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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
十話:『纒 慎二』と眠れる医者
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リーピは、サラが一度国立病院の調薬所を行ったときにあったことがあった。

もっとも、病院にいる人間は例外なく白い服なのでプライベートの姿ではよくわからないが。

そんなリーピは、閉まっている国立病院のドアを開けてくれた。

調薬所のそばに、俺とレティアを連れてきた。


「本当に信用していいの?」

「一応、ここのお偉いさんらしい」

俺もそれぐらいしか知らない。久し振りに見る調薬所にたどり着くと、人はいない。

前に見たときは、人も多く場所もほぼいっぱいいた。


「内乱が終わったので、一日だけ休暇にしたのじゃ」

「そうか」

「そのへんにかけてくれ。用意するものがあるでな」

俺たちを近くにあったテーブルの椅子に座らせた。

リーピは、いそいそと周囲の棚を探っていた。


「それにしてもサラが、意識不明か。幽霊とな?」

「ああ、そうだ」

「はっきり言って、これは医学ではどうにもならぬな」

「じゃあ、サラはこのままなの?」レティアが、不安そうな顔で言ってきた。


「そうとは限らん、だが幽霊なら妖魔とかの討伐の専門が詳しいじゃろ。

勇者や魔術師などが、詳しいのかないのか?」

「今、私の知り合いが魔術師の方にあたっているわ」

と勇者レティアは、はっきりと答えていた。ノニールのことだ。


「ダメじゃな。ここにはない。隣の部屋に行ってくる」リーピが退室した。

ここに、二人で待たされる。とりあえず俺は疑問を口にした。


「幽霊と妖魔は、成り立ちが違うのか?」

「ほぼ一緒よ、魔王の穴から出てくる。ただ、倒し方が違うのよ」

「確かに俺の攻撃が、全然効かなかった」

幽霊は攻撃が当たらない、実体がないのだろう。


ノケモンのゴンラーも、実体がなかったしな。

ノケモンなら、ほかのタイプのノケモンを代わりに召喚して戦えばいい。

だが、この世界はノケモンの世界ではない。

都合よく近くに、他のノケモンがいるとは限らない。


「レティアは、魔法を使えるよな」

「うん、使えるけど……その幽霊がサラの中にいれば、直接使うわけにはいかないでしょ。

それに、どんなやつが見たこともないし」

「実際に戦ったことは?」

「ないわね」レティアが首を横に振った。


「おお、これじゃ」隣の部屋で、声が上がる。そしてまもなくリーピが戻ってきた。

俺とレティアも立ち上がって、老人をじっくり見ていた。


「何を探していたんですか?」

「これじゃよ、『精神安定剤』」俺に渡したのが、ペットボトル大のガラス瓶に入った液体の薬。

「この薬は?」

「ずっと眠っているのじゃろ、まずは起こさねばならぬ。

サラが幽霊にとり憑かれたとしても、起こしたほうがいいと思ったのじゃ。

精神的な休息状態を、解除させねばならぬ」

「だけど無理に起こしたら……」

「じゃから、いっただろう?これは、わしらの医術ではどうにもならぬ。

おそらく正しい解き方は医術以外の別にある、とりあえず持っていけ」

どうやら国から、手伝うように指示も出ているようで素直に手伝ってくれた。

それでも、老人のリーピは疲れた顔を見せていた。



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