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妖精の国の姫、氷の国へ留学する  作者: 紙絵
第一部

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19/26

19

 婚約発表は、王族はもちろん、国のトップ達が集まるパーティーで行われる。もちろん、太陽の国の王達も来賓する。


 その日にちが決まった。


「ドレス決めないといけなくて……今あるのだとちょっと小さいから……」

 エイラが話す事を真剣に聞いていなかったオーレリア。痛い目にあう。


 オーレリアの頭の中は、植物が三分のニ、魔法の勉強が残りの半分。残りはご飯である。

 完全に頭からドレスの事が抜けていた。

 パーティーまで一ヶ月をきったその日、

「オーレリアは何色のドレスなの?」

 エイラに聞かれてはっとする。


 私、ドレス持ってないんだった!

 どどどどうしよう!

 実家へ連絡したって送ってくれるわけないし、作るのってどの位時間かかるんだろう?

 エイラは主役だから、自分の事で大変だろうし……

 誰に相談したらいいのーー!


「何色だろうね? 当日までのお楽しみっ! エイラは何色?」

「私はサンの瞳と同じ赤で……」

 エイラが話し出す。何とか誤魔化した。


 しかしどうしよう。エイラは婚約パーティーの準備で城へ行ってしまった。トボトボ歩いていると、ばったりノエルに会った。


「やぁ、オーレリア。元気ないね? どうしたの?」

「ノエル様。そうなんです、ちょっと困ってまして……」

「僕でよければ相談にのるよ」

 スマートな対応である。

「こんなこと相談するのは、どうかと思うのですが……」

 オーレリアはドレスの件をノエルに話す。


「ドレスか……うむ。リリアならきっと解決できるだろう。オーレリア、明日の放課後に図書室で会おう」


 リリアって誰だろう?


 ーーーー


 翌朝、温室でまた植物を愛でるオーレリアと、それを見守るレックス。

「あ、レックス、今日の放課後は用事があって温室は来ないから」

「珍しいな。分かった。エイラ様と約束か?」

 何気なくレックスが訊ねる。

「エイラは今忙しいでしょ? ちょっとノエル様にお願い事してて……」


 ノエル様?


「……どんなお願い?」

「大した事じゃないよ! じゃあ、そろそろ行こうか」


 俺には秘密ってことか?


 なんだかモヤモヤする気持ちのまま、温室を後にした。


 放課後。

 オーレリアが図書室に行くと、ノエルと品のある女生徒が待っていた。三人で机を囲む。

「リリア・エイブルと申します」

「彼女は僕の婚約者なんだ。貴族のお嬢様だから、ドレスも詳しいと思うよ」

 リリアはノエルの一つ年上のお姉さんである。

「オーレリア姫はとても可愛い方ですね! ドレスも似合いそう。素敵なドレスを仕立ててくれる所知ってるので、ご紹介しますね」

「ありがとうございます!」

 オーレリアはお礼を言う。

「いいんですよ。いずれ妹になる方ですもの」

 リリアがスラっと驚く事を言う。

「えーーと……」

 目が泳ぐオーレリア。

「採寸する日にちを決めましょう。私から話はしておくわ」

 リリアはどんどん話を進めていく。


 活動的な人だなあ。ありがたい。


 そんな様子を遠目に見かけたレックス。


 図書室で三人仲良く何してんだ?

 まさか、義兄がリリア様にオーレリアを紹介してるんじゃ……?


 宿題をしながら、チラチラ見てしまう。気にしない、気にしない……全然集中できない。

 もう戻ろうと立ち上がった時、

「あれ? レックス宿題?」

 オーレリアが通りかかった。

 驚いて固まるレックス。

「もう寮行く?」

「え、あーーうん」

「じゃあ今から温室行こ!」

 嬉しそうに笑うオーレリア。


 分かっている。自分に笑いかけてるわけじゃない。温室が楽しみなだけだが、その笑顔につられて自分も微笑んでしまう。


「……ほんとに、好きだな」

「うん!」


 鍵を開ける。

 夜の温室はライトの光で照らされている。植物が光って見える。

「ノエル様へのお願いは終わったのか?」

「うん。まだもう少しかかるけど、なんとか解決しそう」

「そうか……」

 レックスはしゃがんでサボテンを眺める。

「どうしたの? レックス最近なんか変。考え事?」

 オーレリアはレックスの隣にしゃがみこみ、顔を覗き込む。

「まぁな。自分でもどうしたらいいか、よく分からないんだ」

 寂しそうに笑うレックス。


 そんな顔、初めて見た。


 レックスの頭を撫でるオーレリア。

「な! 何すんだよ!」

 レックスが赤面する。

「なんだか可哀想になっちゃって、よしよしした方がいいかなって」

「恥ずかしいからやめてくれ」

「はい」

 手を離すオーレリア。

「あのさ、オーレリアは俺と」

 何か言いかけてやめるレックス。じっとこちらを見るレックスと目が合う。

「どうかした?」

「ノエル様の事どう思う?」

「ノエル様? エイラのお兄さんで、優しい人って思うけど……?」

「ふーん。そうか」


 何が聞きたかったのだろう?

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