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フロウフラの町は、やはり廃墟だった。
レンガの建物が多い廃墟は、大通りを歩いていた。
かつてはここに町があったのだろうけど、人の気配がない。
俺はこの街を、元気よく歩いていた。
やつれた顔の俺に、ついてくるのはシブースト。
「なんで野郎組に、僕が回らないといけない」
女がいなくなると、途端に口が悪くなる。
「まあまあ、男三人っすから」
「僕はサラちゃんと一緒にご飯を食べたい」
「レティアが決めたことだ。男子がまずは町の調査。
女子は食事と周辺警備と、役割が決まっただろう。
この時間はスケルトンが出てくるから、見つかったら逃げる。後は食料だ」
「マトイは、それが無くなると死んでしまうからな」
「みんな、そうだろう。とにかく、周辺を探そう」
「そうっすね」ノニールが同意した。
廃墟の中には、人の気配がない。
町が滅んでから、何十年も経っているようだ。
「シブースト」
「なんだ?」
「この街って、調査団がたどり着いたと思うか?」
「僕にどうして聞く?」
「決まっている、あの調査団には勇者がいた。
だけど、転生者の姿はいなかったかもしれない。
勇者はアンデットを倒す力があると思うけど、魔族は俺たちが主に戦った。
あの調査団に、それだけの戦力があるのだろうか……ということだ」
「それなら、着いた……といえる」
シブーストは迷うことなく、そう言い切った。
「どうして、そう言い切れる?」
「少なくともあの中に、転生者がいる」
「転生者?」
「ああ、アントンの話を総合すると……その転生者は、もしかしたら僕らが探しているものかもしれない」
「誰だよ、それは」
「それは、僕に協力しないと教えられない」
「協力?」
俺は首を傾げた。
だけど、シブーストは俺の方に振り返った。
「サラちゃんはここに来るべきではない、彼女を今すぐ帰すんだ」
それはシブーストが、はっきりと言っていた。




