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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
十話:『纒 慎二』と眠れる医者
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夜になり、俺たちは城に戻っていた。

あのあと、何箇所か行ったけどめぼしい方法はわからなかった。

城の客間には、既に国から指示が出てリーピもここに来ていた。


眠るサラを、聴診器のようなものでじっくり調べているリーピ。

さっきあった時と違って、白衣をシッカリと着込んでいた。

こうして見ると、本物のベテラン医師に見えてくる。


「やはり、精神は不安定なようじゃ」

「治らないの?」心配そうに見つめるレティア。

「うむ、薬は完全に無理じゃな。魔法の専門家はいるのか?」

「ノニールはまだ戻っていないわね」

ここにいるのは俺とレティア、あとはルデースぐらいだ。

二人の勇者は、魔法こそ使えるが専門家ではない。


「あの薬は、あるか?」

「あるけど……」

「一度起こしてみるか、精神的に……」

「いや、何か見える」

それは眠っているサラを囲む黒いオーラだ。だけどリーピには、ほとんど見えないようだ。


「ん、なんじゃ?何あったのか?」

「マトイ、どうしたの?」

「レティアは見えないのか?」

「え、うん」隣にいるレティアにも、ルデースも気づかない。俺にしか見えないのか。

だけどそのオーラが、どんどん濃くなっていく。


「ちょっと待て」

「マトイ?様子が変だ。じいさんは下がって」

「これ、わしを」

「下がりましょ!」ルデースは何かを感じ取ったらしく、リーピをサラから離した。

やがて、俺の目の前でサラが目を開ける。

その目の開けた瞬間に、はっきりと強い怨念のようなものを感じた。

俺の周りの毛が逆立っている上に、怪しい空気を出していた。

迷うことなく、俺はサラの前に出た。


「サラ、大丈夫か?」

「ボクはゴンラー、君を探していた。待っていたよ、グリゴン」

「どういうこと?」眉をひそめるが、俺だけはわかっていた。

ゴンラーは、まさに俺を探していたのだから。



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