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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
九話:『纒 慎二』と天才的頭脳
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アルカンテの中央には城が立っている。

この街の中央に建つこの城はアルカンテ城。そのままだ。

城で祝賀会を行っていて、パーティルームは華やかなドレスで身にまとう。


俺は相変わらずの服で、見栄えに変化がない。そもそも大きさがないので服の選びようがないが。

サラは白いドレスを着ていて、見違える程優雅で可憐だ。

長い髪は綺麗に結えられていて、上品な雰囲気もあった。

新しい格好でデビューした俺とサラだが、すぐに飽きていた。

話す相手もいないし、あっという間にいつもどおり二人になってしまう。

二人になったら、自然とベランダに出ていた。夜の街が、ここから一望できる。


「しかし、城に来るとは思わなかったな」

真っ白く綺麗な壁、床も青いカーペット。

豪華な食事に、綺麗な格好の貴族たち。


「私も初めてですよ」

「そうか」俺は相槌を打った。なんというか、あまり落ち着かない場所だ。

「少し平和になれば、色々と休めるよな」

「そうですね、戦争も終わりそうですし」

「時間があれば、街をじっくりと見て回りたいな」

「確かに、いろいろ忙しかったですからね。まあレティアさん次第ですけど」

白いドレスのサラが、眩しいほどに可愛く笑ってみせた。

ブーケを被れば、花嫁……の真似をした小学生女子に見えた。

そのレティアは、ルデース側の人間と集まっていた。

ノニールも、魔術師の方に囲まれている。


「そういえば、さっき見たお妃様の姿、綺麗じゃないですか?」

「ああ、前の方にいたっけ」

「うん、あんな姿……憧れますね」

「憧れね……」俺がふとサラのそばに視線をやったとき、サラの後ろにある庭の木になにか黒い生き物を見つけた。


「サラ、後ろ!」

「どうかしましたか?」振り返るが、サラは後ろの物を見つけられない。

「あれ、なんかいたようだが……」

「もう、マトイさんったら、お酒でも飲んだんじゃないでしょうね?」

「いや、飲んで……」再び視界にその黒い何かが見えた。

木の上から、ベランダの手すりに飛び乗っていた。


「サラ、コイツだ」そんな俺が指さしたとき、黒い何かは口を大きく開けて笑っていた。

そしてサラもベランダを見た瞬間に、驚いた顔を見せた。



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