512
黒いフードをつけた人間は、小さかった。
顔だけしか見えないけど見た目は男と女の子供で、俺を見るなり怯えていた。
久しぶりに感じる、俺の大きな体の圧力だ。
「来るな、こっちに!」
「どうしてここが分かった」
「お前らこそ、何者だ?」
俺はすぐにこの質問をする。
それにしても、スケルトンや魔族やらのいる世界で子供二人とは驚きだ。
男の子と、女の子の二人は、俺を警戒しているようだ。
「来るな、化け物」
「魔物、出ていけ」
「随分な言われようだな」頭をかいて、俺は困っていた。
まもなくして、俺の後ろから一人の人間がやっていた。
「マトイ君っ!これは」
「ああ、小さな子を」
「それは、死霊魔術師っす!」
「死霊魔術師?」
俺が首をかしげると、二人の子供は後ろに下がった。
男の子が一本の骨を投げると、隣で女の子が魔法の詠唱をしていた。
「死者の魂よ、我を守る白き壁となれ」とつぶやいていた。
同時に女の子と男の子の右手にある指輪が、紫の光を放つ。
「危険な化け物……」
「ママの言う通り、消えろ」
女の子の魔法が完成すると、男の子が投げた骨が一体のスケルトンに変わった。
「なるほどな」
「でも、無理っすよ」
生まれたてのスケルトンは、俺に向かい最中ノニールの投げた聖水を受けてそのまま骨のようにガタガタと崩れた。
無力化したスケルトンに、怯える女の子。
男の子は強がって、俺を睨んでいた。
「お前ら、よくも」男の子が怒っていた。
「マトイ君、二人を捕まえっす。そのまま指輪を」
「ああ」俺は迷うことなく、男の子と女の子に迫った。
そのまま、俺は二人の子供をローブごと掴んでいた。
「離せっ!」
「食べないで」
男の子と、女の子が必死に抵抗するもノニールがそのまま子供の前に、やってきた。
「ちょっとこれは、没収っす」
相変わらずの表情でノニールは、二人の子供の右手人差し指にある、髑髏の指輪を抜き取っていた。
男の子も、女の子も小さな体をばたつかせていたけど指輪を取られると目から涙があふれた。
「うわーん、いじめられた!」
「助けて……ママ」
男の子と、女の子はワンワンと泣いていた。
そんな俺たちの場所に、シブーストも駆け付けていた。
「君らは、何をしている?」
「犯人っすよ、彼らが」
ノニールは、二人から奪った髑髏の指輪をシブーストに見せていた。




