で一番笑ったわ。じゃあ!」

 レックスへは手を挙げると、遠巻きに見ていた従者の方へ戻って行った。


 なんだアイツ!


 挨拶した時は特に印象はなかった。龍を召喚した時は素直に凄いと思ったが、あんなにゲラだとは……


「オーレリア様、妖精王様を召喚されるなんて凄いです!」

 教室に戻る途中で、今度は後ろから話しかけられた。

 馬鹿にしているのかと、レックスを睨んだ顔のまま振り向く。

「…エイラ様」

 こっちの姫は顔を輝かせている。

「まぁ、オーレリア様! 酷いお顔ですわ! そんなことより、私、妖精王様のことは昔話でしか聞いた事がなくて、本物はあんなにキレイなお姿なんですね! 感動いたしました!」

 わーっとしゃべるエイラに圧倒される。


 こんなに話す人なの!


 すると遠くから見ていたクラスメイトも、次々にオーレリアに話しかけてきた。

「妖精王すごいです!」「オーレリア様はやはり妖精の国の王女だから、妖精王が召喚されたのでしょうか?」「あの魔力量はとてつもない!」

 無視される事はあっても、こんなに話しかけられた事がないオーレリアである。

「えっと……」

「皆さん、一気に話しかけたらオーレリア様も困りますわ」

 自分が一番話していたエイラが皆を宥める。

 そんな事をしている間に予鈴が鳴った。

 皆急いで教室に戻る。


 助かった……


 オーレリアも心底ほっとして席に座る。

 隣の席にはレックスがいた。そういえば隣だった。

「次の授業も楽しみにしてる」

「……」

 無言で睨むオーレリアに笑いかけるレックスだった。


 次は歴史の授業だった。

 ここでは特に特筆すべき事はなく……

 少しだけあった。


 別の国の歴史を学ぶのは新鮮だった。昔から伝えられている話も、妖精の国と違う。


『氷の国は大国である。東西南北それぞれの地域でそれぞれの主が納めている。

 四季があるのに氷の国と呼ばれるのは、氷の国に氷の妖精王がいるからである』


「……え」


 史記を読んでいる時に、自分の召喚獣が出てきて声が出てしまった。

 それに気付いたレックスが顔を隠している。また笑いを我慢しているようだ。

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