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妖精の国の姫、氷の国へ留学する  作者: 紙絵
第二部

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14

 後日、ファートム先生が、幾つかの種を持って栽培室へ現れた。

「オーレリアさん、お話ししていた植物の種が手に入りました。早速咲かせましょう!」

 早速の人である。

「ありがとうございます! じゃあ魔犬を召喚します!」

 光り輝く現れる魔犬、尻尾を振ってこちらを見ている。

「ワン!」

「よしよし。白い花、今から咲かせるからね、見つかるといいね」

 魔獣と戯れるオーレリア。

「そちらが新しい召喚獣ですか。大きい犬ですねえ」


 ほんわかした空気の中、栽培室で調査が始まった。

 種を土へ埋める。鉢を持ちあげ、魔力を込めるオーレリア。

 植物が次々と育っていく、


 芽が出て、鶴が伸び、大きくなっていく。ヨルガオが大きく開く。色は白色。

 魔犬は興味を示さない。


 マツリカは、花が咲くと同時に、とても強いよい香りがした。

 魔犬は振り向いたが、やはり興味を示さない。


 月下美人が光り輝く。

 みるみる蕾が出てくると、蕾がゆっくりと開き始めた。


 魔犬がこちらにやってきた。匂いを嗅いでいる。


「ワォーン!」

 遠吠えし、少し悲しそうである。


 この花みたいだ……!


 この花が魔犬にとって特別だという事は分かったが、理由は不明だ。魔犬からは、懐かしい、寂しい、嬉しいといった感情を感じる。


「ファートム先生ありがとうございます。探してた花、見つかりました」

 お礼を伝えるオーレリア、

「力になれてよかったです。ん? オーレリアさん、ちょっと顔色が悪いですよ? 今日はもういいから、よく休んでください」

「はい、すみません……ありがとうございます」

 従者に連れられて、栽培室から外に出る。


 花の強い香りにやられ、魔犬の感情を深く読み取ってしまった。少しふらつく。

「外の空気が吸いたいので、ここで休憩してもいいでしょうか?」

 従者に伝えてベンチで休む。


 一人でお城まで歩けそうにない……

 魔犬の感情が流れ込んできた。嬉しいが悲しい、複雑だが強い感情である。


「調査はどうした?」

 そこへレックスが声をかけてきた。

「あ、レックス……ちょっと休憩してるだけ。魔犬の花、見つかったよ」

「おお! よかったな! 気になって見にきたんだ」

 レックスも嬉しそうだ。

「でも、嘘はだめだぞオーレリア。体調悪そうだ。城へ運んでやる」

「少し気持ち悪くなっただけだから、すぐ治るよ」

 レックスはオーレリアを軽く睨む。


 この顔は信用してない……お見通しか。


「オーレリア?」

 優しく名前を呼ぶレックス。

「……何でしょう?」

 思わず敬語になってしまった。

「おんぶとお姫様抱っこ、どっちにする?」

「……おんぶでお願いします」

 降参するオーレリア。


 レックスは軽々とオーレリアを背負い、城へと戻ったのだった。

読んでいただき、ありがとうございます。

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