表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
九話:『纒 慎二』と天才的頭脳
118/639

118

仮面をつけたその男は、医者に全く見えない。

タダの怪しい変質者にしか見えない。


『影医者マウン』、彼はそう名乗っていた。

黒いマントは、ラオルにも似ていないいことはない。

もしかしてこいつは、ラオルじゃないのだろうか。などと適当に邪推していた。

そして、そいつは二枚の紙を持っていた。


「それは、レシピですか?」サラが聞く。

「そう、ソーリック側が作ろうとしたレシピ。国に押収される前に、奪ってきたわけですよ」

「あんた、本当に医者かよ」

「それに関しては、いいじゃないか。これは君に渡すよ」

影医者はサラに、二枚のレシピを渡していた。サラがそのままレシピを見ていた。


「なぜ私に?」

「私に、全く必要ないからですよ。難しくて理解できないし」

「このレシピは、多分私の考えと違いますね」

「そうなのか?」俺にサラが見せてくるが、無論理解はできない。


「でも、この薬は驚いた。まさかレシピもない中でこんな薬を作るとは。

こんな能力のある君を、国は絶対放っておかないだろうね」

「私は軍人でも、毒薬を作る化学者でもありません」

だが言い放ったサラはジーッと、仮面の男を見ていた。


「君の力はそれ以上だ、まさに優秀だよ。サラは君の思っている以上に……」

「もしかして、お兄ちゃん?」

その言葉で、影医者が反応を示した。ビクンと動いて、怪しい。


「いや君の兄の、ハトではない」

「私、ハトなんか言っていませんよ」

その言葉で、固まってしまった影医者。

観念したのか、ゆっくり仮面を外した。仮面の中から爽やかな金髪の青年の顔が出てきた。


「やっぱり、お兄ちゃんだ」サラはじーっとハトを見ていた。

「いや、その……ホントびっくりしたよ」

「なんでお兄ちゃん、そんな格好しているの?」

「いろいろあるんだ。というか、どこで分かった?」

「アルバート病院で会った時からです」

サラがそう言うと、ハトは慌てて仮面をかぶった。

どうやら最初からなんとなく知っていたのか、サラは。


「いや、言っておくが、それは違って……」

「まあ、いいよ。お兄ちゃんが無事なら」サラの表情が明るくなった。

仮面をかぶったまま、影医者になった(ハト)が頭をかいていた。


「サラ、いい仲間に恵まれたな」

「うん、ありがとうお兄ちゃん」

「違うぞ、私は影医者マウンだ!

サラ、やっぱりテスコンダルを目指すのか?」

「もちろん目指します、それは私の夢ですから」

「そうか、むっ!」そう言いながら黒いマントの男が、背中を向けた。

すると、国の兵士らしき男が影医者を見つけた。こちらに向かってくる。


「悪い、私はこれで失礼する。さらば」

黒い仮面の男は、小走りに走っていった。それから数秒後、兵士が俺とサラに声をかけてきた。


「ここに、黒い仮面の男はいなかったか?」と。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ