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この黒い大地を歩くこと、一週間になるだろうか。
黒い大地の荒野は、どこまでも続いていた。
ユキがレティアの胸を見て何か言
昼はスケルトン、夜は魔族。この大陸に安全な場所はない。
常に敵に襲われながらも、俺たちはなんとか生き延びていた。
だが、そんな俺たちに徐々に危機が迫っていた。
「お腹すいたわね」
レティアは自分のお腹をさすりながら、ふらふらと歩いていた。
「無理いうな、携帯食料はそこを尽きかけている」
「そうっすよ、食料調達もできないっすから」
「だけど、あたしは発育期なのよ」
「まだ大きくするのか?レティア殿は」
「え、何?」
ったようだけど、レティアには届かなかった。
「まあ、生物がなにもいないからね。
スケルトンは骨ばっかりで食べるところないし。
魔族の肉は、呪われているから、食べられないし。
大丈夫だよ、サラちゃん。今日も、僕のを分けてあげるよ」
「ありがとう、シブースト」
「僕は、全ての女性に優しいから」
「シブーストは、食が細くてうらやましい」
「君が太りすぎなのだよ、マトイ」
俺の足取りが、一番重いかもしれない。
巨大な俺の体を維持するためには、兎に角食べないといけない。
何度も俺の腹が、間抜けにグウグウと音を立てていた。
これなら、トロンダールで魚料理をいっぱい食べておけばよかった。
「でも、もうすぐ町が見えますよ」
「フロウフラか」
「はい、そこは川が流れています」
「川か……魚があるのか?」
「わかりませんど、魚はあるかもしれませんね」
「おし、少し頑張る」
俺はだらだらと歩くのをやめて、少し早歩きになった。
だけど、それはほんの一分も続かない。
「腹減った~」
空腹には、叶わない。
エネルギーは既に、尽きていた。
「マトイさん、頑張るですよ」
「だけど、俺……動けない……さっき」
「町が見えたわ」前を歩くレティアが、明るい声を見せた。
「マジか?」
「ええ、見えたわよ。あれ。建物でしょ」
レティアが指さした場所は、レンガの壁。
その少し奥には、建物らしきものが黒い大地の彼方に見えていた。
それを見ても、俺は僅かのエネルギーを振り絞って町へと向かっていった。




