表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
九話:『纒 慎二』と天才的頭脳
122/639

122

その黒いものは、体長は一メートルほど。

全身が黒い、人型。といっても姿がデフォルメされていて、短い手足と腹の辺りに顔がある。

大きな目と、大きな口、黒い角が二本生えていた。

だけど、俺はこれがなんなのかすぐにわかった。


「な、なんですか?」

「ゴンラー」

「え?」俺が発した聞き覚えのない単語に、驚いたサラ。


「お前、よくわかったな。そう、俺はお前と同じ」

ゴンラー、それはノケモンの一種で幽霊タイプのノケモンだ。

《ナイトメアイート》という特殊能力を持ち、更にいくつかの魔法のような技を持つ。

ついでに、物理攻撃が効かない大変厄介なノケモンだ。


「なぜ、こんなところにゴンラーが?」

「君がボクを呼び寄せたんだよ、グリゴン」

「えっ?グリゴン?」サラはゴンラーの言葉にキョトンとしていた。

「俺の、この姿のことだ」

「君は散々、好き放題に暴れてくれたそうじゃないか。この世界に影響を与えた。

変わらない歴史さえも、君は変えてしまった」

「お前は、何言っているんだ?」

「ボクはね、歴史を戻そうと思う。君の」

ゴンラーは、そう言いながらサラを指さした。


「何を言っている?ゴンラー?」

「君はここに来るべきじゃない」ゴンラーはそう言いながら、空を飛んで向かってきた。

向かってくる相手は俺じゃない、サラだ。無論俺は《たたく》をコマンドで選択した。


「お前に何かを、させるわけにはいかないっ!」

だけど俺の腕は、ゴンラーの闇の体をすり抜けた。そのゴンラーはサラの背後にそのまま近づく。

俺はノケモンでも知っていたが、やつは幽霊。物理攻撃は効かない。


「これもゲーム通りか」

「まあ、そういうこと。ただし一つ、ルールがあるのだとすれば?」

黒い幽霊のゴンラーがサラの方にユラユラ近づく。

俺は、直ぐにわかった。


「マズイっ!サラ、逃げろ!」

「えっ、でも……」

「君の体を、いただこう」

そう言いながら、ゴンラーはサラの背後からサラの体の中に同化していった。

同化した瞬間、サラが意識を失ってドレス姿で倒れ込んだ。


「サラっ!」

俺はゴンラーが何をやったのか知っていた。

すぐに、サラは目を開けた。ムクリと起き上がったサラ。

だが、全身真っ黒なオーラを放つサラは巨体の俺を突き飛ばす。


「これでいい、これから歴史は元に戻るっ!」

ドレス姿で、サラは浮かび上がっていく。三メートルほど上がって、黒いオーラを放つ。

だが、数秒後。再び意識がなくなり、目を閉じた。


そして、サラは自由落下で落ちてきた。

俺は両手で、サラの小さな体を受け止めた。

それでも表情は険しい。腕が震えていた。


「くそっ、あいつめ。《のっとり》をしてきたな」

ゴンラーは《のっとり》という特殊能力がある。

文字通り、相手の体を乗っ取ることができる特殊能力だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ