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勇者ルデースの救助と、レジスタンスのリーダー『ソーリック』の捕縛は一気に情勢が変わった。
不満を持つ市民は多くいるが、それでもソーリックの逮捕で抵抗を辞めるようになる。
貴族たちの兵士は、アルバーニ病院とレジスタンスのアジトを攻める。
処刑で群衆を味方にするソーリックの目論見は崩された。
青い霧が晴れた広場には、倒れてうずくまる狼頭……ではなく人間がいた。
その人間も、抵抗することもなく兵士たちに捕まっていく。
俺は、広場でサラと合流した。
「マトイさん、ご苦労様です」
「ああ、サラもな」
「そんなことないです、私はこれぐらいしか……」
「これだけできれば、上出来だ」
サラの頭を俺は大きな手で撫でてあげた。サラは恥ずかしそうにしていた。
「レジスタンスも捕まって、これでよかったんですか?」
「ノニールが、現在貴族院と交渉しているみたいだ。
レティアはルデースの看護に行ったようだし、マリアは兵士と一緒にレジスタンスの残党戦。
だが、抵抗勢力はないだろう。獣の人間を主力にしていた彼らに、武器はない」
「でも、よかったのでしょうか?」
サラは、落ち込んだ顔を見せていた。
「何がだ?」
「私たち、旅の人間が貴族側についたことにならないですか?」
「それは違うぞ」俺は、周囲を見回した。
「俺たちは貴族側についたわけではない、話せる人間が今のところは貴族だけだ。
一般市民は、混乱して獣という間違った戦力も使っていた。
それに、お前の薬を使用していたわけだし。
それに奴らが、複製しようとしている薬のレシピを手に入れないと」
「これのことかな?」
そんな時、一人の人間が現れた。それは突然現れた真っ黒い仮面の男だった。




